マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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箸中の二月初午祭

2014年07月23日 07時19分11秒 | 民俗あれこれ(ハタアメ編)
先月半ばに訪れた桜井市の箸中。

小正月のビワの葉乗せの小豆粥御供やカヤススキ立ての調査であったが、見つからなかった。

途方に暮れて立ち寄った国津神社に二人の男性がおられた。

なにやらせわしく社務所に運んでいた。

その日は老人会の集まりがあると話していた。

そのときに教えてくださった初午の行事。

「二月初めの初午にするんや」と云っていた。

話しにでてきたお供えのねじりん棒の飴が気になった。

行事を終えた時間帯にやってくる「子供たちにあげるんや」と云っていた。

その様相を確かめたくてやってきた国津神社境内にはたくさんの幟を立てていた。

昭和11年、28年、32年、それぞれの年代に寄進された幟は赤色や黄色、白地だ。

「正一位姫國大明神」、「正一位政國大明神」、「正一位玉由大明神」、「正一位稲荷大明神」などの染め文字がある。

二月初午の行事は本社の国津神社でなく、境内に鎮座する稲荷大明神である。

お供えはハタアメ(旗飴)と呼ぶ楕円形の色柄飴だった、青色、黄色、赤色、緑色の旗を飾った飴の他、赤一本線の飴もある。

それがねじりん棒と呼んでいた旗飴であった。

丸い頭があるハタアメにはいろんな種類がある。

青色、黄色、赤色、緑色の他、赤の一本線もある。

ぐねっと曲がっているねじりん棒である。

社にはウスアゲ、シシャモメザシにモチ、モナカ、キュウリ・サツマイモ、ミカンなどを供える。



お稲荷さんに向かって一同は大祓えの詞を奏上した。

次は鏡池にある弁天さんこと市杵島姫社。



次は地蔵さん。



次は金毘羅大権現に移ってお参りをされる。



再びお稲荷さんに戻って、最後に「九日さん」と呼ばれる社に参拝される巡拝の在り方であった。



箸中の祭礼は正月に行われる国津神社の二日正言講や桧原神社で行われる正言祭があるが、それらは正言講(左座・右座)と敬神講の二つの講で営まれる宮座講の行事である。

元旦祭、祈年祭、風鎮祭、秋祭り(両講)、新嘗祭、桧原祭は村行事であるゆえ、祭祀は2年任期の議員こと氏子総代らが役目にあたる。

議員は上・中・下垣内の157戸から選ばれた代表の11人。

この日の二月初午祭は氏子総代らが営んでいる。

村人が寄せた紅提灯も掲げた二月初午の日。

かつては御供に赤飯もあったが、モチに換わった。

五穀豊穣を祈願する巡拝は十数分で終えて社務所で会食をする。

それからの数時間後。

やってくる子供たちを待つと話していた。

調べてみれば三輪の大神神社の末社の成願稲荷神社でも三月初午があるらしく、やはりハタアメがもらえるらしい。

葛城市山田にある三神社の二月初午や大和高田市の岡崎稲荷神社にもあるそうだ。

丸い頭があるハタアメにはいろんな種類がある。

(H26. 2. 4 EOS40D撮影)


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