マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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お水取り神事

2008年04月22日 08時13分45秒 | 奈良市へ
例年、寒さ厳しいなかでの修二会の行法が行われている。

なかでも12日未明に行われる「お水取り」神事の日はさらに厳しいのだが、今年はいやに気温があがり穏やかな日が続く。

「お水取り」と呼ぶ儀式は午前1時半ころ、密教作法を担う咒師(しゅし)や警護の平衆五人らが二月堂を出幸する。

下る石段片側に篝火が灯されると、雅楽が奏でられるなか、大きな寸胴型の咒師松明(ハス松明とも呼ばれる)を先頭に一行が降りてくる。

牛玉杖と法螺貝を手にした五人の練行衆が続く。

閼伽井(あかい)屋に入れるのは咒師と定められた堂童子や庄駈士(しょうのくし)と呼ばれる行の補佐役だけだ。

暗闇の家屋のなかで行われるお香水をくみ取る儀式はとても厳粛なもの。

かすかな音をたてながら汲まれたお香水は、閼伽桶を担ぎ二月堂内陣に納められる。

これを二荷ずつ三往復する。

二月堂縁起絵巻などによれば、神明帳で読み上げられた神々のうち、若狭の遠敷(おにゅう)明神だけが魚を獲っていて遅参。

「お水取り」は、お詫びに甘泉を湧きださせ、十一面観音さまに奉ったという故事に由来する儀式です。

(H20. 3.12 Kiss Digtal N撮影)