＃1212 進化の遅いシーラカンス

今日の朝刊にシーラカンスのことが載っていました。
シーラカンスは生きた化石といわれていますが、ゲノムを解析すると、進化のスピードが非常に遅いのだそうです。
見た目は3億年前に生きていた魚類と同じようなんだけど、遺伝子もそんなに違わないんだそうです。

3億年前といえば、やっと魚類が陸に上がり、両生類が出現した頃です。
その両生類の先祖とも言われたシーラカンスですが、今回の解析で肺魚がより両生類に近いことも判明したとのことです。

進化のスピードは、種により大きな差があります。
シーラカンスのように億年単位で進化を続けるのもありますが、ヒトのように万年単位で急速に進化をするのもあるんです。
生物の歴史では万年なんて一瞬です。
そして、急速に進化した種は急速に滅亡しています。

ヒトはこの数十万年で大きな変化をしました。
脳の大きさが倍になったのですから、異常な進化です。
そして、この1万年で異常な進化がなお加速したのです。

進化の絶頂は、5千年前だという説があります。
5千年前から能力は少しずつ衰えてきているというのです。
知識の積み重ねが文明の進化を続けているのだけど、脳の機能的な能力は5千年前が最高だったのだそうです。

頂点を越えると、進化と同様、退化のスピードも猛烈に速いのです。
サーベルタイガーという猫科の動物がいました。
犬歯がサーベルのように長くなり、一時陸上動物界の頂点にいましたが、あっけなく滅亡しました。

ヒトの進化のスピードは異常に早いのですが、このような高速進化を成した種は進化の袋小路に嵌（はま）り、早晩絶滅しているのです。

細く長くがいいのか、太く短くがいいのか、個々人によって意見の分かれるところだと思います。
しかし残念ながら、太く長くなんて虫のいいことはありえないようです。