３６ 振り込ませ詐欺

[199] ３４　振り込ませ詐欺　 (2004年12月18日 (土) 06時33分)

　肉親を装いお金の必要な事情発生と電話をして多額を振り込ませる詐欺は、１年間で２２０億に及ぶ被害とのことです。当初は息子を装い「オレ、オレだよ・・・」といった単純な手口だったので「オレオレ詐欺」としていましたが、現在は役割を演じて巧妙化しています。
　手口の変化と犯罪のひとつの分野を形づくる状況の変化みすえ、先週ぐらいからメディアの報道が犯罪名称を「振り込ませ詐欺」と変えました。警察が犯罪の扱い方を、そうしたからかもしれません。呼称は、状況や内容の正確さを表現し、多くの人に共通認識をうながすためには大事なことです。

　ところでプロ野球の近鉄とオリックスの球団合併の言葉の変化は、どうだったでしょうか。当初は当事者とメディアも「球団合併」としていました。選手会との交渉する頃から当事者が「球団統合」というようになりました。合併が正式に決まり、オリックス主導になったからかもしれません。しかしメディアと選手会は「合併」としていました。そのうち選手会も「統合」を使うようになり、楽天誕生以降ごろからメディアは合併と統合を併用するようになっています。
　この球団合併は「オリックスバッファローズ」といているが、内容は近鉄のオリックスへの吸収合併です。それはともかくとして、合併、統合とも２つ以上のものをひとつにするという意味なのだが、あえて当事者が統合と使い続けるのは対等平等でひとつである、という意味を込めているのでしょう。二つのものを併（あわ）せてひとつにするのではなく、負の部分が一切なくひとつで上昇する、というニュアンスにしたいのでしょう。何事もなかったかのように。言霊思想が見え隠れするようです。