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事故米、汚染米、非食用米

2008-09-20 15:55:13 | 生活・教育・文化・社会
 台風は未明の3時に房総半島館山から60キロの海上を通過とのことで、わが家の地域も雨音が激しく感じるほど降った。早朝になったら雨がやんで午前中は曇りで、午後は薄日がさす穏やかな秋の日となった。
 庭で咲き誇るノハギにたくさんのシジミチョウ、キチョウなどが飛び交っている。ムラサキシキブの実の色が、遅まきながら色鮮やかになっている。虫をあっちこっちから取ってきて放しているので、それが「定住」している。バッタ、カマキリと、夜の虫の音もアンサンブルからオーケストラのようになってきている。

 汚染米の責任を取って、大田農水大臣が辞任した。事務次官も。責任を取るというよりは、まったくお粗末な対応しかできなくて、投げ出したのではないか。この米にかかわった末端業者に自殺者が出たし、事務所費問題も追求されると厄介だし、この際選挙区で選挙対策するのが保身のために大事だ、と。
 この人はかなり傲慢な人のようだが、福岡選出というから「九州男児」の心意気とでも思っているかもしれない。
 農水省が売った業者と、その後かかわった業者の犯罪性を明らかにできないまま、使用した業者つまり消費者へ商品を提供する業者名を公表した。多くは零細でだまされた被害者なのだが、消費者からは風評被害をこうむることになりやすい。
 農水省は在庫をさばくために、工業用利用業者ではなく食料米業者に売ったのが、この事件の原因である。食料米業者であれば、そのルートに強いことは明らかで、目的外利用を疑い監視を厳しくて、見届けるのが行政としてのあり方である。
三笠フーズなど購入業者が、目的外利用を隠蔽してやったことと、このところの規制緩和政策でできたであろう中間の、闇の儲け業者が介在して犯罪にしてしまった。それをさせた農水省の責任は、きわめて大きいはずだ。
 輸入米は食品加工に使われていると、わたしは知っていたが、汚染米(事故米)を製品生産業者が知らずに使わされたことは、やはり問題だ。
 今回の汚染状況は、健康被害出るほどではないとの専門家の見解である。保管、廃棄に莫大な費用がかかるだろうし、もし汚染米を使用するなら、無害であることを公表して飼料や加工食品使用する、という方法もあったであろう。それは農水省がリードしてやってもいいことではないかろうか。
 
 この中間業者は、偽札あるいは麻薬で得たカネを市場に正規の貨幣として利用できるようにする犯罪を「洗浄、マネーロンダリング」というが、そのような役割を果たして、ぼろもうけをしているはずである。農水省以外の機関の手によって早く明らかにすることが、使用した末端業者の風評被害を少なくるることにつながる。

 ところで行政用語では「事故米」といい、その実態は「汚染米」である。新聞報道では、基本は実態の「汚染米」としつつ、これらの言葉を文脈に適切なように両方併用している。
 NHKは「事故米」とも言うが、基本は「非食用米」と画面に表示し「食用に使えない食用米」といっている。「食用に使えない食用米」とは意味不明だが、被害にあった業者や食べた人への配慮であいまいにしているのかもしれない。さもなくば問題の核心をそらす表現をしているのだろうか。
 新聞が使用する「汚染米」が、事実を的確に表現する概念ではないだろうか。

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