イタリアより

滞在日記

モンレアーレへの行き方 その7-AST社のバス検証④-

2020年03月24日 | モンレアーレ

改めて・・・モンレアーレ大聖堂

当時狩猟場だった周辺一帯に
アラブやノルマンの貴族達が集落を創り上げ
モンレアーレ(王の山)と名付けました
大聖堂は1172年から4年を費やして
シチリア国王グリエルモ二世の命で建設されたのだそう


この写真を撮るのにちょっと苦労しました
団体さんがどっとやって来て…(^^)


■2019年12月27日

地図を頼りに、それも机上でモンレアーレのバス停探しを続けます。前頁のモーロ通りからヴゥネロ通りへと右折したあたりに、AST社のバス停を見つけました。勿論ストリートビューでの発見ですが、何だかドキドキとしてきて期待が高まりました。恐らくここが、メールに書いてあったバス停「 via Venero」になるのでしょう。更にこの道を進みます。


バス停「 via Venero」


そうしてバスが次に通るのは「 via della Repubblica」。レプッブリカ通りです。 Repubblicaというのは、共和国という意味ですが、どの都市に行っても必ず、この名称は、例えば、通りの名前になっていたり、広場や駅名にも Repubblicaが付けられているのに気付きます。更にはイタリアの全国紙にもその名は付いていて、まさしく矜持を持って自国を指す象徴的な名称のように思います。そんな名前がここでも通り名に付けられているので、いよいよ町の中心に近付いたかと思うのです。


レプッブリカ通りにASTのバス停が…


あった!レプッブリカ通りにASTのバス停がありました。恐らくここもメールに記載されているバス停「 via della Repubblica」なのでしょう。それにしても、パレルモからモンレアーレに至る道路に設置されているAST社のバス停は、どこも“通り名”がそのままバス停の名前になっているらしい。

AMAT社のバス停名は、「INDIPENDENZA」「ALBERGO DELLA POVERE」「CASERMA TUKORY」「PIDEMONTE」~「FONTANA DEL DRAGO」と個別の呼称なので、てっきりそれを思いましたが、そういえば日本でも、●●一丁目バス停、●●二丁目バス停とその地の住所がそのままバス停の名前になっているのも珍しいことではありません。普段意識しないけれど、バス停や電停に付けられた名前を深掘りすれば、その交通機関の背景も見えてくるようでちょっと興味深いなと思いました。

さて、メールの内容に照らし合わせれば、次が終点のモンレアーレのバス停になるはずで、通り名は「 via de Gasperi.」。地図を追ってみると、レプッブリカ通りからガスペリ通りに入る道路があって、更にストリートビューのペグマンを進めます。


レプッブリカ通りからガスペリ通りへ行く

Googleストリートビューより


ガスペリ通りを直進していくと、ケネディ通りへ入る直前、右方向にAST社のバスが停まっていました。通りの名称は、「Via Alcide De Gasperi」ですが、バス停のあるエリアは、「Piazza papa Giovanni」。メールにはその名称はありませんでしたが、よく読むと、“Il capolinea a Monreale si trova in Via de Gasperi,” モンレアーレの終点は、ガスペリ通りに見つかる(ガスペリ通りにある)、とあって、まさしくここが、モンレアーレのバス停だと確信を持ちました。


ガスペリ通りに見つけたモンレアーレのバス停

Via Alcide De Gasperi



AST社バス停の標識が立っている!


メールをくれた担当者は、私が理解しやすいようにと、説明をこのようにしてくれたのだと思いますが、停まっているバスの方向を考えると、バスは、ガスペリ通りと平行して走る「アグリジェント通り」(上記写真青色の矢印)へと進み、このパーパ・ジョバンニ広場に到着するのかも知れません。


アグリジェント通りを走って終点に到着するのかも知れない


更にメールの内容を見てみます。文末に、“alle spalle della sede della Polizia Municipale.” (終点のバス停の)背後には町の警察署がある、と書かれていて、地図に目をやると、確かにモンレアーレの警察署が後方にありました。


バス停のあるパーパ・ジョバンニ広場の後方にあった
“vigili Urbani Monreale”(モンレアーレの自治体警察署)



ヴェネロ通りとアルキメ通りが交差する道路にあるモンレアーレの警察署正面


こうしてやっとAST社のモンレアーレのバス停を確定させることが出来ました。あとは、地図をたどっていくと、以下の様な順路で大聖堂へ行き着きます。この国は何処の町でも、聖堂があれば、その大聖堂を中心にして、放射線状に町は広がっている、沢山の町を訪ねて、そんな町の成り立ちに気が付きました。このモンレアーレでも同様で、外側からは中心へ中心へと向かえば、聖堂に行き着く。


モンレアーレのASTバス停から大聖堂の位置関係

がバス停


降りたバス停から右方向「ケネディー通り」へ行き、交差する大通りを左へ→「アルキメデ通り」を上がる→「インギッレリ広場」に出るので右方向へ→賑やかな商店街になる「ピエトロ・ノヴエッリ通り」ヘ進み→ローマ通り→サンタ・マリア・ヌォーヴァ通りへ行けば大聖堂に到着。あるいは、町の人がショートカットで利用していると思われるバス停の目の前、「ジュゼッペ・フェデーレ広場」から続く階段を上がると「ヴェネロ通り」に出ますが、そこから右方向へ行くとインギッレリ広場に着きます。その後は上記の通りに進みます。帰りのバス停も同じ場所から乗車。

以上、実際にAST社のバスに乗車したわけではありませんが、もしも、このバスで行く時にはどんな経路をたどって、どこにバスは着くのか、こうして事前に見当が付けられて安心してモンレアーレに向かったのでした。

■AST社のメール全文/丁寧な返事をもらって本当に嬉しかったです

Gentile kazu,
abbiamo corse da Palermo a Monreale e da Monreale a Palermo tutti i giorni eccetto la domenica.
La corsa dura da 40 a 60 minuti, a seconda della fascia oraria e quindi del traffico.
Il biglietto di corsa semplice costa 1,90 euro, quello di andata e ritorno costa 3 euro (da utilizzare nell'arco della stessa giornata).
Può acquistare il biglietto presso uno dei nostri rivenditori (trova l’elenco sul sito) oppure anche a bordo dell'autobus.
Il capolinea a Palermo è in Piazza Giulio Cesare, angolo via Roma (stazione centrale). L'autobus percorre poi corso Tukory, via Re Ruggero, Piazza Indipendenza, Corso Calatafimi, la ss186, e a Monreale la via A. Moro, via Venero, via della Repubblica, via de Gasperi.
Il capolinea a Monreale si trova in Via de Gasperi, a 300 metri dal Duomo, alle spalle della sede della Polizia Municipale.
Ecco gli orari attualmente in vigore:

DA PALERMO PER MONREALE:
06.10; 07.05; 07.30; 08.30; 10.00; 11.15; 12.30; 13.30; 14.30; 16.00; 17.15; 18.45; 19:45.
DA MONREALE PER PALERMO:
05.30; 06.10; 06.50; 07.10; 07.55; 08.45; 09.45; 11.30; 12.30; 13.30; 14.30; 16.00; 17.30; 18.30.

Restiamo a disposizione per qualsiasi altra informazione

Cordiali saluti,

Dott.ssa Rita Pascucci
Ufficio del Direttore Generale
Direzione Generale AST S.p.A.
Via Caduti senza Croce, 28
90146 Palermo
Tel +39 091 6208715
Fax +39 091 6703974
E-mail: r.pascucci@astsicilia.it
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モンレアーレへの行き方 その6.-AST社のバス検証③- 

2020年03月11日 | モンレアーレ

テラスから臨む大聖堂に併設された修道院の中庭

回廊にはモザイクや象眼装飾が施された柱が対になって並んでいます


■2019年12月27日

更にメールによると、バスはモンレアーレの町に入りますが、さすがプルマン長距離バス、というかパレルモからモンレアーレまでの距離なら中距離になるのでしょうが、AMAT社の市バスが県道を行くのに対して、AST社のバスは大きなエリアを包括する国道を走ります。

《メール本文》
e a Monreale la via A. Moro, via Venero, via della Repubblica, via de Gasperi. Il capolinea a Monreale si trova in Via de Gasperi, a 300 metri dal Duomo, alle spalle della sede della Polizia Municipale.
★モンレアーレでは、モーロ通り、ベネト通り、レプッブリカ通り、ガスペリ通りへとバスは行き、モンレアーレの終点は、ドォーモから300メートル、後ろには町の警察署があるガスペリ通りになる。


バスはパレルモ市内を抜けて国道186号線を南西方向へ向けて走る…らしい

ストリートビューより


地図で見るだけですが、国道と言っても片側一車線っぽい道路です。車の往来も激しそうで、ここを行くなら、成る程時間帯によっては渋滞も起こりそう、そんなStrada statale(国道)です。やがて、モンレアーレ方面へ左折して県道に入り、いよいよモンレアーレの町の入り口になるアルド・モーロ通りへと向かいます。


アルド・モーロ通り(via A.Moro)へ

ストリートビューより


市バスでモンレアーレへ行く道中、果樹園の広がる黄金の盆地「コンカ・ドーロ」が垣間見えましたが、国道を行けば、一気に町へ入るのでしょう。バスは、このモーロ通りを山手の方へ上がっていきます。ストリートビューでは、この通りにはAST社の標識が立つバス停らしい場所は見つけられませんでしたが、タバッキがあったり薬局があったりするので、経験上、その辺りにもしかしたらバスは停まるのかも知れません。


人々の生活圏になっているモーロ通り

ストリートビューより


モーロ通りを突き当たると、バスは右折して、ヴェネロ通りへと進みます。地図上、この通りにAST社のバス停を見つけることが出来たので、メールの内容にも信憑性が高まった瞬間です。

それにしても、ここまでしないとモンレアーレのバス停が分からないなんて、というか、ここまでしないとひとりぼっちの旅行、それも地図の読めない女は現地で右往左往するんですよねぇ。「ここはどこ?」エリアがいっぱい。そうして、いよいよモンレアーレのバス停探しは佳境に入ります。

余談


私も毎日マスク姿で通勤しています


2019年12月末、私は恒例のイタリア旅行を楽しんでいたわけですが、国立感染症研究所の発表によると、既にこの頃には、中国湖北省武漢市で新型コロナウイルスが原因と思われる患者の存在が明らかになっていました。原因不明のその肺炎患者から、その後“COVID-19”と名付けられる感染症を引き起こす新種のコロナウイルスが検出されていたのです。2019年の旅行では、成田発着のアリタリア-イタリア航空の飛行機でシチリアに渡ったのですが、その前の年は、北京経由のエアチャイナを利用しています。北京では7時間もの滞在時間があったので、いわゆる濃厚接触者の数も多く今回のことはまさしく人ごととは思えません。

イタリアに居ても、もう随分前から旅行者のみならず、現地で働く中国の方達もほんとに沢山見受けられていて、レストランの厨房をちょっと覗けばコックさんでさえ中国の料理人で驚いたことがありました。先年、中国は、「一帯一路」という巨大な経済圏構想を提唱しましたが、その構想が、ここまで及ぶとは想像だにしなかったことでしょう。

以下は、今回の件、イタリア旅行に関するサイトです。状況によっては、しばらく渡伊は難しいかも知れませんが、一人一人が今出来る事を粛々としていくしか、ウイルスに抗する方法はないのかもしれませんね。

旅行
外務省「海外安全ホームページ」/「イタリア」

在イタリア日本国大使館

参考
国立感染症研究所

WHO/新型コロナウイルス発生に伴う旅行者の本国送還と検疫について











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モンレアーレへの行き方 その5.-AST社のバス検証②- 

2020年03月10日 | モンレアーレ

改めてモンレアーレ大聖堂内
ここでずっとキンピカの柱や天井を眺めていました
時間が来て追い出されるまで・・・


■2019年12月27日

AST社の返信メールには、前述通りモンレアーレへ行く自社のバスについてあれこれ説明はしてくれていましたが、肝心の降車するバス停名は記されていませんでした。が、しかし、駅前のバス停から発車したバスが、どの経路でモンレアーレまで行くのか詳細に“通り”名が書かれていたのです。

《メール本文》
Il capolinea a Palermo è in Piazza Giulio Cesare, angolo via Roma (stazione centrale). L'autobus percorre poi corso Tukory, via Re Ruggero, Piazza Indipendenza, Corso Calatafimi, la ss186, e a Monreale la via A. Moro, via Venero, via della Repubblica, via de Gasperi. Il capolinea a Monreale si trova in Via de Gasperi, a 300 metri dal Duomo, alle spalle della sede della Polizia Municipale.

その親切に感激すると共に、折角、ここまで知らせてくれたのだからと、地図上グーグルマップとストリートビューを駆使して記されていた““通り”をたどってみることにしました。パレルモの出発駅は、前述通り「ジュリオ・チェザーレ広場」です。そこからバスは、トゥッコルイ通りを直進し、エルネスト・バジーレ通りの手前を右折して、「ルッジェーロ通り」に進みます。その先には「インディペンデンツァ広場」があって、ここにもバスは停る。この広場は沢山のバスが通過するので、乗車するときには、必ず手を挙げて乗る意志を伝えること。そうしないとこんな時、バスは一気に通り過ぎてしまいます。


バス停「Re Ruggero」

この通りを直進すると「インディペンデンツァ広場」


「インディペンデンツァ広場」を出たバスは、進行方向を左折して、カラタフィミ通り(Corso Calatafimi, )へと進みます。ストリートビューにもAST社のバス停を見つけて、ちょっと嬉しくなりました。このあたりには特に観るべき施設はないけれど、大通りだから例えば、何かの理由でインディペンデンツァ広場にバスが停まらなくても、ここからバスに乗れそう、道の反対方向・後方には、ヌォーバ門が控えているそんなエリアになります。



ちなみに、VIA(通り)とCORSO(通り)の違い、VIA<CORSO。つまり、道幅の広さです。VIAは、道の名称として使われたり、一般認識の範疇にある“通り”、CORSOは、大通りや表通りを表します。イタリア語を習い始めた時、先生がクイズ形式で出した問題ですが、今、こうして道路の見当を付けるのに役立っています(^^)


カラタフィミ通りのバス停「 Corso Calatafimi,」


そうしてバスは、「la ss186」、国道186号線をモンレアーレへ向けて走って行く。
-続く-
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モンレアーレへの行き方 その4.-AST社のバス検証①- 

2020年03月04日 | モンレアーレ

メイン道路からアルチヴェスコヴァ通りを覗いた
モンレアーレ大聖堂後陣の外観

アラブ・ノルマン様式の建築とひとくくりにされるけれど
ひたすらムスリムの精神世界を垣間見るような風情でした


■2019年12月27日

もしも、市バスの運行がなかった時はAST社のバスに乗ろうと思い、リサーチしましたが、このバス会社のサイトからは時刻表しか見て取れず、一体どこからどの経路でどの場所に行き着くのか私には分かりませんでした。


メールに説明されていたのはここらしい/パレルモの始発バス停

Il capolinea a Palermo è in Piazza Giulio Cesare, angolo via Roma (stazione centrale).

★パレルモの始発(終点)駅は中央駅ローマ通り角のジュリオ・チェザーレ広場にある



更に詳しくは、この辺り



ストリートビューを切り取ればこんな場所



細々とした商店街の店の前にバス停がある/多分ここ


こんな時の最終手段は、バス会社に直接聞くのが一番なのですが、観光案内所と違って、なかなか返事はもらえないのがこの国です。が、ダメ元で、AST社にメールで問い合わせてみたところ、果たして、その日のうちに返信があったのには驚きました。恐らく返事は来ないだろうし、過去の経験から、あったとしてもどこか的外れな回答でますます混乱するかもな~と思っていただけに、この素早い応対と知りたい事のほとんどが書かれたメールには感激でした。ひとつひとつ読み解いていきます。先ずは冒頭の文言です。

Gentile Kazu,
abbiamo corse da Palermo a Monreale e da Monreale a Palermo tutti i giorni eccetto la domenica.
★我々(AST社)は、日曜日を除く毎日パレルモからモンレアーレ、モンレアーレからパレルモまで、(バスを)走らせています。
この一文から分かるのは、ASTのバスは日曜日は運休

La corsa dura da 40 a 60 minuti, a seconda della fascia oraria e quindi del traffico.
★混雑する時間帯にもよりますが、パレルモからモンレアーレまでの乗車時間は40分~60分です。

Il biglietto di corsa semplice costa 1,90 euro, quello di andata e ritorno costa 3 euro (da utilizzare nell'arco della stessa giornata).
Può acquistare il biglietto presso uno dei nostri rivenditori (trova l’elenco sul sito) oppure anche a bordo dell'autobus.
★切符の料金は、片道1.9ユーロ。往復3ユーロ。但しその日のうちに使ってね
★切符は我々の販売店(サイトに一覧がある)、そして車内でも買えます。

Ecco gli orari attualmente in vigore:
★以下これが、今現在(2019年12月現在)の時刻表です。

★DA PALERMO PER MONREALE:(パレルモからモンレアーレへの時刻表)
06.10; 07.05; 07.30; 08.30; 10.00; 11.15; 12.30; 13.30; 14.30; 16.00; 17.15; 18.45; 19:45.
★DA MONREALE PER PALERMO:(モンレアーレからパレルモへの時刻表)
05.30; 06.10; 06.50; 07.10; 07.55; 08.45; 09.45; 11.30; 12.30; 13.30; 14.30; 16.00; 17.30; 18.30.

・・・と、時刻表まで記してくれていました。ネットから時刻表を調べるのは、サイトの作りが意外にシンプルで簡単なので次頁に記しますが、問題は目的地モンレアーレのバス停です。私が知りたかったのは、この一点なのですが、メールには肝心のバス停名の記述がありませんでした。が、実に丁寧な説明がなされていて、ここからスリリングな探索が始まりました(って大げさですよねぇ・・・)
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