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病院での親子の姿から

2020-02-15 16:04:40 | 生活・教育・文化・社会
 半年ごとに眼科に定期健診に通っています。検査と待ち時間で1時間半ぐらいでしたが、待合室での親子と思われる2人連れに、様々思いを巡らしたのでした。
 母親は80歳代と思われ、杖をつきながら歩くことに難儀をしていました。その歩くのを支えになっている娘と思われる人は、60歳代と思われました。それだけならよくある光景ですが、娘と思われる人が全盲でした。
 母親は視力障碍の娘の子育てには、人知れぬ思いと体験があったことでしょう。娘を「手引き」して視力を助けながら育てたでしょうが、老いては立場が逆転して娘に支えられての歩行です。
 病院でもあり待合室は広いのですが、歩行空間は限られています。母親の足を助けるため手を添えた白杖を持たない娘は、ゆっくりたしかな歩行をしていました。母親は娘に手をゆだねてその力を借りていました。母親の足を娘が、娘の目を親が助けあっているのでした。

 かつて視覚障碍の教育にかかわったことがあり、視覚障碍者と交わる経験をした者として、その親子の姿に思いをめぐらしたのでした。この親子こそが「絆」の関係そのものではないか、と。そして老いてからの親子の支え合いにも、思いをめぐらす時間になりました。


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