民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「湯西川のざっと昔」 

2013年02月14日 00時06分16秒 | 民話の背景(民俗)
 「湯西川のざっと昔」 湯西川の生活と昔話  中本 勝則

 伴 ハツさんの話

 「それで、背負ってきた杓子、よおーく、サメの皮で磨くんだわ。
きれいに磨くの。
磨けなんって、小っちゃい時だから、眠ったくて、ごめんだ。
けんど、夜っぱらからやったよ。
誰も夜の仕事だから。
だから、わしら、勉強ってしないんだ。
そういうことばっかしてて、バカみたいな話しだ。
本当にやだったよ。」

 「小っちゃい時から、仕事なんだよ。
おっかさまの後ついて、木いこりって、木拾って、背負わされるんだよ。
遊んでられねぇんだ。」