ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

家康、江戸を建てる

2018-06-25 18:25:25 | 読書
最近読んだ本の中で抜群に面白いと思った本が「家康、江戸を建てる」門井慶喜著である。
小田原攻めの勝利の際に、秀吉より「徳川殿には関八州を進呈しよう」と言われた家康である。
当時の徳川家は「駿河・遠州・三河」の豊かな地を治めていた。
家康は多くの重臣たちが反対するが、その要請を受け未開の江戸に開府すること決心する。
当時は全くの未開の湿地帯だった江戸の地を如何に開拓して、江戸の街造りをしたかが描かれる。

1・「流れを変える」では、大雨の度に洪水を繰り返す江戸の街の治水をはかる取り組みだ。
   後背地の上州の大河の流れを、江戸の地を迂回させる遠大な工事である。
   現在の首都圏を流れる利根川や荒川、さらに隅田川や江戸川の原型を創る。
2・「金貨を延べる」では、貨幣制度の採用で、流通を活発にする事だ。大判から小判小銭造り。
   いわゆる金座、銀座の江戸での育成と、貨幣の全国への流通を図る仕組み造りだ。
3・「「飲み水を引く」では、湿地他の土地ながら、海水の混じる井戸では良水が得られない。
   そこではるか良水を得られる井戸から、暗渠を経た上水道を引く事で飲み水の確保をする。
4・「石垣を積む」では、幕府に忠誠を誓う大小名の力を削ぐため、遠大な江戸城壁の建築を命ずる。
   良質な石の産地である、伊豆半島での石切り師たちの奮闘と、大名たちの奮闘がある。
5・「天守を起こす」では、江戸城に、壮大な天守閣を造るかどうかの、家康と秀忠の論争がある。
   結局は天守閣不要論を抑えて、家康は白塗りの天守閣を造る事を命ずる。
   この白塗りの天守閣こそ、事後260年余に亘る徳川幕府を世に知らせるべきシンボルだった。

これらの江戸の街造りは、実に遠大な計画の基、代々子孫に引き継がれながら進められた。
未墾の土地を如何に江戸の街に変え、そして我国の首都である東京に引き継がれたか。
なかなかと興味が尽きない本である。


                    

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