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■ 大丸温泉 「大丸温泉旅館」

 

大丸温泉 「大丸温泉旅館」
住 所 :栃木県那須郡那須町湯本269
電 話 :0287-76-3050
時 間 :11:30~14:30(受付終了) / 不定休(事前確認必須)
料 金 :1,000円
オフィシャルHP
紹介ページ (MAPPLE トラベル)
紹介ページ (BIGLOBE温泉)
紹介ページ (Yahoo!トラベル)
紹介ページ (楽天トラベル)
紹介ページ (ぐるなびトラベル)
紹介ページ (るるぶトラベル)
紹介ページ (じゃらんnet)
紹介ページ (那須温泉旅館協同組合)
紹介ページ (温泉みしゅらん)
※ 営業状況・時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

※ 浴場内カメラ持ち込み不可なので、浴場の写真はありません。こちらをご覧ください。

那須温泉郷のいちばん上、茶臼岳中腹の標高1,300mに位置する、”川の露天”で有名な創業二百年の老舗人気旅館です。
日帰り対応もしていますが、天候の関係などで中止とすることもあり、じっさいこれまで2度トライしてロスト。3度目でようやくの制覇となりました。

 
【写真 上(左)】 大丸への道
【写真 下(右)】 駐車場下から

 
【写真 上(左)】 衝撃の「本日休館」看板(笑)
【写真 下(右)】 日帰り案内看板

大丸の展望台駐車場に駐車し、坂道を谷筋の宿に向かっておりていきます。
白土川(この白土川が”温泉の川”です)の小沢をはさんで、右手が母屋、左手が浴場棟、橋をわたって正面に玄関の絶妙なアプローチ & 高級旅館的たたずまい。

 
【写真 上(左)】 入口
【写真 下(右)】 高級旅館の趣

GW中につき、なかばあきらめモードで突入するも意外にもOK。
ただ、館内は日帰り客でごった返していました。

 
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 建物の下を流れる白土川

下駄箱は日帰り客と宿泊客で分離され、日帰り客用のはスリッパが備えられています。
玄関左手の帳場で受付。人気宿なのでタカピーな応対かと思いきや、丁寧な接客で好感。
こんなところにも人気の理由があるのかも。
ここは「日本秘湯を守る会」会員宿で、同じく会員の人気宿、福島の二岐温泉「大丸あすなろ荘」は”だいまる”と読み、こちらは”おおまる”と読みます。

 
【写真 上(左)】 玄関先の案内板
【写真 下(右)】 日本秘湯を守る会会員宿のスタンプ

帳場おくの廊下を左手に進むと飲泉所で、「桜の湯」源泉を飲むことができます。
さらに進むと分岐があり、右手にいくと女湯、左手が男湯。
女湯は階段を上るので全体に男湯より高い位置にありそうです。
また、男湯へのアプローチで白土川を渡るので、男湯は右岸、女湯は左岸にあります。

 
【写真 上(左)】 飲泉所
【写真 下(右)】 浴場へのアプローチ

館内は暖色系間接照明やちょっとした意匠がきいて、シックな和の雰囲気。
このあたりの環境づくりはさすがに老舗旅館です。
ちなみにここは明治時代にかの乃木希典将軍が毎年湯治に訪れたという格式ある旅館で、廊下などに宿の歴史を語る写真が掲示されています。

 
【写真 上(左)】 和シックな館内-1
【写真 下(右)】 和シックな館内-2

 
【写真 上(左)】 渋い意匠-1
【写真 下(右)】 渋い意匠-2

休憩スペース左手の暖簾の先が男湯。
扉を開けると左手が脱衣所、右の階段を上がると休憩所があります。

 
【写真 上(左)】 休憩スペースと男湯入口
【写真 下(右)】 男湯のサイン

13時過ぎにいったときには、入口にスリッパが折り重なり、脱衣所はごった返し。
辟易して、一旦、館内のそば処でそばを食べたあと、13:40ころに再トライ。
スリッパの数はさきほどの半分くらいに減っていました。

 
【写真 上(左)】 シンプルなそば処のメニュー
【写真 下(右)】 男湯の暖簾

ここは11:30から日帰り受付、14:30に受付終了し、15:00までに退館のシステム。
内容からして、一浴客よりじっくり過ごす客が多そうなので、早めの時間が混み、遅くなるにつれ空いていくようです。
じっさい、14:40過ぎにはあの広い浴場にわたし1人の独占状態でした。

 
【写真 上(左)】 男湯入口
【写真 下(右)】 お風呂のご案内

脱衣所の扉を開けると内湯『笹の湯』。ここの浴場で男性専用はこの『笹の湯』だけです。
さほど広くはないものの落ちついた風情の浴場で、右手手前と左手窓側の2槽がとなりあってあります。

露天への扉を開けると一気に別世界。
白土川がせきとめられて池のようになった川面すべてが露天風呂です。
川の露天というと、関東周辺では群馬の尻焼温泉や長野・秋山郷の切明温泉が知られていますが、川が露天風呂としてここまできっちり収まった例は関東では記憶にありません。

まずは露天の全貌を・・・。
川筋に沿って配置された露天はすべて混浴で、バスタオル巻き入浴可。
下から『白樺の湯』、『あじさいの湯』、『あざみの湯』で、上流側の『あざみの湯』から小滝を成しつつ流れ込んでいます。

入湯前はなんとなくむやみに広くて大味な露天を想像していましたが、入ってみると立体感や奥行きがあって、浴槽ごとのもち味もちがう、湯めぐり楽しい露天でした。

なお、女湯ゾーンは、下から『相の湯』(貸切・日帰り客不可)、『桜の湯』(内湯)、『石楠花の湯』(屋根付露天)、『山ゆりの湯』(屋根なし露天)という構成。
女性は貸切風呂を含めると、じつに7つもの浴槽を楽しめるわけで、なるほど女性に人気があるのもわかります。

では、男湯・混浴露天について浴槽ごとにいきます。
(右・左は下流からみた方向で、右岸・左岸とは逆です。)
HPによると冬期の露天は下記のとおり
 『山ゆりの湯』は、冬期間中 (1月上旬~4月中旬まで) 積雪が多いため一時閉鎖。
 『あざみの湯』は、冬期間中(12月上旬~4月中旬まで)積雪が多いため一時閉鎖。

<内湯・笹の湯/手前浴槽>
木枠伊豆石敷8-9人ほどで、(たしか)石の湯口からやや熱湯を投入しスリット?からの排湯。
ややぬるめのお湯はほぼ無色透明で芒硝石膏味臭。窓側浴槽より芒硝気がつよいように感じました。
よわいとろみときしきしの硫酸塩泉らしい湯ざわり。
GWで混んでいたせいか、お湯はやや鮮度感に欠けていたような・・・。

<内湯・笹の湯/窓側浴槽>
木枠伊豆石敷6-7人ほどで、石膏の析出がでた石組の湯口からやや熱湯を投入し側溝への上面排湯。
ほぼ適温のお湯は無色透明で石膏芒硝味臭。手前浴槽より石膏気がつよいかな?。
ここもよわいとろみときしきしで、お湯の鮮度にやや生彩を欠いていたような・・・。

<露天下段/白樺の湯>
白土川をせきとめた数十人はいける大ぶりな露天で、石組に湯底は砂地と石がまじった河床そのもの。おくの右手にたたずむ東屋がいいアクセント。
川なので、当然浅いところとふかいところがあり、岩組は赤茶に変色し、少量ながらイガイガ石灰華も。

上流『あじさいの湯』湯からの大量流れ込みと、右手下流側に石組湯口から木升に熱湯を落とし込んでの投入。
手元のガイド写真では、左手山側の樋から打たせ湯が落とされているがこの日はなし。
このほか、左手なかほどから相当量の水の投入と、『あじさいの湯』からの流れ込み口あたりの岩底からぬる湯の湧出。
(ほかにも湧出があると思うが広すぎて探索断念(^^;))

湯温は場所によりさまざまですがおおむねややぬる。
一番熱いのは右手木升湯口そば、一番ぬるいのは左手の水が流れ込んでいるあたり。
とくに左手から流れ込む水は冷たくて量も多いので、流入口あたりに陣取ると半分水風呂状態が楽しめる。

お湯はうすく赤茶に懸濁し、うす茶の浮遊物。
木升への投入湯はゲキ熱でろくに味見できなかったが、おそらく重炭酸土類泉系の旨味が感じられるのでは?
香りも焦げ臭に金気がまじる重炭酸土類泉系。(さほどつよくない。)
湯ざわりも重炭酸土類泉的なぎしぎし感と、よわいながら肌にくい込むような質感も感じる。

<露天中段/あじさいの湯>
上流『あざみの湯』から流れ込む石組河床仕様7-8人の浴槽で隠れ湯的。
下流『白樺の湯』への流し出しで、たぶん岩底からお湯の湧出があると思うが詳細不明。
ここのお湯は、『白樺の湯』より重炭酸土類がつよい感じか・・・。
じっさい、『あじさいの湯』の上部あたりから岩組がいきなり赤茶に変色しているので、このあたりは重炭酸土類系の泉源があるのだと思う。

<露天上段/あざみの湯>
上流から流れ込むぬるい川を受ける石組河床仕様20人ほどの浴槽。
まわりはクマザザ生い茂る山の斜面で野趣たっぷり。あかるい雰囲気のいい露天。
川の上流側には立派な仕切があり行けないようになっている。
(この上流右手がおそらく女湯の『山ゆりの湯』にあたる。)

上流からの流れ込みと右手上流側の岩肌を伝ってゲキ熱湯のポタポタ投入。
このあたりの岩のすきま数ヶ所からも熱い源泉が湧出している。
下流『あじさいの湯』への流し口に水門があり、これで水量調整(=湯温調整?)しているかと思われる。

湯温は本流筋の左手でぬるめ、熱湯湧出のある右手上流側でやや熱。
右手上流側に大石があり、これに背をもたれさせつつ浸かるのが一番快適かな。

ここのお湯は、下の2槽とはニュアンスがちがって硫酸塩泉系。
芒硝石膏味臭が明瞭で、湯中の指先も青白く発光し、きしきしとした湯ざわりにとろみも・・・。
大量加水あると思うにあたたまり感はかなりのもの。

<女湯系>
連れのはなしによると、どの浴槽も無色透明で硫酸塩泉では?といっていた。
お湯は上流の『山ゆりの湯』がいちばんいいと思うけれど、樋から水をたくさん入れていたし長湯してもヘタらなかったので、それほど濃くはないのでは・・・?とのこと。
『あざみの湯』の上流にある『山ゆりの湯』は、大丸泉源地帯にあるのでは?と思ったが、お湯は岩の湯口数ヶ所からの投入で、底からの湧き出しはよくわからなかったとの由(^^;)
『山ゆりの湯』は”川の中の露天”という感じではなかったけど、ロケーションは抜群とほめていた。

〔 お湯について 〕
↑のように、『あざみの湯』と女湯系は硫酸塩泉系、『あじさいの湯』と『白樺の湯』は重炭酸土類型のイメージがでていると思われます。
お宿では硫酸塩泉系の「桜の湯」の分析書しか確認できませんでしたが、自遊人Webの『温泉分析書 図書館』には「川の湯」という別源泉も掲載されています。

「桜の湯」は、ほぼピュアな硫酸塩泉系。
「川の湯」は、硫酸塩メインながらも副成分的に炭酸水素塩がまじります。
(ともに泉質名は単純温泉で、陽イオンにCaやMgなどを含む。)
炭酸水素塩は陽イオンにCaやMgなどの土類がいると、たちまち重炭酸土類泉的イメージを発するので、おそらく『あじさいの湯』&『白樺の湯』は「川の湯」源泉メインでは。(木升湯口の湯温にちと疑問は残るが・・・)

でもって、硫酸塩泉系イメージのあるそれ以外の浴槽は「桜の湯」が主力源泉ではないでしょうか。
じっさい『あざみの湯』のポタポタ湯口と飲泉所(桜の湯)の味はかなり近いものがありました。
(ほかに分析されていない自然湧出泉もあると思う。)

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カラン8、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
GW14時で10人以上~独占。

客層はGWということもあってか行楽客的。若いカップルがかなり入り込んでいました。
女湯からのアプローチが『あじさいの湯』のよこなので、どうしてもここがカップルの溜まり場になります。
個人的に混浴はあまり好きではないので、どうも落ちつきません(笑)。
ここは夜のほうがじっくりと入れるのでは?

 
【写真 上(左)】 脱衣所2階の休憩所
【写真 下(右)】 冬の外観

浴槽ごとの湯質の変化は面白いものの、加水もあるし、はっきりいって「絶妙にいい」といったレベルのものは感じられせんでした。
(この後攻めた「ニューおおたか」(「相の湯」源泉使用)が異様に好みのお湯で、ここのイメージがかすんでしまったということもあるかも・・・)

また、内湯『笹の湯』のどちらかの浴槽に「川の湯」源泉を入れると泉質的に変化がでるような感じもしました。(析出がでるのでメンテが大変か・・・)

でも、”川の露天”のロケは希有のものだし、料理の評判もいいし、落ちついた大人の雰囲気を満喫できそうなので、トータルで満足度の高いお宿なのだと思います。

〔 源泉名:桜の湯 〕 <H13.11.14分析>
単純温泉(Ca・Na-SO4型) 78.6℃、pH=7.1、177.5L/min自然湧出、成分総計=0.897g/kg
Na^+=54.0mg/kg (29.53mval%)、Mg^2+=19.0 (19.66)、Ca^2+=67.8 (42.47)、Fe^2+=0.0、Cl^-=1.9 (0.66)、HS^-=0.0、SO_4^2-=378.3 (97.40)、HCO_3^-=9.2 (1.87)
陽イオン計=166.7 (7.96mval)、陰イオン計=389.6 (8.09mval)、メタけい酸=318.8

自遊人『温泉分析書図書館』より「川の湯」源泉の分析書データを抜粋引用します。
------------ 引用データ ------------
〔 源泉名:川の湯 〕 <H15.7.30分析>
単純温泉(Ca・Na・Mg-SO4・HCO3型) 38.0℃、pH=7.5、200L/min自然湧出、成分総計=0.362g/kg
Na^+=16.9mg/kg (22.70mval%)、Mg^2+=8.0 (20.33)、Ca^2+=33.8 (52.08)、Fe^2+=0.0、Cl^-=3.0 (2.68)、HS^-=0.1、SO_4^2-=107.7 (70.87)、HCO_3^-=49.7 (25.74)
陽イオン計=65.0 (3.24mval)、陰イオン計=161.4 (3.16mval)、メタけい酸=132.8
------------ 引用データおわり ------------

〔 脱衣所掲示 〕
歴代館主が200年以上前から守り続けてきた湯の恵み。
当源泉は那須御用邸にも引湯されており、その成分はメタケイ酸を多く含有し保温成分が高く古くから美人の湯と云われております。(以下略)

■ブランドグルメ
〔 ジョイア・ミーアのイタリアン 〕
やんごとなき方々もお忍びで訪れるという那須の人気イタリアン。
薪釜で一枚一枚焼き上げる手作りピッツァのレベルも高いですが、個人的には海の幸ドリアと地鶏のあぶり焼きガーリック風味にインパクトを感じました。
名うての人気店なのでプライムタイムを外していくのがポイントか?

〔 2012/05/11UP (2012/05入湯) 〕


E139.59.16.840N37.7.10.790
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