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■ 那須温泉 「町営那須いこいの家」

※ goo地図が2023年9月27日突如終了してしまったので、現在温泉記事の地図がすべて消失しています。
アクセスを多くいただいた記事から随時、Googleマップを載せるとともに、最新の営業状況を追記していきます。
なお、入湯時点の記録として残すため本文には極力手を加えず、原則UP日の更新はいたしませんが、この記事だけは更新します。)


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2015-01-01 UP

  

那須温泉 「町営那須いこいの家」
住 所 :栃木県那須郡那須町大字湯本207-2
電 話 :0287-76-2342
時 間 :10:00~16:00(奨事前確認)
料 金 :700円(町外)
オフィシャルHP(那須町)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

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2023/10/25 追記

那須町の公式Webからの情報です。

「令和4年度から「公共の宿那須いこいの家」は日帰り入浴施設として営業します。
多くの皆さんにご利用いただけるよう、営業時間等を見直しましたので、ぜひご利用ください。」
とのこと。

営業時間 :午前10時~午後6時
※営業時間を2時間延長しました。
休館日:毎週火曜日
料金:700円(町外)
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昨年(2014年)入った数少ない湯めぐりのうちの1湯です。
那須高原ビジターセンターの下にある町営の宿泊施設が日帰り対応するもの。
那須の温泉の多くを制覇したのちも未湯のまま残っていて、流れ星さんのブログをみてながらく気になっていたのですが、今回、ようやく入湯となりました。

 
【写真 上(左)】 那須高原ビジターセンターの手前の道を右に入ります
【写真 下(右)】 アプローチのサイン

大丸方向へ向かう那須街道、殺生石を過ぎてしばらく行った那須高原ビジターセンターの手前の道を右に入り看板に従っていくと着きます。
隠れ家のような立地で、狙って行かないとまず到達できないと思います。

 
【写真 上(左)】 町営バスのバス停
【写真 下(右)】 エントランス

シックでどことなく威厳(笑)のある佇まい。日帰りはタイミング限定でむずかしいという情報もありましたが、事前に電話確認をとっていたので臆することなく突入。
フロントで受付簿に住所氏名を記入します。スタッフの方の対応はとても親切でした。

 
【写真 上(左)】 ロビー
【写真 下(右)】 すっきりとした館内

 
【写真 上(左)】 休憩所
【写真 下(右)】 浴場へのアプローチ

フロント横がロビー、おくに休憩所もあります。
休憩所前の廊下おく、手前左手が男湯、おくの左手が女湯でした。

 
【写真 上(左)】 男湯入口
【写真 下(右)】 女湯入口

ここは2系統の源泉をつかっているという情報*があり、これの確認が今回のポイントでした。
浴場前に「7月8日以降、2か所の源泉を使用している影響で、温泉に濁り・沈殿物が出やすくなっています。」という掲示があり、分析書も2種類の掲示があったので、間違いなく2系統の源泉混合だと思います。(7/7以前は山楽源泉のみの使用だったかもしれぬ。)
*) 高温の山楽源泉を御用邸系統の低温泉混合で湯温調整している。(流れ星さんブログ)

掲示分析書のひとつは大丸の山楽No.1~15混合泉、もうひとつは那須温泉(旭温泉・地蔵の湯・桜の湯混合泉)となっています。
山楽源泉は「月光館別館」で入ったことがありますが、後者ははじめて。(なお、御用邸の温泉については、後段にまとめます。)

 
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 掲示

脱衣所はこぢんまり。浴場入口脇に「この温泉は、御用邸と同じ源泉から直接引いているかけ流しのお風呂です。」とありました。
公共温泉、しかも御用邸ゆかり(?)ということもあってか、館内のメンテナンスはしっかりしたものでした。

 
【写真 上(左)】 浴場
【写真 下(右)】 窓側から浴槽


浴室はさして明るくはなく展望もありませんが、どこか格調高く落ちついた趣。余計な物がなにもなく、ゆっくりお湯と対峙できそうな浴場です。
天高がしっかりとれているので湯気抜けよく、こもりもありません。

カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
平日11時、館内に客の姿はなく、浴場の伊豆石敷きの内床も乾いていました。

石枠タイル貼5-6人の浴槽ひとつとシンプル。
たっぷりふかめの入りごこちのいい浴槽です。

石膏+石灰華の析出が出た石の湯口からかなりの熱湯を投入で窓側側溝への流し出し、槽内注吸湯はなく、お湯の感じからしても文句なしのかけ流しでしょう。

やや熱めのお湯は、ほぼ無色透明でごくわずかにクリーム色の湯の花がでています。硫酸塩成分を含むためか、湯中の指先が青白く発光しています。
よわく石膏泉系の味。
ほこほことおだやかな石膏泉系の湯の香は、浴場に入ったときからすでに感じるもの。
こういうお湯に悪かったためしはありません。

 
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯色

しっかりとしたとろみと、肌に染み入るような絶妙な浴感があり、鮮度感も感じられて気持ちいいことこのうえありません。
あたたまりはすこぶる強いですが、浴後は熱の抜けよく充実した爽快感に包まれます。
地味ながら上質感を感じるお湯だと思います。

那須といえば鹿の湯のイオウ臭ただよう白濁湯が有名ですが、それとは対照的なお湯で、地味ながら奥のふかい単純温泉は御用邸のお湯にふさわしいような感じもします。
一浴の場合、700円はいささか高いような気もしますが、浴場の趣もお湯もフックのあるものなので、温泉好きは訪れてみるのもいいかもしれません。

〔 源泉名:那須温泉(旭温泉・地蔵の湯・桜の湯混合泉) 〕 <H17.11.10分析>
単純温泉(Ca・Na-SO4型) 38.0℃(利用時)、pH=7.1、15.8(or158)L/min自然湧出、成分総計=0.687g/kg
Na^+=43.6mg/kg (27.86mval%)、Mg^2+=16.2 (19.62)、Ca^2+=56.9 (41.73)
Cl^-=2.7 (1.16)、SO_4^2-=261.6 (82.90)、HCO_3^-=63.6 (15.86)
陽イオン計=145.3 (6.80mval)、陰イオン計=328.0 (6.57mval)、メタけい酸=200.1、メタほう酸=5.0、遊離炭酸=8.5、硫化水素=0.0
※分析申請者:那須町町長

〔 源泉名:大丸源泉 山楽No.1~15混合泉 〕 <H8.10.7分析>
単純温泉 68.0℃、pH=6.4、湧出量記載なし、成分総計=1.006g/kg
Na^+=62.3mg/kg、Mg^2+=22.3、Ca^2+=63.5
Cl^-=6.3、SO_4^2-=279.7、HCO_3^-=169.7
陽イオン計=179.9、陰イオン計=456.1、メタけい酸=234.2、メタほう酸=3.1、遊離炭酸=132.1、硫化水素=0.4

【参考(那須温泉開発Webより)】
〔 源泉名:那須温泉(山楽1~15号・八幡源泉混合泉) 〕 <H19.11.16分析>
単純温泉(Ca・Na-SO4・HCO3型) 62.1℃、pH=7.10、750L/min自然湧出、成分総計=0.859g/kg
Na^+=62.3mg/kg (32.31mval%)、Mg^2+=20.1 (19.77)、Ca^2+=62.8 (37.36)、Fe^2+=0.4
Cl^-=5.0 (1.75)、HS^-=0.0、SO_4^2-=253.9 (65.49)、HCO_3^-=160.3 (32.54)
陽イオン計=179.2 (8.38mval)、陰イオン計=419.5 (80.7mval)、メタけい酸=234.2、メタほう酸=4.3、遊離炭酸=21.4、硫化水素=0.0
※那須温泉開発(株)のWebによると現在、八幡源泉も加えているようです。(→分析書

<温泉利用掲示>
加水:記載なし 加温:記載なし 循環ろ過装置:記載なし 塩素系薬剤使用:記載なし
※ 無色透明の100%の天然温泉です。無加熱、無加水、無循環の掛け流し温泉で心身ともリフレッシュしてください。(オフィシャルHPより)

〔那須御用邸のお湯について〕
掲示分析書のひとつは大丸の山楽No.1~15混合泉、もうひとつは那須温泉(旭温泉・地蔵の湯・桜の湯混合泉)となっています。
後者の湧出地は、「栃木県那須郡那須町高久西原御用邸付属土地内ほか」とあります。
旭温泉は廃業した旭温泉(旭温泉那須ハイランドホテル)の使用源泉だった可能性があり、桜の湯は大丸のそれかと思います。
なお、那須温泉旅館協同組合Webに「那須温泉郷は、今から約1380年前の舒明2年(630)、狩野三郎行広の鹿の湯(元湯ともいう)発見に始まり、明治以前に板室、三斗小屋、大丸、北、弁天、高雄と次々に温泉が発見され、これを那須七湯といい、すでに江戸時代には世に知られていました。明治時代に八幡温泉が、大正時代には、旭、飯盛、郭公が発見され、さらに、大丸温泉の湧出湯を自然流下によって引用した新那須温泉を加えて那須十二湯と呼ばれていたこともありましたが、現在では、地理的にやや離れた板室を除いて、那須十一湯と呼ぶのが主流となっています。
また、旭、飯盛、郭公温泉には現在、宿や温泉の設備はなく、温泉跡地と化しているため、那須温泉(鹿の湯)、三斗小屋温泉、大丸温泉、北温泉、弁天温泉、高雄温泉、八幡温泉を那須七湯、新那須温泉を加えて那須八湯と呼ぶこともあります。」とあり、ここで混合泉ながら旭温泉に入れるのは源泉マニア的には貴重かもしれません。

やませみさんの資料によると、「大丸桜の湯」の泉源所在は高久西原御用邸付属地、「地蔵の湯」のそれは高久西原御料地となっています。
また、上記の組合Webによると「大丸温泉の川下にある地蔵の湯温泉は、那須御用邸に引き湯されています。」とあり、「大丸温泉旅館」のWebには「当源泉は那須御用邸にて引湯されており」とあります。
また、「山楽」のWebでは、「那須の御用邸の源泉と隣接した大丸の沢に湧き出る自家源泉」とあります。
さらに、山楽系源泉を引湯供給する那須温泉開発(株)のWebでは「温泉源も御用邸の温泉源に隣接」とあります。

以上からすると、大丸にある(大丸)桜の湯と地蔵の湯は那須御用邸に引湯され、この2泉源と隣接する「山楽源泉」(No.1~15混合泉)が旭橋下の那須御用邸西側(新那須温泉)エリアに引湯されているように思えますが、さてどうでしょうか。
山楽源泉(山楽)の引湯ルート
山楽源泉(那須温泉開発(株))の引湯供給エリア

【新那須温泉】
大丸温泉の源泉から木管と自然流下を利用した引き湯に成功し、那須温泉の南、旭橋の下手に旅館が開業し、その辺り一帯を新那須温泉と呼ばれています。(組合Webより)

(おまけ)
山側に泉源エリアをもつ那須は引湯のメッカです。
引湯供給会社としては、上記の那須温泉開発(株)(大丸山楽源泉系)の他、新那須温泉供給(株)(奥の沢・稲川・紅葉沢系統など)、那須高原温泉(株)などがあります。
那須高原温泉(株)は、那須高湯源泉、大沢高原温泉など別荘地向けのレアな源泉を配湯しています。

〔 2015/01/01UP (2014/09入湯) 〕


E140.0.26.628N37.5.33.277
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