民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「草 刈った」 リメイク by akira

2012年06月09日 01時05分05秒 | 民話(リメイク by akira)
 草 刈った(ライブバージョン)

 今日は、小話 やっかんな。(ワーイ)

 これは じいちゃんが 酔っ払って 機嫌がいい時に、よくやってくれたハナシだ。(フント)
題は 一応 あっけどな、言っちまうと オチがわかっちまうかんな、・・・言わねぇ。(フント)
 あっ、もう わかっちまったか。(フント)
んだ、「草 刈った」って、ハナシだ。(フントコショ)

 むかし、あるところに、じさまと ばさまが いたと。(フント)

 ある日、じさまは「よっこら よっこら」 山へ 柴刈りに、(フント)
ばさまは「どっこら どっこら」 川へ 洗濯に 行ったと。(フントコショ)

 ばさまが 川で 洗濯してっと、(フント)
「どんぶらこっこ すっこっこ、どんぶらこっこ すっこっこ」って、(フント)
川の上から なんか 流れてきたと。(フント)

(ここまでは 桃太郎 と一緒だな)

「あれっ、なんだんべ」って、見てると、でっけぇ サツマイモが 流れてきたと。(フント)
「おや おや、うんまそうなイモだこと。・・・持って帰って、じさまと 食うべ」って、(フント)
ばさまは「ほいさか ほいさか」って、うちへ 帰ったと。(フントコショ)

(そのイモ、どんくらい でかかったか っていうと、 
ばさまが 肩にかついで 持って来るほどだったと。・・・どうだ、でかかったんべ) 



うちへ 帰っと、さっそく 落ち葉を集めて 焼きイモにしたと。(フント)

(あんまり でかかったんで なべに 入(は)いんなかったかんな)

焼きあがっと いいにおいがしてな、(フント)
じさまが帰ってきたら 一緒に 食うべ って、思ってたのに、(フント)
ばさま、待ちきれなくなって、ちょっとだけなら いかんべ って、食ってみっと、(フント)
これが なんとも うんまいイモで、(フント)
ばさま、もうちょっと、もうちょっと って、食っているうちに、(フント)
とうとう 全部 食っちまったと。(フントコショ)

 さぁー、それからが大変だ。(フント)
イモ食うと 出るもの あんべ。・・・そう そう、屁(へ)、屁(へ)が出んべ。(フント)
ばさま、最初は もじもじ ガマンしてたっけど、(フント)
とうとう ガマンできなくなっちまって、(フント)
「ぶっ!」って、やっちまった。(フントコショ)

 そしたら もう 止まんねぇ。(フント)
そりゃ、そうだ、あんだけ でっけぇイモ 食ったんだもんな。(フント)
「ぶっ!」って、やっちゃ、前につんのめり、(フント)
「ぶっ!」って、やっちゃ、前につんのめり、(フント)
まるで 蒸気機関車みてぇだったと。(フントコショ)

 んで、においも また 強烈でな。(フント)
そのにおいは もやもやと じさまのいる 山にも 届いてな、(フント)
「んへぇー、くせぇー」って、じさま 鼻つまんでな、(フント)
じさま 山へ 柴刈りに 行ったのに、(フント)
柴 刈んねぇで、草 刈った、とさ。(フントコショ)

 おしまい