森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

都市と田舎の二地域居住

2006-08-08 16:53:19 | 田舎・田舎暮らし

思わぬコメント欄で話題になった二地域居住について考えてみよう。

 

現在、提案されているのは、ようするに別荘生活に毛の生えたもののようで、田舎暮らしとは根本的に違うのではないかと感じている。そのうえ山本さんのご指摘どおり、

「二地域に住める人は経済的に限定される」し、「下手をすると家庭崩壊につながる」ことが多い。だいたい別荘を持っている人でも、十分有効に両方の住居を利用している人は少ない。毎週通っていたのが月に1度、年に幾度、数年に1度と減っていくケースをよく聞く。

 

田舎暮らしを謳うなら、少なくても田舎側に住民票を移すのが最低条件だろう。週末田舎暮らしならぬ、週末都会暮らしにしなくてはならない。

 

何より、発想が都会人向けだ。都会の人には「両地域のいいとこどり」かもしれないが、田舎で迎える側にはメリットが少なすぎる。それでは歓迎されることはない。
以前、「森林都市」構想というのがあって、森林地域に新都市を建設するアイデアが出されたことがあるが、これは旧来の地元住民を視野に入れないものだった(無人の森林地域を対象にする)。ほか田園都市構想も同じだ。あくまで都会人のための田舎(の魅力)収奪にすぎなかった。
しかし、それさえも失敗する。基本的に、日本人は2つの居住地を持つのに慣れていないのではないか。両方を均等に扱うのは無理のように思える。そして都会に重点を置くかぎり、田舎には溶け込めない。

本気で二地域居住を考えるなら、精神的に田舎に重点を置いて、都会を仮の住まいとする覚悟を持つことだ。

 

ところで、実は山村住民の中には、都会にも家を持つケースが少なくない。マンションの一室を確保していたりする。もちろん、比較的裕福な家庭なのだろうが、田舎の代々引き継いだ家はただ同然だけに、都会に家を持つのは、定期収入があればさほど難しくないようだ。その点からの二地域居住はすでに進んでいる。