ピーナッツの唄

毎日の出来事や、スポーツ観戦、読書や映画等の感想を中心に、好奇心旺盛に書いています。

復旧急げ、業界が集結

2007-07-21 10:57:49 | ニュース 
思わぬところで地震被害の余波が出ている。
自動車大手12社が生産工程の中で部品の供給がSTOP。生産ラインが全て止まる事態が発生した。
原因は今回の地震で自動車部品メーカー「リケン」の工場設備が被災した為だ。
部品のひとつはエンジン内の摩擦を減らし、オイル消費量を減らす効果のある「ピストンリング」。
メーカー側は車種ごとに「リケン」と共同で作り込み、精度の高いリング開発をしているだけに、他社製での代替が難しいらしい。この部品で国内シェアは50%、世界では20%のシェアを占める生産をしていた。
それに国内シェアの70%を占める変速機の部品である「シールリング」の生産をも担当している。

工場設備は「地震直後の工場を見たときは、これは立ち直れない思った」と語るリケンの社員がいた程の被害だった。
事態を重く見た自動車メーカーでは、トヨタ自グループが330人、日産自が100人、三菱自が40人、ホンダが30人の社員を応援に送込み、大型機械を中心に機械を元に戻す作業の手助けをした。
被災した工場には、所せましと工作機械類が置かれているが、自動車メーカーのヘルメットを被った男たちで溢れた。
地震の横揺れで大型の製造機械は数メートルずれていた。元の位置に戻すには多くの人手が必要だった。
揺れで床に落ちた製品はすべて廃棄処分としなければならない。業界が終結して支援に全力を尽した。
多くの応援部隊の活躍で、19日現在で設備の設置は80%かた終えた。一部は再開にむけて試運転も始められた。
何とか「来週にはフル生産に近い状態に戻さなければ」と責任者は話している。

元々この「リケン」と言ふ企業は1926年(大正15年)に「ピストンリング」製造方法で世界各国の特許をとる等の高い技術力を持っていた。
大手の系列に加わらない独立系の企業の為に、国内外の自動車メーカーは争うように部品供給を受けざるを得なかった。
しかし工場や子会社が柏崎市内に集中していたことで、被災による生産停止の影響が大きく出てしまった。
そしてもうひとつ見逃せないのは「かんばん方式」と言はれる「トヨタ」方式の部品供給方式を、大手の会社がほとんど採用してきた事だった。
必要な量だけを、必要な時期に供給させて余分な在庫は持たない。その結果は、今回の様に供給が止まると生産ラインまで停止してしまう事になる。

各メーカーは阪神・淡路大震災でも部品供給が途絶えた苦い経験がありながら、今回の震災でも調達先の集中が問題である事が鮮明になった。今後とも調達先の多様化などの、有効な対応を模索していく必要がある様だ。


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