ギンナンの秋

テレビのニュースは、アルプスの紅葉が見ごろだと伝える。

台風の襲来がなかった今年は木々の葉に損傷がなく、昼夜の気温差が大きい為に発色がすばらしいのだという。確かに、ＴＶ映像でもナナカマドやダケカンバの紅色や黄色と常緑樹のグリーンが、明るい秋の空に映えて美しいコントラストを造っている。

熱田伝馬町の国道一号線を神宮前に向かって歩く今日の万歩途中、熱田神宮末社の神明社横でギンナンの実を踏み潰した。

境内には中ぶりのイチョウの樹。通行する歩行者も自転車も多くない所為か、たくさんの黄色い実が歩道に落ちたままになって、例の臭いをあたりに漂わせている。境内にはいって揺すってやれば、売れるほどのギンナンがゲット出来そうだ。

宮の渡しに近いこのあたり、境内の道標には「左江戸道」「右知多郡新道」と書かれてある。長寿のイチョウの樹は江戸時代には、すでに生きてこの地にあり、毎秋には今と同じように沢山のギンナンを落としていたのかもしれない。

今日の最高気温は２６度と未だに夏日だが、紅葉は平地でも始まり、紅色が混じり始めた柿の木には、青かった実がいつしか柿色に色づいてたわわに実っている。名古屋城では秋恒例の菊花展示も始まったようだ。

こうして、秋の色は忙しい街中にも下りてきている。