5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

パリ同時テロ

2015-11-14 22:17:05 |  経済・政治・国際
「パリ同時テロ120人死亡」「まるで戦場」「世界が標的現実味」「穏やかな週末暗転」「劇場立てこもり犯人射殺」「空爆にIS報復か」といったセンセーショナルな見出しが踊る今日の中日夕刊。

朝のトイレに起きた時、NHKラジオが第一報を伝えた。南九州で起きた地震の津波警報と一緒だった。もう一寝入りのつもりだったが、そのまま寝床に起き上がって、タブレットからツイッターのタイムラインを読む。英語ツイートのほぼすべてが悲惨な事件のフラグメントを次々に伝えてくる。現地の状況が変化するのに合わせて公表される死者の数も増えていく。

パリのことはよく知らないが爆発は複数の場所でシンクロして起きたようだ。もちろん事故ではなく同時多発テロである。始めはパリ郊外サンドニにあるサッカー競技場近くの爆発が、サッカー競技中に響く轟音としてSNSに載った。次はラマルセイエーズを歌いながらサッカー場から非難する応援団を撮影したビデオだ。

フランスとドイツの親善サッカー試合にはオランド大統領も観戦に訪れており、この爆発音をスタンドで聴いたはずだ。それもあって、大統領の「前例にないテロが起きた」というステートメント発表が一番最初に報道されたようだ。

続いて現れたのはやはりアメリカのオバマ大統領で「全人類と普遍的価値に対する攻撃だ」と事件を非難している。ドイツのメルケル首相、英国のキャメロン首相も即フォローしたのは隣国の義理もあったのだろうか。シンガポールのリーシェンロン首相はAPEC会議に出発する直前、SNSを通じて素早く非難メッセージを発信している。IT得意の首相らしい。

パリ11区にあるバタクラン劇場がコンサート中にテロジャックされて人質多数というのが次のSNSだ。映像は劇場周辺を取り巻く警察官たちの動きや、劇場に突入する攻撃シーンまでがどんどん現れてくるが、あまりに生々しすぎて直視できない。突撃が終わり犯人は「ナチュラライズ」されたと出た。殺害されたということなのだろうか。「劇場内は血の海」というレポートが追いうち。

日本のマスコミが騒ぎだしたのは第一報を聞いた6時間後、お昼前のニュースからだ。それまでは素材集めに必死だったのだろうが、それまでは定例のスポンサー番組があいかわらずノーテンキに流され続けたのだから、日本のマスコミ体質にようなものがあるのかもしれない。「所詮は遠いところで起こった事件だろう」で片づけられては困るのである。

G20会談でトルコ訪問中の安倍首相は現地からテロ糾弾のステートメントを出すのだろうと思ったら、正午のニュースに官房長官が出てきた。外国の統領たちが何を置いてもまず「テロ非難」で彼らの立ち位置をアピールしたのとはやはりだいぶん違う。

ニュースは夜になった今も続いている。先ほどのツイートでは「パリへのテロ攻撃はISによる《戦争行為》である」というオランド大統領の発言を紹介している。

読み方によっては、NATO諸国に対する「連帯」をアピールしたものともとれる。北大西洋条約の5条は「集団防衛」だ。「締約国に対する武力攻撃を全締約国に対する攻撃とみなす。武力攻撃が行われたときは、国連憲章に認める個別的または集団的自衛権を行使して、北大西洋地域の安全を回復維持するために必要と認める行動をとることで、攻撃を受けた締約国を援助する」というもの。

なにか、安倍首相が小躍りしそうな流れみたいに思えてきた。


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