＃1873 年寄りと差別語

差別語とか放送禁止用語とか・・・言葉遣いには気を付けなければなりません。
その差別語とか放送禁止用語は、時代とともに変化します。
昔は当たり前に使っていた言葉が、いつの間にか差別語の扱いにされているのです。
そしてその差別語に替わる新しい言葉も、いつの間にか差別語になってしまいます。
ボクより10歳くらいの年上の人たちは平気で、差別語を使います。
メクラとかツンボとかビッコことか。
彼らは、それらが差別語だと思わないのです。
幼少の頃から晩年にいたるまで、普通に使っていた言葉です。

今、自民党国会議員の丸山氏の発言が波紋を呼んでいます。
今のアメリカ大統領のことを、黒人の奴隷の子孫だ、と発言したのです。
発言の前後を鑑（かんが）みるに、丸山氏にアメリカ大統領を侮辱するつもりはないのが分かるのですが、黒人の奴隷の子孫だ、と言うこと自体は大きな問題です。
彼は、黒人や奴隷を差別する気持ちは一切ない、と弁明しますが、そこのところはこの近辺の老人の意図しない差別発言、と同様なのでしょう。
丸山氏がいくら歳を取っているからといって、国会議員なのですからあの発言は許されません。
彼の素の部分が表れてしまいました。

余計なことだけど、彼は認識にも欠けています。
現アメリカ大統領は黒人奴隷の子孫ではありません。
ケニア人の父とアメリカ白人の母の下に生まれた人です。
彼の妻ミッチェルは生粋の黒人奴隷の子孫です。
アメリカ黒人の間には、オバマよりミッチェルのほうに親近感を覚える人が多いのはそのせいでしょうか。

立花隆が、先日のテレビのある番組の中で、メクラ・・・とかの発言をしたのです。
何の悪意も差別の感情もないのは明らかです。
同席するコメンテーターは「不適切な発言があった」と謝罪していましたが、立花隆は何が悪いのか分からない様子でした。

・・・
丸山氏と立花氏の発言を同一視してはいけません。
それほど丸山氏の発言は常軌を逸しているのです。

ただ一つ同一なのは、双方とも年寄りだ、ということです。
年寄りは余計なことを言ってはいけません。
渋茶でも味わいながら、昔のことを思い出しつつ、お迎えが来るのを静かに待つのが常道です。