アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

美ら沖縄をこわすな!ヒロジを返せ!大阪アクション

2015年02月23日 21時56分08秒 | 沖縄の犠牲の上に胡坐をかくな


 2月22日(日)は、沖縄・辺野古(へのこ)での県民集会に呼応して、東京・大阪などの全国主要都市でも新基地建設反対の集会とデモが取り組まれました。その大阪の取り組みに私も飛び入りで参加して来たので簡単に報告しておきます。
 大阪ではまず14時から中之島公園の水上ステージで集会が持たれました。主催したのは「辺野古に基地を絶対作らせない大阪行動」など11団体です。いずれもターミナル駅前でのビラ撒きや市民会館での学習会・講演会開催など地道に活動してきた団体です。私はこれらの団体の会員ではありませんが、今までも沖縄の基地問題を自分のブログで取り上げたりする中で、そのご縁で過去には当該団体のビラ撒きを手伝ったりした事もあったので、今回も飛び入りで参加する事にしたのです。



 ここで改めて沖縄の基地問題について簡単に振り返っておきます。未だに沖縄にはあの狭い島の中に全国の米軍基地の75%が集中しています。米軍が墜落事故や強盗・殺人・強姦事件を起こしても、治外法権の壁に阻まれ、住民は泣き寝入りをずっと強いられて来ました。
 ところが、1995年の米兵による少女強姦事件を機に、基地撤去の県民世論が高まる中で、とりわけ住宅地のど真ん中にある普天間(ふてんま)基地の撤去問題が浮上します。沖縄の米軍基地はいずれも「銃剣とブルドーザー」で住民を無理やり追い出して作られた物ばかりです。普通なら沖縄に無条件で返還するのが筋です。ところが政府は、それを基地移設問題にすり替え、普天間基地を同じ県内の辺野古に移設しようとしているのです。
 しかもただの移設ではありません。住宅地に囲まれ老朽化した基地の代わりに、海沿いに港付きの最新鋭基地を作ろうとしているのです。天然記念物のジュゴンが泳ぎ回り珊瑚が生い茂る宝の海を埋め立てて。これではただの「焼け太り」でしかありません。それで、県民の大多数が辺野古移設に反対し、もう10年以上も建設現場のゲート前にテントを設営して座り込みを続けてきたのです。昨年も、沖縄県知事選・県議選・衆院選のいずれの選挙においても、移設反対派が圧勝しています。
 焦った政府は、今まで以上に辺野古の基地建設を強行しようとしています。沖縄県知事との対話も拒否し、海上では海上保安庁が抗議のカヌー船にまで乗り込んで来て乗組員に暴行を加え、陸上では県警や機動隊が座り込みの人々を腕ずくで排除し続けています。そして、ついに立ち入り制限区域外の海にまで、ブイ固定用の巨大アンカーを投下し始めました。小型バスほどもある最大45トンものコンクリート塊を珊瑚の海に投げ入れているのです。それに抗議する22日の集会に結集しようと、沖縄では「美ら沖縄をこわすな」のスローガンの下、県内各地からバスを仕立てて参加する動きが広がります。「美ら」と書いて「ちゅら」と読みます。沖縄の言葉で「美しい」という意味です。
 ところが、本土のマスコミは安倍政権に遠慮して、この動きをなかなか報道しようとしません。精力的に取り上げる番組や新聞もまだある事はありますが、それでも昔と比べたら大分少なくなって来ています。それどころか、中には政府・自民党の「太鼓持ち」に成り下がり、政府の主張を(あたかも自社独自の視点であるかのように装いながら)そのまま垂れ流すだけの番組や新聞も少なくありません。どこのメディアとは言いませんが。そこで、本土でも各地で沖縄の動きに呼応して、今回の集会・デモを行う事になったのです。



 集会は14時きっかりに始まり、3名の方が挨拶されました。その中で沖縄平和運動センター議長の山城博治(やましろ・ひろじ)さんが不当逮捕されたニュースが入って来ました。辺野古ゲート前での小競り合いを止めようとして(注)、日本人警備員や米兵によって、新基地建設工事が行われているキャンプ・シュワブの米軍基地内に無理やり引きずり込まれ、それを口実に「刑事特別法違反(不法侵入)容疑」で逮捕されたのです。実際は、警備員や米兵によって無理やり引きずり込まれたのに。証拠の写真もちゃんとあります。正にでっち上げの不当逮捕です。
 集会では、「イスラム国」に殺された後藤さん・湯川さんを追悼するプラカードや、山城さん不当逮捕を糾弾するプラカードも目にしました。最後に米国の黒人公民権運動でも歌われたウィ・シャル・オーヴァーカム(We shall overcome)の歌で締めくくった後、いよいよデモ行進に出発です。

(注)これはあくまで集会参加時点での私の認識です。後ほど地元紙・沖縄タイムスの当該記事で確認したら、「小競り合い」もない中で、山城さんはゲート前に引かれた黄色の線の中に入らないよう、集会参加者に注意・誘導していたようです。集会が平和的に行われるよう尽力していた当人に、米軍の警備員が後ろから突如襲い掛かり、無理やり基地内に連行したのです。完全な「でっち上げ」事件です。その後、山城さんは名護署に移送された後に、嫌疑不十分で釈放されましたが、米軍も県警も未だに山城さんに謝罪すらしていません。(以上2月24日追記)



 デモは14時45分に中之島公園を出て御堂筋を北上し、米国総領事館の横をかすめた後、西に曲がり、出入橋の交差点から西梅田公園までの約1時間のコースを歩きました。公園を出て堂島川を渡ればすぐ米国領事館の前に出ます。そこでは皆が一斉に怒りを込めて「米軍出ていけ!(山城)ヒロジを返せ!集団的自衛権絶対反対!殺人鉄板今すぐ撤去!オスプレイ帰れ!戦争反対!」とシュプレヒコールを繰り返しました。
 「殺人鉄板」と言うのは、基地当局が座り込み排除の為に辺野古ゲート前に敷いた、山型のギザギザが付いた鉄板です。夏には表面温度は火傷するほど高温になります。この上で、機動隊は抗議の市民を取り押さえねじ伏せたのです。一歩間違えれば大事故を誘発しかねないこの鉄板は、正に凶器そのものです。(参考記事
 大阪のデモには主催者発表で約250名が参加。途中から参加する人もいたので、実際はもう少し多かったかも知れません。ところが、それを警備する警官も4~50名はいたのではないでしょうか。当日は雨模様の日曜日で、車の通行量もそんなに多くなく、平和的なデモであったにも関わらず、警官が「歩道に寄れ」とか「四列縦隊を保て」とか、やたらうるさかったように感じました。

 米国総領事館を離れると、デモのシュプレヒコールも先程の「怒り」バージョンから「ゆるゆる」バージョンに変わりました。「辺野古に新基地作るって、それホンマに言うてんの?珊瑚の海を埋め立てる、それホンマに言うてんの?高江の森にヘリパッド、それホンマに言うてんの?市民の声は聞きません、それホンマに言うてんの?」 という感じで、楽しく掛け合い漫才風にコールしました。
 この中に出てくる「高江」というのは、沖縄本島の「辺野古」より更に北にある集落です。山原(やんばる)という熱帯雨林に囲まれた豊かな自然がある一方で、米軍占領下ではベトナム戦争の対ゲリラ戦訓練の舞台にされ、村民も訓練に協力させられました。その高江集落を取り囲む形で、民家のすぐ横に米軍のヘリパッド(ヘリコプター駐機場)が作られようとしているのです。そこでも村民が反対運動に立ち上がり、座り込みが続けられています。(参考記事






 16時にはゴールの西梅田公園に到着。そこで当日の参加者数と、カンパも5万円余り集まった事が報告されました。そして最後にまた皆で「We shall overcome」を歌い、「最後まで闘うぞ!」のシュプレヒコールを叫んで終わりました。なお、当日の沖縄での集会の様子については、下記の新聞記事と動画を参考にして下さい。
 本土から遠く離れ、島内の移動手段は自動車やバス・タクシーしかない沖縄でも2800人も集まったのに、本土では大都会の大阪でも22日の集会には2~300人しか集まらなかったという所にも、本土の人間の沖縄県民に対する「冷淡さ」が感じられます。どちらも同じ日本国民、同じ人間なのに。ブラック企業の問題も、沖縄の基地問題や福島原発事故の問題も、その元凶は人権無視の自民党政治にあり、政治を変える為には皆が団結しなければならないのに。「大阪でも数千人、数万人規模の集会やデモが出来るようにならないといけない」と、22日の行動に参加して痛切に感じました。

・県民集会、政府に2800人抗議 辺野古作業中止を要求(琉球新報・2月23日付)

 米軍普天間飛行場の移設に向けた名護市辺野古への新基地建設に反対する「止めよう辺野古新基地建設! 国の横暴・工事強行に抗議する県民集会」が22日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で開かれ、県内外から2800人(主催者発表)が参加した。
県選出・出身野党国会議員や県議会与党5会派などが組織する実行委員会が主催した。沖縄防衛局が進める海底ボーリング調査に伴う環境破壊、海上保安庁や県警の過剰警備に抗議し、新基地建設阻止を訴えた。
 集会で登壇予定だったが同日朝、米軍当局に拘束された沖縄平和運動センターの山城博治議長ら2人の即時解放を求め、参加者らの「仲間を返せ」「不当拘束許さんぞ」とのシュプレヒコールで集会は幕開けした。
 共同代表の喜納昌春県議会議長や仲里利信衆院議員らがあいさつした。辺野古新基地建設断念を求める県議会決議を可決した喜納氏は「県議団は今後とも粘り強く、県民と共に辺野古撤回に向けて頑張る決意だ」とあいさつした。
 昨年末の衆院選で初当選した仲里氏は「銃剣とブルドーザーで歴史をつくられた沖縄が、自らの手で米軍基地を造ることが許されるのか」と問い、知事選や衆院選で団結したオール沖縄の力の新たな結集を求めた。
 稲嶺進名護市長は連帯あいさつで「ここには道路の右にも左にも鉄条網があって、今の沖縄の現実を象徴する光景だ。70年間もこのような生活を強いられてきたのに、100年以上使える飛行場を造るなどがってぃんならん(合点がいかない)」と訴え、建設反対への団結を求めた。
 現場からの闘いの報告では安次富浩ヘリ基地反対協議会共同代表が「米軍の不当逮捕がまかり通っている。米軍は勝手に沖縄を占拠し、畑や家屋から住民を追い出して基地を造った。新しい基地を提供する筋合いはない」と基地建設阻止の思いを新たにした。
 住民報告で名護高校2年の渡具知武龍(たけりゅう)君(17)は、ゲート周辺に反対住民が設置するテントの撤去を防衛局や沖縄総合事務局が求めたことに触れ、「撤去されるべきはテントではなく、米軍基地ではないか」と力強く訴えた。
 http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-239309-storytopic-271.html

「止めよう辺野古新基地建設! 国の横暴・工事強行に抗議する県民集会」
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