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「江戸の卵は一個400円」 その10 丸太 勲

2015年03月28日 00時21分07秒 | 雑学知識
 「江戸の卵は一個400円」 モノの値段で知る江戸の暮らし 丸太 勲 光文社新書 2011年

 「社交場としての湯屋」 その2 P-73

 当時は石けんなどなかったから、洗い場で身体を洗う際には糠(ぬか)が使われた。糠を袋に入れて肌を磨いたのだ。この糠袋は湯屋でレンタルされ、使用後には返却する。中に入れる糠は1~2文(20~40円)だった。

 また、洗い場には軽石と重い石の二通りの石が置いてあった。軽石はかかとなどをこすり洗う物、重い石は女湯に備えられ、二個を打ち合わせて下の毛を処理するのに使われた(毛切石)。

 正月、端午、七夕、重陽(9月9日)の各節句になると、客は三助(客の身体を流す男)に200文(4,000円)を祝儀として渡した。すると三助は、その客には毎回湯を汲んで背中を流し、上がり湯を留桶(とめおけ)に汲んで差し出してくれた。留桶とは客が湯屋にキープしておいた自分専用の桶で、客はそこに焼印を押したり、定紋を漆描きしたりして、自分なりの目印を付けていた。

 10月中旬になると湯屋では留桶(とめおけ)が新調された。留桶の金額に決まりはなかったが、200文から1分(4,000~32,000円)はした。留桶を買った客は、湯屋の羽目板にその名前と金額が張り出された。祭りのご祝儀が境内に張り出されるようなもので、ここにも江戸っ子の見栄っ張りぶりが現れている。


 今までずっと奇数月には奇数日に記事をアップしてきた。
今月は3月なのに偶数日にアップしてきたことに昨日気がついて、思わず苦笑い。


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