5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

梅雨の滝

2020-07-06 21:30:25 | 天候・気候

日本列島がずぶぬれである。梅雨前線が居座り、南海の高気圧から流れ込む暖気がそれに加わって強い雨域が列島上に展開し続ける。

雨の被害は九州が多く、鹿児島、宮崎から始まった豪雨は、熊本を襲い、今日は長崎、佐賀、福岡へと広がって、止むことを知らない。熊本の球磨川流域では特にひどい災害をもたらし、ここでも、高齢者の施設が濁流の下になった。

TVはどの局も九州各地の状況をレポートし続けた。増水してごうごうと流れる河川、泥水に覆われた住宅の屋根、球磨川では1時間に3メートルも上昇したという水勢の恐ろしさは避難民たちが直に撮ったスマホ映像になまなましい。

気温が一度上昇すると空気中の水蒸気量は7%増加する。列島上空の大気の水蒸気量はまちがいなく増加傾向にあるという気象庁。今日の中日夕刊〈夕歩道〉はこう説明している。過去数年の梅雨豪雨の素はやはり地球温暖化がひとつの原因だったか。

線状降水帯、バックウオーターなど、雨の時期になると聞かれる気象用語も、すっかり耳に馴染んでしまった。

NHK名古屋局のニュースは「東海 大雨や土砂災害に警戒を」として、明日7日にかけても局地的に雷を伴った非常に激しい雨が降るところがある見込みで、3日の降始めからの雨量が300ミリを超えて地盤が緩んでいる地域では、土砂災害や低地浸水、川の増水や氾濫に警戒するようと気象台が呼びかけているとレポートしている。

大岡信の「第三折々のうた」にこんな俳句を見つけた。

「奥能登や浦々かけて梅雨の滝」

前田普羅という俳人の句だが、はじめて聞く名前だ。明治十七年に生まれ昭和ニ九年に没している。新聞記者として富山県に長く住み、北国の山岳を詠んだ秀吟が多いとあるから、能登半島は絶好の吟行地だったのかもしれない。

奥能登の湾岸を巡る。行き着く浦々には、梅雨末期の強い雨が降り続いて、まるで大きな滝のようだ。といった意味になるのだろうか。まさに今頃の能登半島のようだなと思った。

 


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