アフガン・イラク・北朝鮮と日本

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プレカリアートのゴーストバスターズ

2019年02月05日 08時23分55秒 | 職場人権レポートVol.3

前回記事の続きです。会社批判だけだと思われるのも癪なので、事故の予防策についてもHPに投稿しました。

●事故の対策(2月2日投稿)

先の誤配事故について自分なりに対策を考えてみました。

①作業の簡素化
ベトナム人留学生の大半が出稼ぎ目的で来ている事は、もはや公然の秘密です。留学生の中には日本語がほとんど喋れない方も少なくありません。その様な方には身振り手振りで仕事を教える他ありません。その為には作業内容も簡素化する必要があります。例えば今回貼り間違えたラベルも、何故1台のカゴ車に同じ店名のラベルを何枚も貼らなければならないのでしょうか?店舗ラベルとバーコードラベルを一本化出来ない筈はありません。実際に私がかつて働いていた生協ではカゴ車に貼るのはデポカード1枚だけでした。「1枚だけでは紛失のおそれがある」と言いますが、大きめのマグネット・ラベルに変えて、カゴ車側面のプレートに貼り、プレートの向きに収納する様にすれば、1枚だけで使い回しも可能ではありませんか。

②語学習得支援制度の創設
そうは言っても、やはり身振り手振りだけで仕事を教えるのは無理です。翻訳機が使えるのは、せいぜい道案内までです。機械翻訳で誤訳だらけの上、翻訳に手を取られ過ぎて仕事になりません。ベトナム人バイトには日本語で日常会話ぐらいは出来るようになって貰わないと困ります。それは日本人の私達にも言える事です。既に韓国・台湾では国費で留学生の生活支援や語学習得支援まで行っています。外国人雇用を推進する政府・企業の責任でベトナム人バイトの日本語習得、日本人社員・バイトのベトナム語習得支援を求めます。

③仕事にメリハリを付けさせる
先日の誤配事故はベトナム人バイトの気の緩みが原因です。おそらく「表示器の真下にあるカゴ車に何故、同じ店のラベルを何枚も貼らなければならないのか?」と言うのが彼らの本音でしょう。それに対し「カゴ車の入れ替えで場所が変わったり位置がずれる事もある」と教えるのは社員の仕事です。そして、どんな仕事にも納期や最低限のノルマはあります。ところが、実態は作業配置を組んだらもうそれで終わり、後は点検も指導もせずに放置、現場のバイトに丸投げ。それで事故が起こらない方が寧ろ不思議です。

他にも色々書きたい事はありますが、まずは上記3項目について、ご検討をお願いします。

 

以上の文書を会社のHPに投稿しましたが、文字化けでうまく送信出来なかったようなので、改めてテキストに落として印刷し、翌日に下記の補足文書と一緒に会社に提出しました。

●作業簡素化の実践例(上記投稿補足文書)

会社HPへの投稿には1千字以内の字数制限がある為、提案の概略しか投稿出来ませんでした。その中で述べた「作業の簡素化」について、もう少し詳しく説明します。

①ラベルの統一
現状では、カゴ車が満載になれば、1台のカゴ車に店舗ラベルを2枚も貼った上に、まだバーコードラベルも貼って待機場所に持って行かなければならない。例の誤配事故も、その手間を厭う余りに、「表示器の真下にカゴ車がセットされているのだから、店舗ラベルなぞ後で張れば良い」と外国人バイトが思ってしまって起こったのでは?
「カゴ車に1枚ラベルを貼るだけでは紛失してしまう」のは、デコボコに商品積んだ上に小さなバーコードラベルを貼らなければならないからだ。もっとラベルのサイズを大きくし、マグネット(磁石)でカゴ車のプレートに張り付けるようにすれば、1種類のラベルだけでデータの読み込みも配送先店舗名の確認も同時に行えるようになる。
また、マグネット方式にする事で、ゴミ(ラベル片)の削減に繋がり、落下したラベルが床にこびりついて後で時間をかけて剥ぎ取らなければならなくなる悪弊も無くせる。

②備品類の統一
何故、カゴ車がSカゴ・Lカゴ・青カゴの3種類もあるのか?何故、台車が赤ドーリー・青ドーリー(サンキャリー)・鉄キャリーの3種類もあるのか?今まで仕事の種類が増えるたびに、行き当たりばったりで備品の種類ばかり増やして、備品の統一を怠って来たからだ。その為に、管理の手間ばかり増え、肝心の数量確保がおぼつかなくなってしまっている。

③段ボール箱の形状統一
言葉も通じず身振り手振りでしか仕事を教えられない外国人相手に、「はい組み」の説明なぞ至難の業。PCや惣菜が共有クレートで納品可能になったのだから、洋風日配の段ボールも今のキャベツミックスの様にサイズ・形状の統一が可能ではないか?

④作業日報の廃止
言葉も通じない外国人バイトに日本語で作業日報(個人日報)を毎日提出させる意味が果たしてあるのか?毎日の定型作業については、わざわざバイトに作業所要時間を記入・提出させなくても、社員の方で実態を把握できていて当然ではないか?作業日報の作成・提出については、年末年始や盆の繁忙期などの特殊な場合に限るべきではないか?

 

 

(参考)左:カゴ車(ロールボックスパレット)、右:ドーリー(平台車)。必ずしも私の会社の備品と同型ではないが、大体同じ様な物と考えてもらって差し支えない。カゴ車側面のプレート(鉄板、看板とも言う)も左の写真には載っている。(出典:https://daisha-kan.e-fromtanix.jp/)

以上です。

「身振り手振りで仕事を教わっている」のは、実はダブルワーク先のクリーニング工場でも同じです。そこでも従業員の大半が外国人で占められています。現場では日本人の社員・バイトは数えるほどしかいません。そこでは新人の私も、身振り手振りで仕事を外国人の先輩から教わりました。だから、仕事の詳しい中身については今も全然知りません。実際、シーツをかけて流している機械の構造はおろか正式名称すら知りません。先のブログ記事では「乾燥機」と書きましたが、洗濯機でもプレス機でもなさそうなので、おそらく乾燥機だろうと、あくまでも憶測で書いたに過ぎません。しかし、そんな状態でも仕事が回っているのは何故だろうか?シーツをかけては流す。そんな単純作業の繰り返しだから、身振り手振りだけでも仕事を教わる事が出来たのだろうと。シンプル・イズ・ベスト。それを事故予防策の第1項目「作業の簡素化」として上げました。

ところが、本業バイト先の会社ではその逆に、仕事が増えるたびに作業もどんどん煩雑になって行きました。元々はSカゴ(小規模店舗向けの小型のカゴ車)とLカゴ(大型店向けの大きめのカゴ車)の2種類だけだったのに、カゴ車が足りなくなったからと言って安物の青カゴ(中間棚が無いので、大きな荷物も小さな荷物も同じカゴ車に積まなくてはならず、非常に使い勝手が悪い)を入れたものだから、カゴ車の振るい分けや保管に手が取られ、肝心の数量確保が疎かになってしまいました。台車も、元々はクレート(平型ケース)を積む赤ドーリーと、コンテナ(厚型ケース)を積む鉄キャリーの2種類だけだったのに、どちらも積める青キャリーに一本化しようとしたものの、サイズが大きく配送ドライバーから「トラックに積みにくい」と苦情が出て、結局3種類に台車が増えただけに終わってしまいました。

また、上記会社で試験的に支給された翻訳機(ポケトーク)も、実際は使い物になりませんでした。いざ日本語をベトナム語に訳そうとしても、すぐにタイムラグで自動的に電源が切れてしまいます。翻訳で出たベトナム語も後で再翻訳で確認してみたら、「台車」と発音したのに「馬」と訳されていたりと、もう誤訳だらけでした。

翻訳機が誤訳だらけになる理由も分かりました。ベトナム語も日本語や韓国語と同様に、漢語由来の単語が数多くあります。例えば、ベトナム語の「カムオンCảm ơn」(有難う)は漢字の「感恩」から来ています。しかし、同じ漢語由来の単語でも、中国とベトナムとでは意味が異なるものも多数存在します。例えば、中国語の「移動」に相当する単語(Di dời)が、ベトナムでは「移転」(Di chuyển)の意味でつかわれるようになりました。言葉も生き物ですから、長い年月かけて異国に伝わる間に、意味合いが変わってしまう事があります。その違いを翻訳機が認識できずに誤訳してしまうのです。今の翻訳機の性能では、使えるのはせいぜい道案内まででしょう。

第一、日本語同士ならワンステップで次の会話に移れるのに、翻訳機だと、同じ言葉をもう一度ベトナム語に翻訳してからでないと次の会話に移れません。これでは、たとえ、どんなに優秀な翻訳機でも、翻訳にばかり手を取られてしまい、とても仕事になりません。

確かに「日本で働こうとするなら、日本語の日常会話ぐらいマスターしてから来いよ」と言いたい所ですが、しかし言葉も通じない留学生も多くいる中では、一刻も早く彼らに日本語を覚えてもらわなければならないし、私たちもベトナム語をマスターしなければなりません。それは個人の努力だけでは無理です。政府も企業も外国人雇用を国策として推進する以上は、言語習得の時間・費用についても保証するのが筋でしょう。だから、それを事故予防策の第2項目「語学習得支援制度の創設」として上げました。

実際、韓国や台湾では、語学習得の学費だけでなく生活費も国から支給されています。最近ではそちらの国を留学先に選ぶベトナム人も増えているそうです。ところが日本では、悪徳ブローカーと組んで留学生を食い物にしている一部の日本語学校経営者の中には、下手に出来る奴を入れて金儲け主義の経営方針を批判されては堪らないと、敢えて出来の悪い留学生ばかりを受け入れる輩もいるそうです。

しかし、外国人労働者を単に「人手不足の穴埋め」「使い捨ての低賃金労働力」と見なすだけでは、最後には日本人だけでなく外国人からも見向きもされない国になってしまいます。実際、うちの会社でも、低賃金に嫌気が差して日本人バイトがどんどん辞めてます。そこを何とかしない限り、幾ら外国人で穴埋めしようとしても無駄です。ザルで水をすくうようなものです。ところが、うちの会社は、ベトナム人留学生が引き起こした今回の誤配事故も「地縛霊」(店の場所)のせいにして、「厄払い」(ラインの入れ替え)だけでお茶を濁そうとしているのですから、もうお話になりません。

そういう皮肉も込めて、今回のブログ記事を書きました。投稿補足文書の中で「何事もシンプル・イズ・ベスト。言葉も通じない外国人に身振り手振りで仕事を教えなければならないのだったら、面倒な積み方のコツも教えなくても良いように、全ての荷物を同じ大きさの真四角の箱で納品させろ」(段ボール箱の形状統一)と、敢えて極論を展開したのも、その為です。私も勿論、そんな事がよもや実現するとは思ってはいません。でも、バイトにそこまで要求するなら、会社もそれぐらいの改善努力をすべきではないでしょうか?「自分たちは何も改善しようとせず、バイトにばかり負担を押し付けるな」と言いたい。それで「今回の様な事故が起こったら、責任も負担もバイトにしわ寄せ」では、もう自分勝手にも程があると思います。

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