民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「露店商の先祖」 浪越 繁信

2013年05月05日 01時01分03秒 | 大道芸
 「日本の放浪芸」  小沢昭一 著  白水社  2004年

 一、祭りの露天 P-304
 浪越 繁信(東京を中心に活躍したテキヤさんの親分)と小沢昭一との対談。

 <露店商の先祖>

小沢 「お彼岸の大阪・四天王寺境内です。
所狭しと露店が並んでおりますが、それをはしから見て歩きながら、
露店商、香具師(てきや)の世界を、うちわの人間のお立場から、くわしく伺おうと思います。」

浪越 「われわれの稼業、香具師はこんなふうに始まりました。
ご承知の聖徳太子が日本国の憲法をお作りになった。
しかし、これは今でいうインテリに通じるあり方であって、
一般は無学文盲というか、レベルが低すぎたわけですね。
これを宗教に帰依させて、大和民族を善導に導こうとして、
大和にああいう立派な法隆寺をお建てになった。
ところが、これは地の利を得なかったんですね。
場所が悪かった。
そこで、浪花の地に四天王寺という立派なお寺を建てて、
大衆を一人でも多く集めて善導に導こうとしたが、なかなか人が集まらない。
そこで考えられたのが、いわゆる露店でも出せば人が集まるんじゃないかというので、
露店を勧誘してたくさん境内に出させた。
そしたら、仏教の説教を聞きにくるんじゃなくて、露店に遊びにくるのがものすごく多く集まった。
来れば本堂に入りますから、そこで仏教で人間を善導に導いたという。
そのときに集まった露店商が、われわれの先祖であるといわれてるわけです。」

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