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再掲:「皇室典範改正問題」雑感

2006年09月08日 08時37分36秒 | ヘイトもパワハラもない世の中を

※今回の親王誕生を機に、旧掲示板の過去ログの中から当該関連の拙稿を抜き出して、一部編集の上、ここに再掲しておきます。「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らず」というのは福沢諭吉の言葉です。実際にはこの言葉には言外の裏話も色々ある様ですが、言っている事自体は正論です。旧態依然の封建的身分制度によって一番苦しんでいるのは、案外その当人だったりして。

「皇室典範改正問題」雑感
投稿者:社会主義者 投稿日: (2006年)2月13日(月)00時05分25秒

  今回は新ジャンルに挑戦してみましたw。標記の件は、はっきり言って私にとっては「どーでもよい」問題なのですが、世間が余りにも喧しいので、それに釣られて少し書いてみる事にしました。私がこの様な「お題」について書く事は、多分もう後にも先にもこれが最後でしょう。

 まずは、基礎知識の入手から。 女性天皇と女系天皇の違いについて。とりあえず「皇室典範に関する有識者会議」の報告書の内容に沿って考えてみました。
 要するに、「今の天皇の血筋は、男の子にはずっと継承される」「女の子の場合は、今の天皇が直接産んだ子にしか血筋が継承されない」という事かな。だから「女子の場合でも、天皇が直接産んだ子供(直系第一子)に限っては天皇の血が混じっているから、次の天皇になる資格はあるが、それ以外の女の子については一切天皇になれない」のに対して、「男の子の場合は天皇の血筋が連綿と受け継がれるから、代々天皇になれる資格はある」という事らしい。何か、判ったようで判らんような判ったような。それを踏まえた上で、直系優先、長子(年長者)優先で次の天皇になれるという事らしい。昨日ぐらいまでの時点では他にもいくつか判り易い説明の資料がアップされていたと思いますが、さっき見たら見当たらなかった。ひょっとして削除されたのか。

 しかしまあ、やれ秋篠宮(これって紀子さんの事やったんだね)がご懐妊だ何だと、一人の女性について、その人が日々どう思いどういう人生の抱負を抱いているかといった事などハナから無視して、戦前の家父長制と同じ感覚で、まるで「子供を生む機械」としてしか見ず、一挙主一投足まで注視(監視)する風潮は、流石に如何な物かと思いますね。これって完璧な人権侵害では。可愛そうに、私なら耐えられませんね。少なくとも今の民主主義的感覚とは全然相容れません。皇族に対する扱い(神聖視)こそ腫れ物に触るような対応(まるで将軍様と同じ)ですが、慇懃無礼なだけで、やっている事(隔離・監視)は強制収容所と同じでは。これでは北朝鮮の事を言えませんね。

 やれ「血統が途絶える」だの何だのと、まるで横溝正史の「犬神家の一族」の世界じゃん。「途絶える」ならもう無理に継承しようとせず、当事者の意思に任したらどう。子供を産む産まないも、皇籍離脱するしないも、完全に当人の自由という事で。それで天皇制が自然消滅しても、別にそれで良いじゃん。あんな前近代の封建的身分制度を、21世紀以降も引きずっている方が寧ろ異常なのです。しかも、戦争責任のケジメもつけないで曖昧にしたまま、ずるずると。

 元号なんてのも、昭和から平成に切替わる時に、思い切って廃止してしまえば良かったのです。私は、仕事でも生活でも今まで殆ど西暦を使ってきましたから、今が平成何年とか言われても正直言ってピンときません。だから、運転免許の更新を忘れるのではないか、非常に気掛かりです。天皇制もそれと同じ。それでもどうしても存続させたいというのなら、最低限、当事者を一人の人間として遇すべきだと思う。少なくとも、日本国憲法に保障された人権は彼らにも与えられて然るべき。その為にも、天皇制なんて前近代の遺物ともいうべき封建的身分制度は廃止すべき。

 戦争責任に関して言えば、本来ならば前代の昭和天皇が身を以ってきちんとケジメをつけるべきだったのです。しかしその当人がもう亡くなってしまったので、今の天皇・皇后についてはどこまで責任を負うべきなのか、私には何とも言えません。それよりも、今の政治反動や軍国主義復活の目を封じ込める意味でも、天皇制なんてトットと廃止してしまってブルジョア共和制の「普通の国」にしてしまえば良いのに。

 それでもどうしても天皇制を残しておきたいというなら、もっと今の憲法や民主的感覚に合う様なものにすべきでしょう。家父長制や男尊女卑など、以ての外。いっその事、今の皇族を皇居と京都御所とセットにして、バチカン市国やサンマリノ共和国みたいに独立させてしまうというのは、どう? 国家予算(皇室経済費)は切手や観光収入で補うという事で。但し靖国神社はそれらにも含めず、廃止・解体する。

 国民的議論というなら、こういう事まで議論すべき。それを、やれ「政争の具にするな」とか何とか言って、密室だけでコソコソやっている。そんな事言うくらいなら、「皇室典範改正問題」なんて最初から持ち出してくるな。

(関連記事)

・親王さまご誕生 秋篠宮ご夫妻第3子 皇位継承順第3位(産経新聞)
 http://www.sankei.co.jp/databox/imperial/imperial-n/imperial0906.html

 上記マスコミの報道を見る限りでは、世の中はまるで祝賀ムード一色みたいですが、実際には、その日1日の街の表情も普段と全然変わりませんでした。親王誕生の件も、新聞を見て初めて、「そう言やあ、そういうニュースも在ったんだ」 と気付いたぐらいで。案外下記のブログ記事に書いてある事の方が、実際の市井の反応に近かったりして。

・日本一可哀想な赤ちゃん(アッテンボローの雑記帳)
 http://rounin40.cocolog-nifty.com/attenborow/2006/09/post_e6ab.html#c9540868

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南朝 (灘波 大助)
2006-09-08 17:59:19
現在の天皇家は南朝だと思いますがどうでしょうか?
「雅子さま、かわいそう。」 (まこと)
2006-09-09 07:26:41
うちの職場では、今回の出産劇を受けて「雅子さま、かわいそう。」と零していた人もいますね。「跡取りの子を産んだ嫁の立場はとても強い。男の子を産んでいない雅子さまは皇室の中でも肩身は一層狭くなるんじゃないですか。」とは件の人物の言。



まあ、それほど関心が無さそうな人が大半ですね、私の周囲では。別に産まれて来た男の子を悪し様に言う訳でも天皇制廃止論なんかを唱える訳でもないのですが。



「子供を生む機械」というのは言い得て妙ですね。かような女性観が皇室という世界自体、そして雅子妃や紀子妃に男子出産を望む「国民世論」なるものに、露骨に表出していると言えますね。
福沢諭吉「の言葉」ではないのだが (むじな)
2006-09-09 12:59:22
「天は人の上に人を造らず・・・」という言葉は、福沢諭吉の言葉ではなくて、米国独立宣言の一文を訳したものです。だから福沢も引用ということを明記するために「といへり」と書いているのです。

福沢諭吉+独立宣言で検索すると、わかりますよ。
Unknown (むじな)
2006-09-09 13:00:29
それから、そもそもこの問題についてなんらかのコメントをすること自体も、しょせんは天皇制強化の動きや流れに踊らされていることになりませんか?無視するに限ります。
>無視するに限ります。 (まこと)
2006-09-10 08:00:32
まあ、一理ある指摘なのかもしれませんね。



そう言えば、日本共産党の志井委員長や市田書記局長辺りが「ご出産おめでとうございます」というコメントを公にしていますよね。



http://www.sankei.co.jp/news/060908/sei000.htm

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-09-07/2006090702_04_0.html



まあ、「現実主義的」なトコを見せて少しでも票が取れれば・・・という算段が働いているのでしょうけど、こうした態度はポピュリズム以外の何者でもない上に、吉田裕氏や福田和也氏なども指摘する"大衆"の「天皇不在のナショナリズム」的傾向を見誤っているという点で、批判されるべきだと思います。



むじなさんの言では無いですが、わざわざ共産党の幹部がコメントするまでも無い、「無視」すればいいんですよ。
>無視するに限ります。 (社会主義者)
2006-09-12 08:51:33
 むじなも、コメント有難う。「福沢諭吉+独立宣言」で調べてみたら、改めて色々知る事が出来ました。



 紀子さんの出産のニュースが産経新聞の朝刊にデカデカと載ったその日は、私は定休日で出勤していなかったので自分の職場の反応については分りませんが、その日一日の街の様子からは、産経が書いていたような、「特別な日」とか「祝賀ムード一色」という感じは、全然見受けられませんでした。当の産経新聞にしてからが、その日の夕刊はもう通常通りの紙面に戻っていて、その事で逆に「では、あの朝刊でのバカ騒ぎは一体何だったの?」と思い起こさせられたり。



 そういう意味では「無視する」というのが一番良いのかも。こんなマスコミの情報操作に、わざわざ自分から乗っかる事もない訳だし。

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