万葉短歌-悠山人編

万葉短歌…万葉集全4516歌(長短)のうち、短歌をすべてJPG&TXTで紹介する。→日本初!

万葉短歌0943 玉藻刈る0855

2013年04月15日 | 万葉短歌

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万葉短歌0943 玉藻刈る0855

玉藻刈る 唐荷の島に 島回する
鵜にしもあれや 家思はずあらむ  山部赤人

0855     万葉短歌0943 ShuC332 2013-0415-man0943

たまもかる からにのしまに しまみする
  うにしもあれや いへおもはずあらむ
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「唐荷の島を過ぐる時に、山部宿祢赤人が作る歌一首 并せて短歌」。長歌(第942歌)への「反歌三首」の第一首。
【訓注】玉藻刈る(たまもかる=玉藻刈)。唐荷の島(からにのしま=辛荷乃島)。島回(しまみ=島回)。鵜(う=水烏)。家(いへ=家)。


万葉短歌0941 明石潟0854

2013年04月14日 | 万葉短歌

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万葉短歌0941 明石潟0854

明石潟 潮干の道を 明日よりは
下笑ましけむ 家近づけば  山部赤人

0854     万葉短歌0941 ShuC327 2013-0414-man0941

あかしがた しほひのみちを あすよりは
  したゑましけむ いへちかづけば
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】長歌(第938歌)への「反歌三首」の第三首。
【訓注】明石潟(あかしがた=明方)。潮干(しほひ=潮干)。道(みち=道)。明日(あす=明日)。家(いへ=家)。


万葉短歌0940 印南野の0853

2013年04月13日 | 万葉短歌

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万葉短歌0940 印南野の0853

印南野の 浅茅押しなべ さ寝る夜の
日長くしあれば 家し偲はゆ  山部赤人

0853     万葉短歌0940 ShuC327 2013-0413-man0940

いなみのの あさぢおしなべ さぬるよの
  けながくしあれば いへししのはゆ
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】長歌(第938歌)への「反歌三首」の第二首。
【訓注】印南野(いなみの=不欲見野)。浅茅(あさぢ=浅茅)。さ寝る夜(さぬるよ=左宿夜)。日長くし(けながくし=気長)。家し偲はゆ(いへししのはゆ=家之篠生)。


万葉短歌0939 沖つ波0852

2013年04月12日 | 万葉短歌

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万葉短歌0939 沖つ波0852

沖つ波 辺波静けみ 漁りすと
藤江の浦に 舟ぞ騒ける  山部赤人

0852     万葉短歌0939 ShuC327 2013-0412-man0939

おきつなみ へなみしづけみ いざりすと
  ふぢえのうらに ふねぞさわける
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】題詞原文は、「山部宿祢赤人作歌一首 并短歌」。長歌(第938歌)への「反歌三首」の第一首。
【訓注】沖つ波(おきつなみ=奥浪)。静けみ(しづけみ=安美)。漁火(いざり=射去)。舟(ふね=船)。


万葉短歌0937 行き回り0851

2013年04月11日 | 万葉短歌

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万葉短歌0937 行き回り0851

行き回り 見とも飽かめや 名寸隅の
舟瀬の浜に しきる白波  笠金村

0851     万葉短歌0937 ShuC323 2013-0411-man0937

ゆきめぐり みともあかめや なきすみの
  ふなせのはまに しきるしらなみ
笠金村(かさの かなむら)=題詞原文には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】長歌(第935歌)への「反歌二首」の第二首。
【訓注】舟瀬の浜(ふなせのはま=船瀬之浜)。しきる白波(しきるしらなみ=四寸流思良名美)。


万葉短歌0936 玉藻刈る0850

2013年04月10日 | 万葉短歌

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万葉短歌0936 玉藻刈る0850

玉藻刈る 海人娘子ども 見に行かむ
舟楫もがも 波高くとも  笠金村

0850     万葉短歌0936 ShuC323 2013-0410-man0936

たまもかる あまをとめども みにゆかむ
  ふなかぢもがも なみたかくとも
笠金村(かさの かなむら)=題詞原文には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】題詞原文は、「三年丙寅(ひのえとら)の秋の九月十五日に、播磨(はりま)の国の印南野(いなみの)に幸(いでま)す時に、笠朝臣金村が作る歌一首 并せて短歌」。長歌(第935歌)への「反歌二首」の第一首。
【訓注】玉藻(たまも=玉藻)。海人娘子(あまをとめ=海未通女)。舟楫(ふなかぢ=船梶)。波高くとも(なみたかくとも=浪高友)。


万葉短歌0934 朝なぎに0849

2013年04月09日 | 万葉短歌

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万葉短歌0934 朝なぎに0849

朝なぎに 楫の音聞こゆ 御食つ国
野島の海人の 舟にしあるらし  山部赤人

0849     万葉短歌0934 ShuC319 2013-0409-man0934

あさなぎに かぢのおときこゆ みけつくに
  のしまのあまの ふねにしあるらし
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】題詞原文は「題詞原文には「山部宿祢赤人作歌一首 并短歌」。第933歌(長歌)への「反歌一首」。
【訓注】朝なぎに(あさなぎに=朝名寸二)。楫の音(かぢのおと=梶音)。御食つ(みけつ=三食津)。野島の海人(のしまのあま=野島海子)。舟にし(ふねにし=船二四)。


万葉短歌0932 白波の0848

2013年04月08日 | 万葉短歌

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万葉短歌0932 白波の0848

白波の 千重に来寄する 住吉の
岸の埴生に にほひて行かな  車持千年

0848     万葉短歌0932 ShuC316 2013-0408-man0932

しらなみの ちへにきよする すみのえの
  きしのはにふに にほひてゆかな
車持千年(くるまもちの ちとせ)=題詞原文には「車持朝臣千年」。第914歌参照。
【編者注】題詞原文は「車持朝臣千年作歌一首 并短歌」。第931歌(長歌)への「反歌一首」。
【訓注】白波(しらなみ=白浪)。住吉(すみのえ=住吉)。岸の埴生に(岸乃黄土粉)。にほひて行かな(にほひてゆかな=二宝比天由香名)。


万葉短歌0930 海人娘子0847

2013年04月07日 | 万葉短歌

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万葉短歌0930 海人娘子0847

海人娘子 棚なし小舟 漕ぎ出らし
旅の宿りに 楫の音聞こゆ  笠金村

0847     万葉短歌0930 ShuC312 2013-0407-man0930

あまをとめ たななしをぶね こぎづらし
  たびのやどりに かぢのおときこゆ
笠金村(かさの かなむら)=題詞原文には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】第928歌(長歌)への「反歌二首」の第二首。
【訓注】海人娘子(あまをとめ=海未通女)。小舟(をぶね=小舟)。漕ぎ出(こぎづ=榜出)。旅の宿り(たびのやどり=客乃屋取)。楫の音(かぢのおと=梶音)。


万葉短歌0929 荒野らに0846

2013年04月06日 | 万葉短歌

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万葉短歌0929 荒野らに0846

荒野らに 里はあれども 大君の
敷きます時は 都となりぬ  笠金村

0846     万葉短歌0929 ShuC312 2013-0406-man0929

あらのらに さとはあれども おほきみの
  しきますときは みやことなりぬ
笠金村(かさの かなむら)=題詞原文には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「冬の十月に、難波の宮に幸(いでま)す時に、笠朝臣金村が作る歌一首 并せて短歌」。第928歌(長歌)への「反歌二首」の第一首。
【訓注】荒野(あらの=荒野)。里(さと=里)。大君(おほきみ=大王)。敷きます時(しきますとき=敷座時)。都となりぬ(みやことなりぬ=京師跡成宿)。


万葉短歌0927 あしひきの0845

2013年04月05日 | 万葉短歌

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万葉短歌0927 あしひきの0845

あしひきの 山にも野にも 御狩人
さつ矢手挟み 騒きてあり見ゆ  

0845     万葉短歌0927 ShuC308 2013-0405-man0927
 
あしひきの やまにものにも みかりひと
  さつやてはさみ さわきてありみゆ
=原文に作者名なし。
【編者注】原文に題詞なし。第926歌(長歌)への「反歌一首」。
【訓注】あしひきの(足引之)。山にも野にも(やまにものにも=山毛野毛)。


万葉短歌0925 ぬばたまの0844

2013年04月04日 | 万葉短歌

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万葉短歌0925 ぬばたまの0844

ぬばたまの 夜の更けゆけば 久木生ふる
清き川原に 千鳥しば鳴く  山部赤人

0844     万葉短歌0925 ShuC298 2013-0404-man0925
 
ぬばたまの よのふけゆけば ひさぎおふる
  きよきかはらに ちどりしばなく
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】「山部宿祢赤人作歌二首 并短歌」の長歌(第923歌)への「反歌二首」の第二首。
【訓注】下記【原文】参照。
【原文】烏玉之 夜乃深去者 久木生留 清河原尓 千鳥数鳴


万葉短歌0924 み吉野の0843

2013年04月03日 | 万葉短歌

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万葉短歌0924 み吉野の0843

み吉野の 象山の際の 木末には
ここだも騒く 鳥の声かも  山部赤人

0843     万葉短歌0924 ShuC298 2013-0403-man0924
 
みよしのの きさやまのまの こぬれには
  ここだもさわく とりのこゑかも
山部赤人(やまべの あかひと)=題詞原文には「山部宿祢赤人」。第318歌参照。
【編者注】題詞原文は「山部宿祢赤人作歌二首 并短歌」。その長歌(第923歌)への「反歌二首」の第一首。
【訓注】み吉野の(みよしの=三吉野乃)。象山の際(きさやまのま=象山際)。木末(こぬれ=木末)。騒く(さわく=散和口)。鳥の声(とりのこゑ=鳥之声)。


万葉短歌0922 皆人の0842

2013年04月02日 | 万葉短歌

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万葉短歌0922 皆人の0842

皆人の 命も我がも み吉野の
滝の常磐の 常ならぬかも  笠金村

0842     万葉短歌0922 ShuC292 2013-0402-man0922
 
みなひとの いのちもわがも みよしのの
  たきのときはの つねならぬかも
笠金村(かさの かなむら)=題詞原文には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】長歌(第920歌)への「反歌二首」の第二首。
【訓注】皆人の(みなひとの=皆人乃)。命も我がも(いのちもわがも=寿毛吾母)。み吉野の(みよしのの=三芳野乃)。滝の常磐の(たきのときはの=多吉能床磐乃)。


万葉短歌0921 万代に0841

2013年04月01日 | 万葉短歌

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万葉短歌0921 万代に0841

万代に 見とも飽かめや み吉野の
たぎつ河内の 大宮ところ  笠金村

0841     万葉短歌0921 ShuC292 2013-0401-man0921
 
よろづよに みともあかめや みよしのの
  たぎつかふちの おほみやところ
笠金村(かさの かなむら)=題詞原文には「笠朝臣金村」。第231歌、364歌参照。
【編者注】題詞読下しは、「神亀(じんき)二年乙丑(きのとうし)の夏の五月に、吉野の離宮(とつみや)に幸(いでま)す時に、笠朝臣金村が作る歌一首 并せて短歌」。その長歌(第920歌)への「反歌二首」の第一首。
【訓注】万代に(よろづよに=万代)。み吉野の(みよしのの=三芳野乃)。たぎつ(多芸都)。河内の(かふちの=河内之)。大宮ところ(おほみやところ=大宮所)。