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説き語り「源氏物語」 村山 リウ その14 浮舟

2015年11月29日 00時56分45秒 | 古典
 説き語り「源氏物語」 村山 リウ その14 講談社文庫 1986年(昭和61年)

 浮舟―――三角関係にゆらぐ女心

 薫の知性にひかれ、匂宮の情熱にも負けてしまう哀しさ。二人の間を揺れ動いた女性が、恋を捨て世を捨て始めて強い女に生れ変る。

 この時代、目に見える形の美を表現する言葉に「をかし」というのがあります。見るからに美しい女性を、こういいます。
 浮舟は、美しい女性でした。「をかし」という形容にふさわしい女性です。けれども、残念ながら、内容がちょっともともなわなかった。外見の美しさにみあうだけの知性や理性が、ちょっと欠けていたんです。それが、この女性の生涯を不幸にしてしまった、そういってよいでしょう。

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