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東京都知事選挙の結果について

2024年07月10日 20時44分38秒 | 未完の政権交代
 
7月7日投開票の東京都知事選挙。史上最多の56名が立候補し、選挙掲示板のスペースを転売目的に利用したり、政見放送で服を脱いだりした候補もいて、逆にドン引きしてしまう人も多かったのではないでしょうか。そのせいかどうかは分かりませんが、今回も現職の小池百合子知事が291万票余も得票して圧勝してしまいました。それに対して、私が推した蓮舫さんは約128万票と、小池知事に勝てなかっただけでなく、約165万票余を獲得した石丸伸二氏にも追い抜かれ、3位の得票に甘んじる事になってしまいました。
 
小池百合子、蓮舫、石丸伸二と、主要3候補のホームページをざっと見ましたが、はっきり言って違いがどこにあるのか分かりませんでした。3名とも表現の違いや重点の置き方こそ微妙に違えど、いずれも子育て支援や女性活躍、ダイバーシティ(多様な生き方尊重)、賃上げ実現、行政の透明性確保、(区部と市町村・島嶼部との)格差是正については、判で押したように「実施する」と謳っていて、私には3名とも同じような事を言ってるようにしか見えませんでした。
 
 
 
むしろ蓮舫さんより小池さんの方が、現職の強みを活かして具体的な事も書いてあるし、石丸さんのホームページも「(街頭演説中に)雨が降って来た!」などのアクシデントも記事のタイトルに取り入れ、視聴者を引き込もうとしているように感じられました。それに対して、蓮舫さんのホームページはと言うと、確かに神宮外苑再開発の事にも触れていますが、大きくは扱わずに、総花的な公約列挙に終始してしまっているように思えました。
 
はたから見ていたら、小池さんも蓮舫さんも、まるで「バラマキ競争」を煽っているようにしか見えませんでした。こんな構図で選挙戦に突入してしまったら、現職知事が勝つのに決まっています。蓮舫さんを支持していたはずの立憲・共産両党の支持層からも3割前後の票が小池さんや石丸さんに流れたのも、ある意味当然ではないかと思いました。
 
蓮舫さんの敗因について、「共産党と組んだから無党派層の票が流れてしまったのだ」と言う事を、盛んに言う人がいますが、私はそれは違うと思います。何故なら、無党派層と言うのは、本来はアンチ自民でもアンチ立憲でもなく、どの政党に対しても関心がないのです。だから選挙にも投票しない。そういう人は、共産党に対しても無関心ですから、別に立憲がどこと組もうが関係ないはずです。
 
そうではなく、逆に小池さんとの違いを明確に示せなかった所にこそ、蓮舫さんの敗因があると思います。「神宮外苑再開発を見直す」と言っていたのは、主要3候補の中では蓮舫さんだけでした。都庁下の炊き出しに視察に来たのも蓮舫さんだけでした。何故それをもっと選挙戦でアピールしなかったのか?そうしたら、ひょっとしたら、今まで炊き出しに並んで食って行くだけで精一杯で、選挙に投票する余裕もなかった人でも、蓮舫さんに投票してくれたかも知れません。こんな事を言うと「飯で票を釣るのか?」と思われるかも知れませんが、それで実際命が救われるなら、私はもっとアピールすべきだと思います。それでも現職の小池さんにはかなわなかったかも知れませんが、少なくとも無名の石丸さんにすら遅れを取るような事はなかったと思います。
 
そこで蓮舫さんを追い抜き、現職の小池さんに負けこそすれ、165万票もの大量得票を獲得し、一躍「台風の目」に躍り出た石丸伸二という候補者について。この人は、広島県安芸高田市の出身で、銀行員として海外赴任していた最中に、2019年衆院選の河井夫妻による贈収賄事件で、地元の安芸高田市長が辞職し、副市長の無投票再選で終わろうとするのに待ったをかけるべく、銀行を退職して急きょ市長選挙に立候補。新人ながら副市長を抑えて見事市長に当選した人です。その後は改革派市長として、市議会のボス議員とやり合い、その様子を市の公式ユーチューブに発信してきた人です。
 
でも、都知事選後の選挙特別番組で、この人がインタビューに答えるのを見て、その余りの酷さに呆れ返ってしまいました。それが投票日の夜に放映された一番下の動画です。そこで石丸さんがインタビューに答えていたのですが、インタビュアーが普通に質問しているのに、一々上から目線で喧嘩腰に答える様子に、思わず「アンタこそ一体何様?」「アンタこそ一番の政治屋じゃないか」と思ってしまいました。
 
国政に進出するつもりがあるかどうか聞かれて、ニヤけながら勿体ぶって「可能性はあるが(出馬の)意志はない」と答えたり(出馬の意志は無いと素直に答えれば良いものを)
 
165万票という予想外の大量得票に対する自己評価を求めた質問者に対して、「何という(下らない)質問ですか?選挙に出る以上、更に上を目指さなければならないに決まっているじゃないですか。そんな質問していたらアントニオ猪木に叱られますよ」と、相手を小バカにしたような態度で返したり。
 
喋り方こそ丁寧ですが、相手への敬意が全然感じられませんでした。一言で言えば「慇懃(いんぎん)無礼」。確かに近年のマスコミの劣化ぶりは目を覆うばかりですが、その鬱憤はマスコミの経営者や番組編集者にこそぶつけるべき。普通に質問しているインタビュアー個人に鬱憤ぶちまけるのは筋違いです。こんな事で八つ当たりされるインタビュアーこそ良い迷惑です。
 
もし職場にこんな上司や先輩がいたら、あなたならどうしますか?こちらが普通に質問しているのに、いちいち皮肉で返さりたり、小バカにしたような態度で返されたら、もうやってられませんよね。仕事になりませんよね。幾ら仕事が出来ようが、「改革者」であろうが、そんな上司や先輩とはもう一緒に仕事は出来ません。だから、安芸高田でも市長の任期も最後まで全うできずに、最後には誰からも相手にされなくなり、東京に出て来て一発逆転狙うしかなくなったのかも知れません。
 
そんな事で「政治の改革」など出来る訳がありません。現に、石丸さんが退任した後の市長選挙でも、アンチ石丸候補が石丸後継候補を抑えつけて市長に当選しています。本当に「改革派市長」として市民の人望を集めていたら、絶対にこんな事にはなりません。幾らネットでユーチューバー市長として人気を集めていても、それはユーチューブという動画の中だからこそ、ユーザーも安心して観ていられたのです。動画の中で、「水戸黄門」みたいな石丸が「悪代官」の市議をやっつける姿を見て溜飲を下げる事が出来たのです。でも、現実の職場に、こんなトラブルメーカーがいたらどうなるでしょうか?「改革」どころか会社の中がグチャグチャになってしまうだけです。
 
蓮舫さんが東京都知事に当選できなかったのは返す返すも残念ですが、それでも当選したのが小池百合子でまだ良かったと、今では思っています。もし石丸が当選していたら、東京はもっと酷い事になっていたのではないか?それぐらい酷いインタビューでした。
 
【都知事選】石丸伸二氏単独インタビュー 今後の国政進出「意思はない」|TBS NEWS DIG

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「草の根」は結局無力 (ぶた猫ぶーにゃんa.k.a.山猫ぽてと)
2024-07-11 12:19:33
こんにちは。プレカリアートさん。
ぶた猫ぶーにゃんの社会的マイノリティ研究所です。

前回のコメントにも綴りましたが、はっきり言って私はニッポンの毒オトナ社会に疲れました。

そして、今回の都知事選で「草の根」の無力をさらけ出しました。
民主主義、人権尊重、弱者救済を求める「草の根」の声はもはや「インフルエンサー(その大半は金持ちに支えられています」に到底かなわないのです。

そりゃ「新世界秩序」だとか「秘密結社」とか陰謀論に走ってしまう人もいるわけです。
プレカリアートさんへのコメントを書き込まれている方にも一部見受けられますが…
「大いなる力」が働いているとしか思えなくなるわけです。

とにかく、繰り返しになりますが、私はもう疲れました。
ブログも全然更新していない(笑)
それではお元気で。
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