マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、桐山戸隠神社ウタヨミ

2005年10月27日 18時14分50秒 | 山添村へ
<オドリコミ>
あきのくにいつくしまべざい天王 いざやたからをおがむよう


<ウタヨミ>
壱番
やっとん とんとん  おうまへなる おうまへなる おうまへなる  つるはつる かめはかめ  つるこそふれてまいあそび  つるのこ よしゃまごはそらとうまでも  ところはさかえたもうべき  きみが代はかねてこそ久かるべき  住吉の松やにゅどう

弐番
せいようのはるのあしたのは  かどに小松を立て並べ  おさむる宮のしるしには  民のかまどに立煙(たつけむり)  まつからまつのようごう  ようごうの松  君が代はかねてこそ久しかるべき  住吉の松やにゅどう

参番
あかつきおきて空見れば  こがね交じりの雨ふりて  そのあめやみて空はれて  皆人ちょじゃになりにけり  君が代ははかねてこそ久しかるべき  住吉の松やにゅどう

桐山戸隠神社ウタヨミ

2005年10月27日 18時12分39秒 | 山添村へ
奈良県東北部の山添村東山地区での秋祭りには各地区において神事芸能が奉納されます。

桐山地区では当家宅でオドリコミを行ったあと、侍烏帽子(つば黒烏帽子)に素襖姿の当家1名と渡り衆4人が太鼓、笛、ガシャガシャ(ササラ編木)を持って、山の神や弁財天社を遥拝しながら戸隠神社に渡って来られます。

本殿前庭で当家と年少者合わせて3人が、扇を掲げて詞章(ししょう)を唱え「ウタヨミ」を謡い奉納されます。

神事芸能を終えると、社務所では神さんとなる渡り衆へお神酒や兜型に模った蒸しもち米をうるし木で掴み、一人ずつ配膳されます。

「モッソ」と呼ばれる蒸しもち米は集まった氏子らにも分けられ持ち帰ります。

なお、オドリコミは都祁上深川での題目立のミチビキ歌と酷似しており、また、ウタヨミは参番まであり、朗々と謡われます。

ウタヨミの中には「ようごうの松」が語りが文句がでてきます。

この文句は春日若宮おん祭の芸能各座が松の下式で所定の演技を披露する「影向(ようごう)の松」のこと。

「影向の松」は能舞台の背景に描かれている松のルーツであり、ウタヨミ神事芸能が今でも当地区で継承されていると考えられます。

(H17.10.16 Kiss Digtal N撮影)