藤原愛子の日常茶飯事

前稲城市議・藤原愛子のもろもろな日々

「香水」で思い出したこと

2021年02月27日 | その他
 先日、ラジオを聴いていたら、どなたか忘れたけれど

 「13歳から15歳くらいの間に聴いた音楽は、一生忘れない」とおっしゃっていました。

 2歳頃に音楽に触れると良い、というのとは全く別に、小学生から中学生頃に流行っていた歌謡曲。

 確かに、今の曲がなかなか頭に入らない私ですが、昔(!)の曲、たとえば・・石田あゆみさんの「横浜たそがれ」とか・・弘田美枝子さんの「人形のいえ」などは、覚えていて唄えます。

 もちろん、上手い下手、は関係なしですが。

 時々今はやりの歌の「サビ」だけ唄ってみたりして、自分の声帯の衰えに愕然としております。

 一応、中学の時は合唱部にいて、ハイソプラノ担当だったり、20歳過ぎてから習った地唄もましだったのですが。


 そして、昨年から流行った歌「香水」

 「香り」の思い出、ですね。

 で、思い出しました。いえいえ恋愛関連ではありません。

 いろいろあって家から近い短大の保育科に入学した私。

 勉強より、演劇倶楽部に熱を入れていました。

 でも、授業はまじめに受けていましたよ。

 教授も様々な方たちで、たとえば、リトミック創始者の「天野蝶先生」やモダンダンスを日本で開花させた「江口隆哉先生」などおいででしたが、その中に幼児教育のT先生という方がおいででした。

 物静かな紳士、という感じの先生でした。

 その先生がある日、ちょっと長くお休みします。と言われました。ヨーロッパで会議に出られるとか。

 そして言われたのです。
「皆さん(私たち生徒のことです)全員に、お土産を持って帰りますから」と。

 私たち、約150人。そんな全員にお土産なんて、ムリムリ、と思いつつ「は~い」と返事をしました。

 そんな約束を忘れた頃、先生は教壇に復活されました。そしておっしゃった。

 「みなさんにお土産をお配りしたいと思います」

 続いて「みなさん、お持ちのハンカチを出してくれますか」

 私たち、ハンカチをごそごそ用意。ハンカチを持っていない子たちは戸惑いながらティッシュなど引っ張り出したり分け合ったり。

 先生は教壇を降りて、ポケットから小さな瓶を取り出しました。

 香水です。

 一人ひとりの席を回りながら、ハンカチに一滴づつ香水を浸み込ませる先生。

 静かに、穏やかに教室をめぐり、約束通り全員に「おみやげ」をくださったのです。

 あまり真面目でない生徒であった私ですが、その行為にとても心を動かされました。

 私たち、10代の生徒の一人ひとりの人格を尊重してくれた。上からの目線ではなく、男女の別もなく、同等の人間としてみてくれるのだと、深く感じたのです。

 一滴の香水の、大きな思い出のお話し・・。
コメント
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