森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

北越製紙のバイオマス発電

2006-08-02 11:43:09 | 森林資源

今日より王子製紙が北越製紙の敵対的TOBを実施…こんな記事がマスコミの経済ニュースを賑わせているが、北越製紙に関しては別に注目される点がある。

 

バイオマス発電に熱心なのだ。

 

まず木材よりパルプを作り出す過程で出る黒液(リグニンなどベンゼン核を持つ成分)による発電を大規模に行っている。昨年に国内最大級の専用ボイラーを設け、新潟工場だけで原油換算26万キロリットルのエネルギーを生み出している。(工場内で使用)

加えて、今年9月には茨城の勝田工場にバイオマス発電所を完成させる予定。来年には新潟にも完成するそうだが、こちらでは建築廃材や間伐材を燃料とするという。どんな間伐材を燃やすのか、ちょっと疑問もあるが、ともあれ日本の木質バイオマスエネルギーの雄になるのは間違いない。

そのほか、バイオプラスチックに紙を混ぜて耐久力を増したペレットなども開発している。おかげで昨年は農林水産大臣賞を受賞した。

 

私は、日本でバイオマス発電が成功するのは、こうした大規模化した設備があり、燃料もシステマチックに手に入る施設だけだろうと思っているが、その一つが北越製紙だろう。この会社の強みは、バイオマス資源を有効利用する技術を持っていることもあるのではないか。

 

今後、北越製紙と王子製紙の関係がどうなるか現時点ではなんとも言いようがないが、こんな視点からTOB劇を見るのも悪くないかもよ。