マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、室津戸隠神社ウタヨミ

2006年12月02日 07時57分53秒 | 山添村へ
御供モッソ。

蒸しもち米を三角錐の形にした「モッソ」は縄で括り先を上に向けて立て兜型に模っています。

三つのモッソは左から順に藁で括った七、五、三の段数に決められています。

カマスとサトイモとともに供えて箸を添えます。

このモッソは末社神殿にも供えられます。

(H18.10.15 Kiss Digtal N撮影)


室津戸隠神社ウタヨミ

2006年12月02日 07時51分34秒 | 山添村へ
奈良県の東北部に位置する山添村東山地区辺りの各地では、秋祭りに際して神事芸能の田楽が奉納されます。

侍烏帽子(つば黒烏帽子)を被り素襖姿を纏った渡り衆は田楽奉納集団とされ、トーヤ宅で御幣や竹の笛を手作りして、田楽の所作を演じます。

室津では家の並びで順に回るトーヤ一人と戸主5人が勤める渡り衆が笛、太鼓、編木、カネを操って戸隠神社に渡ります。

今年の渡り衆は中年で、来年は若衆、その翌年は年寄りと年齢順に担います。

舞台ではお神酒や「モッソ」と呼ばれる兜型に模った蒸しもち米をお供えします。

渡り衆は急な階段を登りそのなかの3人が本殿前庭で扇を掲げて「ウタヨミ」を行います。

「ウタヨミ」は参番まであり朗々と謡われます。

「ウタヨミ」の中には「ようごうの松」が語り文句が謡われます。

この語りは春日若宮おん祭の芸能各座が松の下式で所定の演技を披露する「影向(ようごう)の松」のこと。

「影向の松」は能舞台の背景に描かれている松のルーツであり、ウタヨミ神事芸能が今でも当地区で継承されています。

奉納芸能を終えた一行は社務所に招かれ、お神酒や「モッソ」の蒸しモチを分けて渡り衆一人ずつに配膳します。

このモッソは集まった氏子らにも配られ持ち帰ります。

(H18.10.15 Kiss Digtal N撮影)