TVで高専ロボコン2019を視聴
香川高専(詫間キャンパス)が優勝を飾った。
自分は元々、高専ロボコンの大ファンで10年以上前は各地区予選を全て見てから全国大会の放送を見ていた。(各地区予選は深夜に録画放送していた)
高専ロボコンにハマった訳は、与えられたテーマを各高専が独自の解釈でロボットを作り高得点を目指す多様性に魅せられたから。
以前は「妨害行為」も作戦の内で、高得点を叩き出すのは当たり前で、その上で「どうやって相手チームの妨害をするか?その妨害をどうやってくぐり抜けるか?」という戦いが非常に見ごたえがあった。
ただ、近年はその妨害行為が出来ないレギュレーションのテーマがほとんどで、単純なスピード勝負や正確性を競う内容になってしまい、見る側にとっては面白みに欠けてしまった印象がある。
妨害行為があると、もめごとやクレームなどが増えるので主催者側がそれを嫌って最近の妨害行為の無いレギュレーションに落ち着いているのだと思うけれど、正直妨害行為が無いと見る側にとっては面白くない。
妨害行為があると面白くなる一番の理由は、作成するロボットにチームの個性が出るようになるから。
スピードや正確性だけを競うレギュレーションだと、どうしても各高専作成するロボットが似たようなものばかりになってしまう。妨害があることで各チームの個性が生まれる。
例えば妨害と言えば、中国地方の松江高専がお家芸で、毎年高度な妨害ロボットを作って相手を苦しめていたが、妨害が出来ない近年のルールになってからは存在感が無くなってしまった。
北九州高専は相手チームのロボットとぶつかってもビクともしない頑丈さが武器で、相手ロボットとの接触の多い全国大会の激しい連戦の戦いでもほとんど故障しないところが武器だったが、近年のルールではそもそもその接触する事自体が無いので北九州高専の特徴も消えてしまった。
そんな中で今回古豪復活となったのが香川高専。古いロボコンファンにとっては詫間電波高専といった方がなじみ深い。詫間電波高専の一番の特徴は「多様性」だったと思う。相手がどんな妨害をしてきても2の手3の手を用意して様々なシチュエーションに対応できる器用さが特徴の高専で、高専ロボコンの名門チームだったが、この詫間電波高専も妨害行為の無いシンプルなスピードと正確性の勝負となった近年の高専ロボコンではなかなか特徴を活かせない時期が続いていた。そんな中で今回は複数のロボットが正確に安定して得点を積み重ねる詫間電波高専の特徴を感じられる戦いでの優勝だったので自分のような古いロボコンファンにとってはうれしい結果だった。
また、高専ロボコンは優勝とは別にロボコン大賞というタイトルが設けられていて、これは最後に審査員が結果ではなく内容やアイディアで最も優れていた高専を表彰するというもの。高専ロボコンにとって最も重要なタイトルで優勝よりもこのタイトルを狙ってロボット作りを行う高専も多い。
結果だけでなく内容をしっかり審査するという取り組みは高専ロボコン最大の特徴であり、永く続いている一番の理由だと思う。
この結果よりアイディアを重視していた高専としていつも注目していたのが豊田高専。レギュレーションをしっかり読み込んで独自の解釈でロボットを作るという意味では、豊田高専がいつも特徴を出したロボット作りをしていたと思う。
個人的に最も印象に残っているのが2004年に豊田高専が作成したロボット。(2004年は「マーズラッシュ」)火星に見立てたフィールド上にあるポイントゾーンにラグビーボールをたくさん配置して高得点を目指すものだが、いち早く中央のスポットにラグビーボールを配置すればそれで勝利となるルールで、豊田高専は試合開始と同時にボタンを1つ押せばその数秒後には自動でラグビーボールが中央スポットに納まるというロボットでロボコン大賞を獲得した。他のチームがいかに大量得点を獲得するかを考える中で、試合中にやることは「ボタンを一つ押すだけ」というのが斬新過ぎた。また、この2004年の準決勝が豊田高専対詫間電波高専だったが、ボタン1つの豊田高専と多様性の詫間電波高専の戦いは自分がこれまで見てきた高専ロボコン史上最高の試合だったと今でも思っている。
最後に、高専ロボコンには試合を終えて控室に戻ってきた高専を、控室にいる他の高専が拍手で迎え入れるという風習がある。誰がいつから始めたことなのかは不明だが、相手をリスペクトするという様がTVを通してでも良く見てとれるとても良い風習だと思う。
香川高専(詫間キャンパス)が優勝を飾った。
自分は元々、高専ロボコンの大ファンで10年以上前は各地区予選を全て見てから全国大会の放送を見ていた。(各地区予選は深夜に録画放送していた)
高専ロボコンにハマった訳は、与えられたテーマを各高専が独自の解釈でロボットを作り高得点を目指す多様性に魅せられたから。
以前は「妨害行為」も作戦の内で、高得点を叩き出すのは当たり前で、その上で「どうやって相手チームの妨害をするか?その妨害をどうやってくぐり抜けるか?」という戦いが非常に見ごたえがあった。
ただ、近年はその妨害行為が出来ないレギュレーションのテーマがほとんどで、単純なスピード勝負や正確性を競う内容になってしまい、見る側にとっては面白みに欠けてしまった印象がある。
妨害行為があると、もめごとやクレームなどが増えるので主催者側がそれを嫌って最近の妨害行為の無いレギュレーションに落ち着いているのだと思うけれど、正直妨害行為が無いと見る側にとっては面白くない。
妨害行為があると面白くなる一番の理由は、作成するロボットにチームの個性が出るようになるから。
スピードや正確性だけを競うレギュレーションだと、どうしても各高専作成するロボットが似たようなものばかりになってしまう。妨害があることで各チームの個性が生まれる。
例えば妨害と言えば、中国地方の松江高専がお家芸で、毎年高度な妨害ロボットを作って相手を苦しめていたが、妨害が出来ない近年のルールになってからは存在感が無くなってしまった。
北九州高専は相手チームのロボットとぶつかってもビクともしない頑丈さが武器で、相手ロボットとの接触の多い全国大会の激しい連戦の戦いでもほとんど故障しないところが武器だったが、近年のルールではそもそもその接触する事自体が無いので北九州高専の特徴も消えてしまった。
そんな中で今回古豪復活となったのが香川高専。古いロボコンファンにとっては詫間電波高専といった方がなじみ深い。詫間電波高専の一番の特徴は「多様性」だったと思う。相手がどんな妨害をしてきても2の手3の手を用意して様々なシチュエーションに対応できる器用さが特徴の高専で、高専ロボコンの名門チームだったが、この詫間電波高専も妨害行為の無いシンプルなスピードと正確性の勝負となった近年の高専ロボコンではなかなか特徴を活かせない時期が続いていた。そんな中で今回は複数のロボットが正確に安定して得点を積み重ねる詫間電波高専の特徴を感じられる戦いでの優勝だったので自分のような古いロボコンファンにとってはうれしい結果だった。
また、高専ロボコンは優勝とは別にロボコン大賞というタイトルが設けられていて、これは最後に審査員が結果ではなく内容やアイディアで最も優れていた高専を表彰するというもの。高専ロボコンにとって最も重要なタイトルで優勝よりもこのタイトルを狙ってロボット作りを行う高専も多い。
結果だけでなく内容をしっかり審査するという取り組みは高専ロボコン最大の特徴であり、永く続いている一番の理由だと思う。
この結果よりアイディアを重視していた高専としていつも注目していたのが豊田高専。レギュレーションをしっかり読み込んで独自の解釈でロボットを作るという意味では、豊田高専がいつも特徴を出したロボット作りをしていたと思う。
個人的に最も印象に残っているのが2004年に豊田高専が作成したロボット。(2004年は「マーズラッシュ」)火星に見立てたフィールド上にあるポイントゾーンにラグビーボールをたくさん配置して高得点を目指すものだが、いち早く中央のスポットにラグビーボールを配置すればそれで勝利となるルールで、豊田高専は試合開始と同時にボタンを1つ押せばその数秒後には自動でラグビーボールが中央スポットに納まるというロボットでロボコン大賞を獲得した。他のチームがいかに大量得点を獲得するかを考える中で、試合中にやることは「ボタンを一つ押すだけ」というのが斬新過ぎた。また、この2004年の準決勝が豊田高専対詫間電波高専だったが、ボタン1つの豊田高専と多様性の詫間電波高専の戦いは自分がこれまで見てきた高専ロボコン史上最高の試合だったと今でも思っている。
最後に、高専ロボコンには試合を終えて控室に戻ってきた高専を、控室にいる他の高専が拍手で迎え入れるという風習がある。誰がいつから始めたことなのかは不明だが、相手をリスペクトするという様がTVを通してでも良く見てとれるとても良い風習だと思う。