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民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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花ふきんの歴史(その1) 近藤 陽絽子

2016年11月01日 00時04分14秒 | 伝統文化
 秋田に伝わる祝いの針仕事 「嫁入り道具の花ふきん」 近藤 陽絽子 暮しの手帳社 2013年

 花ふきんの歴史(その1) P-8

 花ふきんは全国各地にそれぞれの特長をもって作られていると思います。茶道具などのいろいろなものに掛けふきんとして、また飾りぶきん、お櫃の炊き立てのごはんの湯気とりにと、用がしっかりとしているように思います。使い道にも各地の特長があるかと思います。
 江戸時代には、武家の子女たちの行儀見習いや針仕事の手習い、精神修養としても奨励されたことがあったようです。たしかに昔から伝わる模様のなかには、貞淑さを感じさせる武家風の模様とあでやかな町家風の模様があるように感じられます。
 時を経て、花ふきんは嫁入り道具のひとつとなりました。何枚もの花ふきんに、それぞれ異なる模様を施し、嫁ぐ娘に手渡します。婚家の門をくぐったら二度と戻れないと言われた時代、それは母が娘に伝える祝いの針仕事でした。
 その頃の家庭では、ひとりひとりがめいめいのお膳で食事をしていました。大家族の時代なので、お膳の数もたくさんあります。そおため台所を預かる女のj人たちは、お膳をとりちがえないよう、模様を縫い込んだふきんをかけておくようになりました。