万葉短歌-悠山人編

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万葉短歌3908 楯並めて3632

2021年03月22日 | 万葉短歌

2021-0322-man3908
万葉短歌3908 楯並めて3632

楯並めて 泉の川の 水脈絶えず
仕へまつらむ 大宮ところ  境部老麻呂

3632     万葉短歌3908 ShuI069 2021-0322-man3908

□たたなめて いづみのかはの みをたえず
  つかへまつらむ おほみやところ
○境部老麻呂(さかひべの おゆまろ)=「伝未詳」。
【編者注】巻17(3890~4031、百四十二首)の第19首。左注に、「右天平十三年二月右馬頭(みぎの うまのかみ)境部宿祢老麻呂作也(つくる)」。3907は、題詞「讃(ほむる)三香原(みかのはらの)新都歌一首 并(あはせて)短歌」の長歌。3708は、その反歌。
【訓注】楯並めて(たたなめて=楯並而)[ここ以外は<たて>訓]。泉の川(いづみのかは=伊豆美乃河波)[「今の木津川」。家持・書持兄弟の永訣の場、後出、3957~59]。水脈(みを=水緒)。三香原の新都[山背(やましろ)の久迩京(くにきょう)。京都府木津川市加茂町。天平12年(740)、藤原広嗣の大宰府の乱で聖武天皇が新都に定めた]。
【原文(長歌読下し)】17-3907  山背の 久迩の都は 春されば 花咲きををり 秋されば 黄葉(もみちば)にほひ 帯ばせる 泉の川の 上つ瀬に 打橋渡し 淀瀬には 浮橋渡し あり通ひ 仕へまつらむ 万代までに  境部老麻呂