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浜松開誠館はなぜ優勝できないのか?

2017年04月23日 22時14分09秒 | その他
近年静岡県内でメキメキと頭角を現し、松原や竹内(共にエスパルス)といったプロ選手を輩出し、県内の強豪校の仲間入りを果たした感のある浜松開誠館。
各大会で安定して優秀な結果を残しているものの、昨年は総体・選手権共に準優勝など、未だに静岡県の代表校として全国大会に出場したことが無い。

数年前、開誠館の練習試合を見に行ったときに、スタッフの方から声をかけていただいたことがあった。その時に「開誠館についてどう思うか?」という質問を受け、サッカー素人が偉そうに、開誠館に対する自分の思うところを話たことがあった。
基本的には、その時に話た内容が、開誠館がなかなかタイトルが穫れない原因だと考えているのだが、その事について少し詳しく触れてみる。

およそ5年前、自分は5年後の静岡県の高校サッカー界は静学と開誠館の2強になっていると考えていた。(実際は、静学と開誠館の他に藤枝東と桜が丘が伝統校の意地を見せ、藤枝明誠もかなり頑張って強豪校の一角を成している状態となっている)
その理由は、開誠館中学からの一貫教育がうまく機能しており県西部の人材をうまく集められていること、人工芝専用グラウンドの設備が整っておりしっかり部員による掃除がされて綺麗に保たれていること、私立の強みで部活の強化に予算を充てられることだった。
実際、開誠館は各大会で常に優秀な成績を残し、プロ選手も複数人輩出している。

では、なぜ開誠館は優勝することが出来ないのか?
あと一歩で優勝することが出来ないということは、勝負弱いという事。
勝負弱い原因は確固たる自分たちのスタイルを持っていないことが挙げられる。
決勝戦のような大一番では、かならず苦しい時間帯をチームでくぐり抜けなければいけない場面が出てくる。そういった時にピッチに立っている11人が別々のことを考えていたら苦しい時間帯に踏ん張ることは出来ない。チーム全員が何も言わなくても意識を共有することが出来なければ刻一刻と状況が変わるサッカーの試合で苦しい時間帯をくぐり抜けることは出来ない。その本当の苦しいときにチームのよりどころとなるモノがチームのスタイルという事になる。
これが無いチームは、苦しい時間帯にチーム内の意識を統一することが出来ず、最後の一踏ん張りが効かなくなる。
静学ならテクニック、清商はカウンター、藤枝東はパスサッカーといった具合に全国で実績を残してきたチームにはチーム名を聞けばすぐに連想できるチームのスタイルが存在する。
それに対して開誠館は、毎年戦い方が変わり「開誠館といえば・・・」というスタイルが定着してこなかった。
これが開誠館が勝負所で勝つことが出来ない最大の理由だと思う。

そんな開誠館だが、昨年からチームの戦い方を少し変えてきた印象がある。
これまではプロ選手を輩出する事を第一目的としたエリート教育的な感じがあったが、昨年から選手の個を目立たせるのではなくチームの組織力を上げて組織的なサッカーで勝利を目指す戦い方に変えてきたように思う。
具体的には、チーム全体をコンパクトに保ち、全員で連動して動いてハイプレスをかけて高い位置でボールを奪い、素早い攻守の切り替えで得点を狙うという戦い方。昨年の選手権の頃から本格的に取り組んでいるように思うが、この戦い方はチーム全員が連動して動かねばならず高い戦術理解と運動量、組織力、そして集中力が必要になる戦い方で、大抵前半で運動量と集中力が切れてしまい、後半まで持たずダメダメになってしまう事が多い。
開誠館も前半は良い内容だけれど、後半ダメダメになることが多かったが、先日のプリンスリーグ東海第2節の静学戦の後半は運動量は落ちたものの集中力が切れることが無く守備組織が崩れることはなかった。
少しずつだが開誠館の組織的なサッカーは完成度が高まっていると感じた。
開誠館がこのまま組織的なハイプレスのサッカーを開誠館のスタイルとして定着させていくのかどうかはわからないし、スタイルが完全に定着するまでには5年はかかると思う。
だが、これまでの個を伸ばすサッカーより今の全員で頑張る組織サッカーの方が結果を出しやすい事は間違いなく、開誠館の初全国がそろそろ現実味を帯びてきたと感じた先日の静学戦だった。

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