アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

これではテロは絶対になくならない

2023年07月16日 20時44分43秒 | モリカケも忖度もない公平な社会を

夏と言えば怪談だ。私もこの週末に史上最凶の心霊スポットを巡って来た。どこだと思う?元首相の安倍晋三が銃殺された近鉄西大寺駅前ロータリーと、安倍晋三の慰霊碑(留魂碑)のある奈良の三笠霊苑だよ。この世に未練を残して人が亡くなった地を「心霊スポット」、その人の住まいを「事故物件」と言うなら、政治家も例外ではない。現に今の首相官邸も、戦前の5.15事件で軍の反乱兵士に殺された犬養元首相の亡霊が出ると噂されている。なのに、安倍晋三の場合だけは誰も言及しない。それがもし何らかの忖度(そんたく=遠慮)の結果だとしたら、その欺瞞を暴くのも私は「あり」だと思う。

しかも、安倍晋三ほど評価の分かれる人物はいない。安倍の支持者からすれば「偉大な人物」かも知れないが、安倍が強行した安保法制に抗議して焼身自殺した人や、安倍政権に公文書改ざんを強いられたのを苦に自殺した公務員の方からすれば、「何でこんな奴を祀らなあかんねん」としかならない。なのに、安倍の支持者は安倍晋三だけを祀り、その犠牲者については一顧だにしない。これでは余りにも不公平だ。

こんな事を言うと「お前は死者に鞭打つのか?」という反論が必ず来るが、もしそんな事を言う奴がいるなら、その言葉をそいつにそっくりそのままお返しする。安倍の犠牲者については散々「自殺するような案件ではない」とか「野党が追及するからそれを苦にして自殺してしまったのだ」と、原因と結果を逆転させて、まるで「白を黒と言いくるめる」ような態度を取り、犠牲者を冒涜しながら、安倍だけを殉教者のように崇め奉り、それを国葬という形で国民にも強要するのは、ダブスタ以外の何物でもない。

そもそも、加害者の死をもって「水に流す」と言うのが通用するのは、その加害者が被害者に対して本心から反省し謝罪した時だけだ。加害者が全然反省も謝罪もせず、勝手に亡くなったにも関わらず、被害者だけが加害者に対して「水に流す」事を強要されるいわれは、これっぽっちもない。もし、相手がレイプや飲酒運転の加害者で、被害者・遺族に対して補償はおろか謝罪も反省も未だ為されなかったとしたら、当事者としては到底「水に流す」事なぞ出来ない。安倍晋三とて、それは例外ではない。この事をまず最初にはっきりさせておく。

しかし、安倍銃撃事件からほぼ1年経ち、当時の回顧録がテレビで取り上げられる事はあっても、「テロを防ぐにはどうすれば良いか」議論するばかりで、「では何故テロが起こったのか?」という観点まで踏み込んだものはほとんどなかった。あっても、せいぜい「違う立場の人や意見にも寛容に」という一般論でお茶を濁すのみだ。これではまるで「私たちが寛容でないからテロが起こった」みたいだ。確かにそういう側面がある事は否定しない。しかし、「嫌韓」「嫌中」にしても「北朝鮮バッシング」にしても、最初に非寛容を煽ったのは政治家やマスコミだ。その政治家・マスコミの責任を棚に上げ、「一億総ざんげ」に話をすり替えようとしても、そうは問屋が許すか。

とまあ、そんな事を思いながら、先日の回顧録番組(7月5日放送NHKクロ現)を観たのを機に、その銃撃現場を昨日の土曜日に探索して来ました。銃撃の舞台になったのは、近鉄奈良線・大和西大寺駅北口ロータリーのゼブラゾーン(白いペンキで車両進入禁止の斜線が引かれた一角)です。今でこそロータリー改修工事も終わってゼブラゾーンになってますが、昨年7月の参院選当時は、ロータリーはまだ工事中で、ここもガードレールに囲まれた小さな空き地のままでした。7月8日のその日も、安倍晋三はここに立ち、ロータリーの方に背中を向けて、自民党候補者の応援演説をしていました。その時に、ロータリーの方から近づいてきた容疑者に銃撃され死亡しました。(詳細についてはウィキペディアの記事参照)

現在、そのゼブラゾーン向かいの交差点角に小さな花壇が作られています。私が行った時は、花壇の前で一人の青年が署名を集めていました。「安全な社会を守る緊急署名」と銘打ち、テロ防止のボディーガードをもっと政治家に付けるよう訴えていました。その署名には「与党だけでなく野党の国会議員もテロの恐怖に脅かされている」とあり、安倍晋三だけでなく民主党の石井紘基議員も、凶弾に倒れた議員の名前に載っていました。但し、署名の主催団体名は私が今まで聞いた事もない名前だったので、「本当にどの政党とも無関係ですね?」と念押しした上で、私も署名させてもらいました。(当該署名団体のサイト参照)

その青年が言うには、「当時の銃痕もまだ北の方の駐車場ビルの壁に残っている」という事だったので、その駐車場に行ってみたら、ロータリーからだいぶ離れているにも関わらず、ビルの壁にそれらしきものが残っていました。(写真の矢印の先の丸で囲った部分2か所)

ただ、そこには安倍晋三の慰霊碑はなかったので、私がネットで調べたら、奈良市街の北はずれ、若草山の北の方にある三笠霊苑(奈良墓地公園)の一角に、政治家有志が私費で建てた留魂碑があるという事で、今日の日曜日にそれを見て来ました。近鉄奈良駅前から青山住宅前行きのバスに乗り、今在家というバス停で下りて、「歴史の道」という散策路を山伝いに歩くと、やがて三笠霊苑が見えて来ました。入口には樹木が茂り、噴水もあり、本当に公園みたいでした。入口脇の管理事務所の前を通り、つづら折れの急な坂道を登っていくと、やがて留魂碑が見えて来ました。

小さな慰霊碑で、碑には黒い石がはめ込まれ、「不動心 内閣総理大臣 安倍晋三」と刻まれていました。私は安倍なんて大嫌いで、ここを訪問したのも、単なる「物珍しさ」以上のものはありませんでした。それでも、訪問した以上は弔意を表さなければなりませんので、私も社交辞令として手を合わせて故人の顔を拝ませてもらいました。

でも「不動心」の碑文を見て、私の心の中には少しざわついた気持ちがもたげて来ました。何故なら、この文言は、国民の共有財産であり、後に歴史を検証する際の史料となるはずの公文書がいくら改ざんされようが、その改ざんを強いられたのを苦に、公務員がいくら自殺しようが、ひらすら「不動心」でまい進するという表明に他なりません。安倍支持者の仲間内の間だけなら、それでも構わないでしょう。でも、世間にはそれで逆に心の中をかきむしられる人もいる訳です。安保法制強行に抗議して焼身自殺してしまった人や、前述の公務員の遺族の方を始めとして。

仮にも政治家なら、そういう方たちに対する配慮があっても然るべきではないでしょうか?どんな政党の政治家でも、いざ政治をするとなると、党や支持者の為だけでなく、反対党やその支持者、そのどちらでもない人達の要望も、国民の意見として聞き入れ、国の政治に生かさなければならないのに。それが政治家の仕事でしょう。だから「公人」と呼ばれ、要人には警護の警察官も配備され、各種の政治権限を与えられる代わりに、プライバシーにも制約が加えられるのです。それが嫌なら、最初から政治家なんてやらなければ良いのです。

それがこの体たらくでは、今後も第二、第三のテロ容疑者がいくらでも出て来ますよ。国民に「多様性」や「寛容」を求めるなら、政治家がまずお手本を示すべきです。政治家に一片の「多様性」や「寛容」もない中で、国民にだけそれを求めるのは筋違いです。それを分かってもらう為に、最初の方で敢えてキツイ言い方をさせてもらいました。失礼の段お許し下さい。確かに、私は「安倍嫌い」がキツイので、あのような過激な物言いになってしまいましたが、それほどでない人も、あの碑文を目にしたら、中には、少し心のざわつく人がおられるのではないでしょうか?


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3 コメント

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Unknown (nerotch9055)
2023-07-16 21:17:35
こんばんは!
全くその通りです!
なぜかお亡くなりになったら「そこでおしまい」みたいな話になるんでしょう?
この問題になると、他の大臣が「御本人はお亡くなりになられたので調べることができない」と言いますが、え?ですよね。
私も同じように事件の現場、留魂碑の前では心がざわつくと思います。
おっしゃるとおり、多様性と寛容性を、まず先に示すのは政治家の務めではないでしょうか。
彼らが、本当に「政治屋」ではなく「政治家」と称するのであれば、身をもって示してほしいですね。
とても、いい記事をありがとうございました!
m(_ _)m
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この事件に深い闇を感じる。 (しんきち)
2023-07-19 23:42:22
個人的には安倍晋三を殺した「真犯人」は一体誰なのかと言う点に一番関心がある。

安倍晋三が亡くなる少し前に、露烏紛争~露軍の烏域内での特別軍事作戦に関し「NATOの東方拡大をプーチン大統領は問題視し、会談時に私にもそのことを訴えていた。確かに彼の懸念も分かる」と言った意味の発言をインタビューでしており、露の立場にも一定の理解を示していたのだが、彼にしては意外なほど真っ当な内容で、あるいはこの発言が某超大国の逆鱗に触れ暗殺されるに至ったのではとも感じている。

確かに状況証拠からは、「山上容疑者~被告」が安倍を銃撃し殺したとは考え難い不自然な点は多々ある。もし彼が殺していないなら(まあ結果的に「共犯」だったのは否定できないだろうが)殺人罪で起訴され、それに従って罰せられれば行為に対し刑が重くなりすぎ、不公正で彼が気の毒だが。

いずれにしろ、もし仮に真実が明らかになってしまえば、日本のみならず国際的な大問題になって大混乱し、あの超大国の属領の日本は逆鱗に触れただでは済まなくなるから、ケネディ大統領の時と同様結局真実は明らかにならず、山上氏に実際以上の重い罪と罰が負わされる結末になる予感がする。この国の、そしてあの超大国の深い闇を感じる。
(最悪「口封じ」で山上氏が暗殺される懸念もあるが。彼がどこまで今回の事件の全貌を知らされているかは分からないが、もし真実の核心部分を知っているとしたら)
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慰霊碑ではなくて留魂碑??? (宗純)
2023-07-20 13:50:44
高杉晋作など長州のカルト宗教の靖国神社を真似たと思われるが、いくら何でも留魂碑は絶対にダメでしょう。これでは成仏出来ない怨霊がこの世を彷徨い続けて「祟り神」として日本に災いをもたらします
今度は巨大な「安倍晋三神社」が必要になるでしょう

オズワルドは2日目に警察署内で殺され裁判は開かれなかったが、もしオズワルド暗殺が無ければ必ず無罪になっています。数々の証拠や証言からケネディはマスコミが大宣伝した後ろからでは無く前から撃たれて死んだことは明らか。それなら後ろ側の教科書ビルのオズワルド全くの冤罪だったことになるが、
ジョンソン大統領は関係者が死に絶える76年後の2036年まで機密として封鎖してしまう。

今回山上哲也が大きな音と煙りで驚かしたが、その後警視庁SPが取り押さえる騒ぎを起こし、聴衆の注目を集めた。ところが騒ぎに動ぜずに、一人だけ最後まで安倍晋三を見ていた人物がいるのですよ。新年の一文字が安倍晋三元首の晋だった奈良市長の仲川ゲン
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