マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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北野天神社御田祭

2009年04月28日 09時55分32秒 | 山添村へ
今日は山添村北野の天神社の祈年祭。

御田祭とも呼んでいる豊作を祈願する祭礼。

午前中は相当量の雨が降った。

前日に境内を清掃していて間に合ったわと村神主さん。

農耕には慈雨がつきもの。

雨たもれと御田祭を営むところもある。

それが先に降ったのだからありがたく、しかも祭礼前にはぴたりと止んだ。

参籠所では月替わり当番の五人の年預(ねんにょ)さんがお供えの「ミトマツリ」作りに忙しい。

「天神社・美統(みすまる)神社御霊」札をスタンプ、そこに梅鉢紋と社印を朱スタンプする。

半折りに細くしてサカキに括り付ける。

そこにはひと摘みしたモミ種を半紙に包んで麻のヒモで括る。

できあがった「ミトマツリ(の穂)」は70本。

およそ一時間半かかった。

初めて作業する年預さん。

何をするんかいなと思っていたがようやく理解できたと仰る。

毎月替わる月当番なのでこの日に遭遇する年預さんはしごく希だ。

祈年祭の神事は丹生神社から神職を迎えて始まる。

祓戸大神に向かって祓えの儀など祭典は11月の新嘗祭と同じだが今日は御田祭だけに恵みの雨に感謝して五穀豊穣を祈る。

北野には早々と梅が三分咲き。

いつもなら雪が降るし、梅は咲いていないし。

やはり今年は暖冬でしょうか。

穏やかに神事が営まれていきます。

祭典を終えると御酒(みき)トーヤや氏子長老が待つ参籠所で直会。

その前には区長や村神主の祭典御礼が奉告される。

神主や神職は社務所でと別れて直会をする。

肴はお下がりのジャコやお菓子に果物など。

離れた座敷では寒いからと机を寄せて一緒になった。

年預さんは接待に忙しい。

直会が終わったあとも「ミトマツリ(の穂)」を配らなければならない。

自分たちの地区へ戻って杉原、津越、腰越、牛が峰、奥の五垣内の各戸へそれぞれ配るのだ。

それをツバキの咲くころに田んぼの水口に立てて水口祭(みとまつり、苗代祭りともいう)を営む。

各家でツバキを植えていたので飾りの花はツバキばっかりだと一人の年預さんが仰った。

そういえばうちのじいさん、風がないときにモミ種を撒いていたという。

タバコをくゆらせ煙の動きを見てたのはそうだったんだと思い出された。

ただ、最近は苗もJAで買うようになったので田んぼに挿すだけのところが多くなったという。

(H21. 2.25 Kiss Digtal N撮影)