マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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ちゃんちゃん祭還幸の儀

2013年07月24日 06時52分33秒 | 天理市へ
再び立ちあがった神輿担ぎの若者たち。

神幸渡御と同様に6人で担ぐ増御子社の神輿が先だ。



次が12人で担ぐ本社の神輿。

神輿の重さが肩に食い込む。

担ぎ手の表情が重量の差を表しているようだ。

かつては大字の青年であったが現在はアルバイトを雇っている。

中山のお旅所から戻ってきたお渡り行列は鳥居を潜って大和神社に戻ってきた。

17時ころに出発した一行が着いたのは17時45分。

休み場の休息はなかったこともあり還幸時間は神幸渡御よりは短い。

戻ってきたときには隊列も崩れている。



お旅所祭典で拝見した平鉦。

先駆を勤めていた年預が手にしていたことを確認する。



本社の神輿を拝殿に置かれて神遷しが斉行される間、白馬と黒馬の2頭の神馬(しんめ)は反時計回りに三回周回する。

これは還幸祭の儀式の一つにあたる。



白馬は長雨の際に願う止雨、黒馬は雨乞いの祈雨を現わしていると考えられる。

乗馬クラブのインストラクターに引かれた馬はその作法で納める。

還幸の儀の際には頭人児および頭人代が呼び出されて昇殿してお祓いを受ける。



その後、産子幣を持つ大字の座中は拝殿前に並び、宮総代に産子幣を手渡す。

大字兵庫は受け頭屋であることから他の大字もそうであるかも知れない。

並べられた産子幣に御供があるものも見られる。

兵庫の五合御供の産子幣である。



括りつけていた麻緒と幣は外されて手渡される。

岸田と兵庫は藁紐で括られた牛の舌餅と呼ばれる餅を賜る。

岸田は30枚の牛の舌餅と鏡餅。



兵庫は頭屋が賜った30枚の牛の舌餅を縁のある両家に分配された。

祭典はこれで終わるわけではない。

兵庫と新泉が最後に奉納される所作が待っている。

そのころは既に日がとっぷりと暮れている時間帯の18時半頃。



この日3回目となる兵庫の龍の口舞いが行われた。

水神が舞う祈雨だとされている。



そして始まった新泉の翁の舞。

お旅所で所作された笠を被るような格好で鋤の所作と樫の葉を放り投げる作法だ。



雨とされる葉が舞い落ちるのは雨乞いの所作とされる。

翁の舞いはかつて面があったと話す新泉の前々年頭屋のM氏。

相当昔は古い翁の面を被って所作していたと云う。

翁面はどこへいったのか。

前宮総代に問いかける結果は「確かにあった。大和神社に修復の要請をしていたが、どこに保管されたか判らない」である。

(H25. 4. 1 EOS40D撮影)