イタリアより

滞在日記

ヴィットリーナ教会へ/その1.

2017年03月30日 | グッビオ

グッビオの聖フランチェスコとオオカミの像


■2016年12月24日(土)

グッビオに行きたいと思った理由は二つありました。一つは、ギネスに認定された世界最大のクリスマスツリーを見ることと、サン・フランチェスコ縁(ゆかり)のヴィットリーナ教会を訪ねることでした。この季節にしか見ることの出来ない風景は、なんと言ってもクリスマスにまつわるイベントですが、数年前に見たリグーリア海岸のうら寂しい山のてっぺんにキラキラと輝く小さなプレゼピオも感動的でした。一人の旅なので誰ともその熱い想いは分かち合うことはないけれど、でも、それだけにこんな時に受けた感動は、脳裏に静かにそして深く刻まれます。

今回はクリスマスツリーもさることながら、どうしても訪ねたかったのは、サン・フランチェスコの足跡でした。彼の故郷アッシジは勿論、オルタ湖やリグーリア海岸でもフランチェスコの像を目にしたり、逸話を知ったりしましたが、世界中の信者から慕われるフランチェスコのお話は、イタリアでは全国津々浦々枚挙にいとまがありません。


セミに話しかける聖フランチェスコ/アッシジにて


小動物にも愛を注ぎ、優しかったフランチェスコの、ここグッビオでのお話は、オオカミにまつわる物語なのですが、このお話にちなんで、かつて私はとんでもない間違いをしていました。それは前述したリグーリア海岸のチンクエテッレを訪ねた時でした。宿泊したモンテロッソの町の小高い丘にフランチェスコの像を見つけたのですが、説教をしている相手を犬だと思ったのです。


モンテロッソのフランチェスコの像


この年の夏に、愛犬のゴールデンレトリーバー犬を突然亡くした私は、いわゆるペットロスとも言える状態に陥っていました。図体が36キロもある大型犬だったので、その存在感は大きく、逝ってしまわれると、それ以上に喪失感があって、この像を見た時、天国に居る愛犬にフランチェスコが下界に戻りなさい、飼い主の元に帰りなさいと諭してくれている等と、勝手にこの動物を犬だと思い込んでしまいました。妄想もここまで来ると、笑うに笑えませんよねぇ。信者さんたちが敬愛するフランチェスコの物語を変えてしまうなんて。そういう訳でこのブログのモンテロッソのページに書いてある、犬という記述は、間違いですm(_ _)m。


旧市街からはずれて、人影のない道をトボトボ行く・・・


このヴィットリーナ教会の情報は、日本ではほとんど得られなくて、現地で対応しようと思ったのがそもそもの間違いでしたが、道行く人に聞けば、皆声を揃えて「e` lontano!」(遠いわよ)と首を振りました。
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グッビオまでの遠い道のり/その5.(行き方まとめ)

2017年03月23日 | グッビオ

バスの待ち時間に、イタリア広場から眺めたペルージャの町並


■2016年12月23日(金)

こうしてやっとグッビオへのバスの時刻表を得て安心しましたが、やっぱりネット上にあがっている時間とインフォが送ってくれた時刻表の出発時間が微妙に違う。それでも両者が合致している午後1時20分発のグッビオ行きに乗ることにしてフィレンツェを発ちました。電車は普通列車でしたが、20分遅れで、ペルージャに着きました。

ペルージャは一昨年訪ねた町なので、少し土地勘があります。駅を降りたら左手側に切符売り場があるので、そこで、この駅前から、郊外線が発着するペルージャのバスターミナル「パルティジャーニ広場」までの往復切符を買いました。どこでもそうですが、“行って帰って来る”予定なら、切符は出来るだけ往復買っておくことをお勧めします。行った先の切符売り場が閉まっていることもあるので、もう念には念を入れて。イタリアでは、予測行動が必要です(^^)。


ペルージャ駅前のバス停「FONTIVEGGE」フォンティヴェッジェからパルティジャーニ広場に到着


前述しましたが、ペルージャ駅のバス停の名前は、フォンティヴェッジェ駅と言います。時々他の町にあるような、町の名前と鉄道をくっつけた、ペルージャ駅FS.PERUGIA 等ではありません。現地で人に聞くときは、ペルージャ駅FS.PERUGIA と言う名称でも通じますが、時刻表にはFS.PERUGIAの類いの表記はないので要注意です。


ペルージャバスターミナル/パルティジャーニ広場


このパルティジャーニ広場という名称のターミナルを入るとすぐ左側に切符売り場、右手にバールがあります。バールの店内は小さくてテーブルや椅子はありませんが、コーヒーやピザなどを売っていて、ちょっと一息付くことが出来ました。切り売りピザ1ユーロ也~お店の人は陽気で明るく、なかなか利用しやすいバールです。

さて、この切符売り場で、グッビオまでの往復切符を買いましたが、念のため午後便のバスの発車時刻を聞くと、午後14時半だと言います。えっ?13時20分ではない?何度聞いても、そして打ち出した時刻表を見せても、彼は首を振り、14時半だと言い張ります。クリスマスのこの時期なので、急な変更でもあったのか…やっぱりここは、現地の切符売り場の職員が言うことの方が確かだよなぁ…


ターミナルの入り口から奥へ進むとそこがバスの乗り場になる


何だか腑に落ちないのだけれど、あと2時間以上も待ち時間が出来て、それならと、ペルージャの町を少し散策することにしました。2年前、一泊旅行をし、現地の友人にも会えて楽しく過ごした町でした。今回もこの友人との再会の約束があって心は弾んでいるし、そういえばあの日、パルティジャーニ広場から、車内で落としたカメラを求めて終点のイタリア広場までバスを追いかけたっけ…等々失態さえも懐かしく思い出していました。


ペルージャの町の中心には以前と同じ、出店が軒を並べてクリスマスムードが漂っていました


第六感が働く、と言うのではないのだけれど、それでも、どこか気になって散策もそこそこに、ターミナルに戻って中へ入り、バス乗り場のある奥へ歩いて行きました。本当に13時20分発ではない?と確かめたくなっていたのでしょう。時間は午後13時15分。ネットからダウンロードした時刻表にある発車時間の5分前。なんと、グッビオ行きと大きく表示の出たバスが停まっているのです。


グッビオ行きのバス


運転手さんの姿はないし、もしかしたらこの郊外路線、1時間も前にバス停に停まって乗客を待っている?発車時刻は14時半だと幾度も聞かされたので、そう思ってしまったのは無理からぬことではあるものの、それを確かめたくなって戻ったはずなのに少々うかつでした。もう一度確認して来ようかと切符売り場の方向に身体を向けた時、なんとバスが発車したのです。えっーそんなーっ!

バスはこの広い専用駐車場をぐるりと回って県道に出ます。外へ出てしまったらもう停まってくれそうにない、一気に加速して走り去ってしまうと頭の中では考えが巡り、どうしてもターミナル内で止めようとこのバスを追いかけました。一泊分の小さな手荷物を抱え、切符を振りながら待ってぇー!!

幸い、他のバスも乗客も居なかったために、私の姿は目立ったのでしょう。運転手さんは、ターミナルを出る直前で停まってくれました。このバスに乗れないと次は又1時間近く待たねばならず、それだけグッビオの散策時間が削がれることになります。お天気が良さそうなので、グッビオでは、着いたらすぐにフニビア(鳥かごのロープウエイ)に乗って、山のてっぺんにあるサン・ウヴァルド大聖堂に行く予定をしていただけに、何とかバスに乗れたのは、不幸中の幸いでした。

それにしても、ターミナルの職員はどうして発車時間を間違えたのか。同じ名前の町が他にもあるとは思えないし、私の聞き間違いでも決してない、あれほどしつこく何度も聞いたのだもの。現地の事は現地で聞くという私の旅の鉄則は、うーん…ここに至っては改正の要ありか。現地では、最大限の勘を働かせよ!と。

※フィレンツェからグッビオへの行き方-まとめ-

1.フィレンツェから鉄道でペルージャへ行く
  http://www.trenitalia.com/

2.ペルージャ駅のバス停「FONTIVEGGE」から、市バスで「BUS TERMINAL/P.Partigiani」へ移動
  ※駅を出てすぐ右にあるバス停から乗るTS線が便数が多く乗りやすいです。
  http://www.fsbusitalia.it/fsb/L'offerta/Linee-regionali/Umbria
  Servizi urbani→Orari servizi urbani

3.ペルージャ・バスターミナル/P.Partigiani からグッビオまで郊外バス路線に乗る
  http://www.fsbusitalia.it/fsb/L'offerta/Linee-regionali/Umbria
  Servizi extraurbani→Orari bacino di PERUGIA
※略語の意味
NS) feriale non scolastica        学校のない平日運行
SLV) scolastica da lunedì a venerdì  学校のある月曜から金曜日運行
Fe) feriale              平日運行
Fs) festivo              休日運行
Sc) scolastica             学校のある日運行  
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グッビオまでの遠い道のり/その4.

2017年03月22日 | グッビオ

最高のお天気に恵まれました

パラッツォ・ドゥカーレよりグッビオの町並みを臨む


■2016年12月23日(金)

フィレンツェからペルージャ経由グッビオまでの行程で、やっと見つけた郊外線のバスの時刻表。簡単にサイトのURLを記せば済むのに、スイマセン、ちょっと引っ張ります^^;


トレニタリアのHPから前述のメニューバーにある“グループ会社”をクリックする

プルダウンメニューに現れる“BUSITALIA-SITA Nord”を更にクリックすると



ついに発見!鉄道会社に統轄されたウンブリアのバス会社の新しいサイトです

そして、このページのずっと下方左側にその“入り口”がありました



IN UMBRIA

更にここをクリックして次へ進みます



左の青い下線が近郊に行くバス
右の黄色下線は市内を走るバス


イタリアのバス路線を調べる時、上記に記されている二つの交通用語は大切です。URBANO(ウルバーノ)は、都市バスの意味で、いわば市内を走るバス路線のこと。EXTRAURBANO(エクストラウルバーノ)は、近郊を走るバスでいわゆる郊外路線なのですが、ペルージャからグッビオに行くバスは、勿論郊外路線になります。ちなみに上記の右側黄色い下線の“Orari servizi urbani”には、ペルージャの鉄道駅からグッビオへ行くバスが出ているバスターミナル「パルティジャーニ広場」までの市内バスの時刻表が載っています。合わせて参考にしてください。なお、ペルージャの駅のバス停名は、Fontiveggeといいます。


とうとう見つけた時刻表のPDFファイル
これで安心してグッビオへ行ける!



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グッビオまでの遠い道のり/その3.

2017年03月20日 | グッビオ

グッビオのバス停と切符を売っているエディーコラ(新聞スタンド)

このエディーコラの営業時間は
午前は6時~13時
午後は15時~19時15分
(2016年12月24日現在)


■2016年12月23日(金)

ペルージャからグッビオまで行くバス会社の情報をひょんなことから知ったと前述しましたが、それはこんな経緯からでした。観光案内所から問い合わせの返信メールを貰った後、添付の時刻表の真偽に不安を覚えながらも、半ば何とかなると、予定通り、イタリア鉄道のトレニタリアから、先ずはフィレンツェ-ペルージャの鉄道切符をネットで買いました。この路線も午前中は1本しかなくて選択肢がなかったからですが、今思うと根拠のない自信を持つことは、なんと強いのでしょうね。


トレニタリアからネットで購入した切符

これが突破口となりました


トレニタリアのサイトは時々見ているのですが、ここ数年でいろいろと変遷し、実に旅行者泣かせです。例えば、古くは会員の登録は2012年あたりまで、名前とメールだけで出来ていたのに、今ではもうイタリアの在住者でしか出来なくなっているし、最近では普通切符の有効時間が6時間から4時間までに短縮されている、その他、単独で動く旅行者が知っていないと困るようなことが多々あって、辞書を引きながら、時々約款まで読んでいました。なんだかマニアックですよねぇ。


やっと見つけたペルージャからグッピオまでのバスの時刻表


切符の購入後、このトレニタリアのサイトを見ていてハッと気付くことがありました。何気にクリックした【Società del Gruppo】(グループ会社)のリンク先!もしかして?!見つけた?心臓がドキドキ高鳴ったのを今でも覚えています。


トレニタリアのトップページ



余談


電車の中で会った親子連れ・・・


フィレンツェからペルージャまで普通電車に乗って移動しましたが、車内で小さな男の子を連れた男性にお金の無心をされました。同じ車両に乗っていた乗客は少なかったのですが、皆幾らかを手渡していました。私のそばにもやって来て、男の子の手を差し出しましたが、その子は下を向いたまま、ことの状況に気付いていたようでした。私は1ユーロを渡しましたが、この二人はほんとに親子なのかしら…果たして彼らは私と同じペルージャで降りました。見ていると駅前のスーパーのそばの自販機で男性は飲み物を買いましたが、男の子には何も買い与えてはいなかった…イタリアでは、以前に比べると格段に少なくはなったけれど、車内をこうして回る人たちが今でもまだ居ます。クリスマスを目の前にして、ちょっと心が痛む出来事でした。
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グッビオまでの遠い道のり/その2.

2017年03月18日 | グッビオ

グッビオのバス停

帰りは、ペルージャまでこのバスに乗りました


2016年12月23日(金)


イタリアへの単独旅行で、ネックになるのは交通機関です。地方へはレンタカーを利用するのがてっ取り早いのですが、海外では、車を借りることも運転もそう簡単ではありません。列車とバスを乗り継いでこそ、旅の醍醐味だー、と、気持ちを奮い立たせますが、これも結構痛い目に遭うこともあって、今回がそのいい例です。

前述の通り、予定していたバス会社がなくなっていて、時刻表も見つけられない…ではどうすかるか。こんな時、私はいつもその町の観光インフォメーションに問い合わせをするのですが、最近は、親切な応対をしてくれるインフォが沢山あって、その返信メールには感動さえも覚えます。グッビオもそうでした。フィレンツェからグッビオまで行きたいが、どうすればいいか、バスの時刻表がネットでは見つけられない、と問い合わせをしたところ、実に丁寧な返事がありました。添付ファィルもあって、ツーリストインフォメーションの案内やフニビアと呼ばれるロープウェイの営業情報も送ってくれました。そして、目的のバスの時刻表も。


ツーリストインフォメーションの案内とフニビア、及びバスの時刻表


これまで、この種の問い合わせをしても、なしのつぶてという場合もあっただけに、この素早い親切な応対はほんとに嬉しくて、メールに手を合わせたほどでした。ところが…


ツーリストインフォメーションから送られて来た時刻表

赤い囲みの中(左)には今は存在しないURLが…

赤い囲みの中(右)にはスルガ社のURLが…

青い線はペルージャ・グッビオ間のバス時刻


どうも解せないのです。この時刻表の、上記赤い囲みの中は、umbriamobilita.it と sulga.it のURLが記されていて、スルガ社はともかく、umbriamobilita はネット上にはもうありません。この後、ひょんなことから判明するのですが、ウンブリアのバス会社は数年前に鉄道会社に統括されたようで、なくなっていたのです。スルガ社は存在するものの、ペルージャ―グッビオではなく、ローマ-グッビオ間を運行しているバス会社だしな・・・


町を散策中、コンソーリ通りに突然現れた等身大のプレゼピオにびっくり仰天


ツーリストインフォメーションが送ってきた資料に間違いはないとは思うものの、存在しないURLとペルージャ→グッビオを走っていないバス会社の名前が記載された時刻表・・・果たしてこの時刻表を信用してもいいのかしらん…
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