5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

オバマの好きな絵画

2009-10-23 23:30:33 |  文化・芸術
芸術の秋である。今日は《Time Mobile》の写真コラムから引用しておく。ホワイトハウスの新住人、オバマ大統領とミシェル夫人が室内装飾用に新しく選んだ絵画類、19世紀アメリカのクラシック絵画から現代アートまで9点が紹介されている。

これらの絵画は、スミソニアン・アメリカ美術館、ハーシュホーン美術館・彫刻庭園、国立アートギャラリーなど、ワシントンDCにある3つの美術館からの借上げなのだそうだ。大統領の依頼となれば、美術館側も断り切れなかろう。

絵画写真が載せられないので、略説を意訳して引用しておく。

1)「日没」ウインズロウ・ホーマー(1875)
  アメリカ水彩画の伝統を確立したといわれる、著名な画家のひとり。油彩だが表現はすでに水彩的である。

2)「バッファローを攻めるインディアン」ジョージ・カトリン(1861/69)
  1830年代にアメリカ西部を旅をし、先住民の暮らしぶりを数多くの絵にして残したが、これはそのうちの一つ。

3)「蒸気船外輪の模型」ヘンリー・ウイリアムズ(1877)
  ミルウオーキー在の発明家のウイリアムズが蒸気船用パドルホイール(外輪)のデザインパテントの申請用に作ったもの。絵画のほかにも、このようなオーナメントもあるわけだ。

4)「民衆家族」ウイリアム・ジョンソン(1944)
  ジョンソンはアフリカ系アメリカ人。様々の異なったスタイルで描いたが、この作品はフォークアートの平板的表現に影響されたもの。

5)「真昼」ジョゼフ・アルバーズ(1954/57)
  1933年に、ドイツから移住してきた画家・アルバーズの「四角へのオマージュ」シリーズのひとつ。オバマのチョイスにはこうした抽象画が多い。

6)「バークリーNo.52」リチャード・ディーベンコーン(1955)
  西海岸で活躍した抽象画家。太平洋岸の光と風景を描いたディーベンコーン得意の作品である。

7)「鋭角」アルマ・トーマス(1963)
  トーマスは、ワシントンDC在だったアフリカ系アメリカ人の画家。この絵は、アンリ・マティスのペーパー・コラージュにインスパイアされたとされる。大統領夫人の事務室に掛けられるのだそうだ。

8)「できると思う・・・」エド・ラスチャ(1983)
  ラスチャの作品の特徴は、しゃれた詞を描きこんでいること。この作品も「ためらいと決意」がテーマである。

9)「自分のような黒人はNo.2」グレン・リーゴン(1992)
  画家のリーゴンはこの作品に、皮膚を黒く塗って自らをアフリカ系アメリカ人だと呼んだジョン・H・グリフィンの回顧録から「人種とアイデンティティ」についての文章を引用している。

モダンアートやアフリカ系の画家が多いようなのは、大統領夫妻の好みが表現されているのだろうが、それぞれになんとなく「アメリカ的」な雰囲気を感じるのは面白い。

こうしてオバマ大統領の絵画嗜好が広報されると、それでは、ブッシュ前大統領の絵画への好みはどんなだったのだろうとなる。今頃は、アメリカ人の多くが、ホワイトハウスの絵画を肴にして盛り上がっているのかもしれない。

ところで、首相公邸の絵画は誰が決めているのだろうか。「鳩山首相の好きな絵画」なんていうリリースを平野官房長官が発表することは先ずないだろうねえ。







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