アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

これではもはやイスラム国ならぬヤスクニ国ではないか

2014年09月14日 23時41分46秒 | ヘイトもパワハラもない世の中を


 今までもツイッター等で個別に第二次安倍改造内閣のいかがわしさを批判してきましたが、その間も次から次へとトンデモなネタが出てきて、もうツイッターだけでは間に合わなくなったので、改めてブログに批判記事を書く事にしました。

 ご存知の通り、安倍政権は今度の内閣改造で一気に5名もの女性閣僚を登用しました。高市早苗(総務)、松島みどり(法務)、小渕優子(経済産業)、山谷えり子(拉致問題担当)、有村治子(女性活躍・少子化担当)の5名です。ところが、これで女性の社会進出が進むと思ったら大間違い。何故ならば、閣僚に抜擢された女性たちというのが、ことごとく右翼アタマの復古主義者なのですから。「赤ん坊は専業主婦が母乳で育てなければ将来ろくな大人にならない」という、何の科学的根拠もない「親学」を主張し、ワーキングプアのシングルマザーをまるで「怠け者の非国民」呼ばわりするかと思えば、「DVだのセクハラだのと騒ぎ過ぎだ」と、まるで家庭内暴力やセクハラを擁護するような発言に終始し、夫婦が結婚後も別姓を選択する事を認める「選択的夫婦別姓」にも反対、婚外子差別を禁じた判決にも異を唱え、果ては性教育や中絶手術にも反対する始末。閣僚ポストの名称をそれまでの「男女共同参画」から「女性活躍」に変えたのも、「行き過ぎた男女平等・女権拡張を是正する」という理由だと言うに至っては、「こいつら一体何を考えているのか」と言わざるを得ません。いくら若作りして知的さを演出したところで、こんな戦前アタマの保守反動オンナどもの下では、女性の社会進出も地位向上も進む訳がない。

 それもそのはず。第二次安倍改造内閣の閣僚19名のうち、何と15名までが右翼団体「日本会議」のメンバーなのだから。「太平洋戦争は侵略戦争ではなかった」「憲法改正で教育勅語の復活を」と唱える日本最大の右翼組織に、安倍晋三(総理)、麻生太郎(副総理・財務)、菅義偉(官房長官)、石破茂(地方創生)等の主要閣僚がみんな参加しているのだから。「日本会議」に入っていない閣僚は公明党の太田昭宏(国土交通)と前述の松島みどり・小渕優子の2名だけ。西川公也(農林水産)も、「日本会議」こそ入っていないものの、「みんなで靖国神社に参拝する議員の会」には入っているので同じ様なものです。

 この改造内閣の閣僚名簿が発表された、その舌の根も乾かぬうちに、さっそく右翼がらみのスキャンダルが持ち上がりました。閣僚の中でもゴリゴリ右翼の高市早苗と自民党四役の一人、稲田朋美(党政調会長)が、よりによって日本のネオナチ団体の代表とツーショットで、議員会館で記念撮影をしていたのだから驚きです。「国家社会主義日本労働者党(NSJAP)」というネオナチ団体代表の「山田一成」という人物が、安倍内閣の閣僚と記念写真に納まっていたのです。このネオナチ団体は、党名もドイツのナチス(正式名称:国家社会主義ドイツ労働者党)から拝借し、シンボルマークもナチスと同じハーケンクロイツ(鉤十字)を使用しています。ユダヤ人やロマ(ジプシー)のホロコースト(民族皆殺しとも言える大虐殺)を行ったナチスは、戦後ヨーロッパでは加入しているだけで刑事罰に問われる程の忌むべき存在です。くだんのネオナチ団体は、事態発覚後に写真も記事もホームページから慌てて削除したようですが、時既に遅しです。写真も記事のログも、とっくにネットに拡散してしまっています。



 しかも、そのネオナチとの記念撮影も、「撃論」という月刊誌(現在は廃刊)のインタビューに応えてだったというのだから恐れ入ります。この「撃論」の発行元(オークラ出版)こそが、あの悪名高い「在特会」系の出版社なのですから。「在日特権を許さない市民の会」と言うのが「在特会」の正式名称です。一応、草の根の市民団体を装ってはいるものの、この団体もネオナチそのものです。過去に在日フィリピン人家族や朝鮮学校に対して襲撃事件を何度も繰り返してきた曰(いわ)くつきの団体です。しかも、その手口たるや、フィリピン人家族の不法滞在に託(かこつ)けて、その子の通う中学校に大の大人が大勢で押しかけたりするような卑劣な真似をしていたのです。東京・新大久保や大阪・鶴橋のコリアンタウンでも、幹部会員の子どもに「クソチョンコは朝鮮半島へ帰れ!帰らなければ鶴橋大虐殺を行うぞ!」とムチャクチャな街頭宣伝をさせていました。京都朝鮮学校襲撃事件では北朝鮮拉致問題に託けて「キムチくさい!」「スパイの子!」「盗人、強姦魔!」とあらぬ限りの罵倒を子どもに浴びせて学校の授業を妨害し、「外国人は黙って道の隅っこ歩いとったらええんや」と、まるで外国人は人間ではないかのように喚き散らし、人種差別を煽ったとして、京都地裁で仮執行付きの損害賠償判決まで食らっています。「在特会」とはそういう団体です。

 「鶴橋に住む在日クソチョンコの皆さん、そして今ここにいる日本人の皆さん、こんにちは。ほんま、皆さんが憎くて憎くてたまらないです。もう殺してあげたい。いつまでも調子に乗っとったら南京大虐殺じゃなくて、鶴橋大虐殺を実行しますよ!日本人の怒りが爆発したら、それくらいしますよ!大虐殺を実行しますよ。実行される前に自国に戻って下さい。ここは日本です。朝鮮半島ではありません。いい加減、帰れ!」
 これが2013年2月に、大阪・鶴橋での「在特会」主催のヘイトデモで発せられた言葉です。
 こんな事を街頭で中学生の自分の娘に喋らせ、いい歳こいた周囲の大人達が拍手喝采で囃し立てているのです。そして、東京の新大久保でも大阪の鶴橋でも、「排害カーニバル」なぞというふざけたタイトルのデモを企画し、「よい韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」という様なプラカードを掲げ、デモ終了後も「お散歩」と称して、店の看板を蹴飛ばしたり、従業員や買い物客に罵声を浴びせたり乱暴したりしているのです。これは、もはや「表現の自由」に基づくデモではなく、ただの弱い者虐めの暴力にしか過ぎません。

 「勝手に朝鮮半島からやって来て日本人の職を奪う」とする「在特会」の主張も、一方的な言いがかりでしかありません。例えば、アルジェリア系移民がフランス・パリの下町に何世代にも渡って住みついているのは何故なのか。フランス人に土地を奪われ食い詰めたからでしょう。たとえそれが非合法な密入国による移住だったとしても、本当に責められるべきは移民ではなく、フランスによる植民地統治です。そんな事は、世界の近現代史を少しでも学べば直ぐ分かる事なのに。この中学生やその親は、こんな事をして恥ずかしくはないのか。 
 案の定、この動画は既に国連人権委員会にも人種差別撤廃条約の批准・履行状況を確認する資料として提出され、多くの委員から軽蔑の眼差しで見られる事になりました。

女子中学生 鶴橋大虐殺宣言! YouTube [拡散]


撃論 第九号 (OAK MOOK 459)
クリエーター情報なし
オークラ出版


 この「撃論」第9(2013年2月)号に、当時、自民党政調会長だった高市早苗が、「第九条改正と国防軍創設」と題して記事を寄稿しています。
 高市も稲田も、そういう団体の、そういう雑誌のインタビューに応え、日の丸の旗の前で嬉々として写真に収まっていたのです。二人とも今頃になって口裏を合わすかのように「そんな団体、雑誌とは知らなかった」と見え透いた嘘を言っていますが、仮にも現役の政府閣僚ともあろう人物が、取材者の氏素性も確かめずに、ホイホイと記念写真に収まったりなぞするものですか。現に二人とも、この雑誌には写真だけでなく記事を投稿したりもしているではないですか。

 それだけではありません。高市早苗に至っては、他人には「夫婦別姓なんてケシカラン」なぞとほざきながら、自分は夫婦別姓で通しているのですから(実際の姓は山本)、開いた口がふさがりません。その言い訳を自分のブログでしていますが、その内容も「自分は戸籍は変えていないので別姓ではない」というものでしかありません。こちらは何も「絶対に夫婦別姓でなければならない」なんて主張している訳ではありません。いくら「家族制度を守らなければならないから」と言っても、現実には営業職などで旧制の方が通りが良いとか、DVから逃れて来た為に前の夫の戸籍から抜け出せない等、夫婦別姓を選択せざるを得ない場合も少なくありません。そういう「選択の権利まで杓子定規に奪うな」と言っているに過ぎません。家族制度の維持(国家としての体面)と、個人の幸福追求や生きる権利の保障と、一体どちらが優先なのか。だから、高市自身も自分は夫婦別姓を選択したのでしょう。松島みどり(戸籍名は馬場みどり)も選択的夫婦別姓には反対しない(出来ない)のでしょう。ところが、自分は夫婦別姓の生活を送りながら、他人には「別姓なぞケシカラン」と主張するのは、全くのご都合主義であり、「自分だけは特別」と、他の有権者を差別するものに他なりません。そこにあるのは、民衆を見下す鼻持ちならない支配者意識だけです。

 だから私は、靖国参拝を繰り返す高市や稲田、安倍などの右翼閣僚や、その復古イデオロギーに支えられた安倍政権を、「イスラム国」やその亜流の「ボコ・ハラム」になぞらえて「ヤスクニ国」と揶揄(やゆ)したのです。確かに、「日本会議」も「在特会」も、見せしめに外国人の首を切り落とすイスラム原理主義テロリストの「イスラム国」ほど、まだ狂暴ではありません。しかし、その価値観の多様性を認めない頑迷さや、一般大衆には体制道徳を強要しながら自分は勝手し放題というワガママな本質においては、安倍政権も「イスラム国」と五十歩百歩ではないですか。「イスラム国」も、表向きは「外国人排斥」を言いながら、裏では白人の不満分子も自分たちの傘下に引き入れようと盛んにオルグしています。
 たとえ、「イスラム国」が西欧の植民地主義を非難した所で、自分達も東西冷戦時代にはソ連や左翼に対抗する為に、米国から陰で資金援助を受けて来たのですから、何をか況(いわん)やです。西側諸国も、そうやって手なずけて来たつもりが、大きくなり過ぎて自分達の言う事にも従わなくなった。その辺の事情は、アフガニスタンのタリバンやイラクのアルカイダとも同じです。要は、いくら「イスラム」だの「靖国」だのと言っても、結局は自分たちの特権を維持する為の煙幕にしか過ぎないと言う事です。



 東京都知事の舛添要一や大阪市長の橋下徹なぞは、さすがにこんな安倍政権のままでは、東京オリンピックに外国人観光客を呼び込む事は出来ないと、人種差別を煽るヘイトスピーチやヘイトデモを法律で規制する事を主張し始めています。「従軍慰安婦はただの売春婦だ」と、今まで散々、安倍や「在特会」と同じ様な主張を繰り返して来た橋下徹が、今頃になっていくらこんな事を言いだしても滑稽(こっけい)なだけですが。
 しかし、これは単に「オリンピックに外国人が来なくなる」だけで済まされる問題ではないでしょう。人種や民族に対する差別が禁止されるのは、それが人権侵害だからであって、単に「外国人観光客が来なくなるから」(金儲け)とか「日本人の誇りが傷つけられるから」(国威発揚)で済む問題ではないはずです。それが分かっていないから、ヘイトスピーチを単なる騒音被害の問題としてしか捉えられずに、泥棒(ヤスクニ国)の高市早苗や平沢勝栄に警官役(自民党ヘイトスピーチ規制プロジェクトチーム)をやらせるような真似をして、その矛盾にも気付かないのでしょう。このままでは、本物のヘイト規制はなおざりにされたまま、反原発デモなどが「ヘイト規制」の対象にされてしまいます。
 もうそこまで行ったら、それこそ「世界の物笑い」でしかありません。それで安倍たちが恥をかくのは勝手ですが、その為に、国民の自由や権利が侵されて、日本を差別主義者やブラック企業の天下にされたのでは、もう国民は踏んだり蹴ったりです。日本を北朝鮮みたいにされて堪るか!
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