A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

デュークエリントンは3代目でも健在だ・・・・永遠に続いて欲しい

2011-07-23 | MY FAVORITE ALBUM
Third Generation / The Duke Ellington Orchestra

政治の世界は2世議員ばやり、中には3世も。事業で成功を収めた人も3代目まで続けるのは難しいという。エリントンもいつのまにか3代目になっていた。

‘74年にエリントンが亡くなり、エリントンオーケストラがマーサーエリントンに引き継がれたのは良く覚えている。
しかし、今の3代目になったのは良く認識していなかった。
ジャズを聴き始めてからエリントンのレコードを買ったのは比較的早かった。多分このアルバム“WILL BIG BANDS EVER COME BACK?”が最初だろう。


ビッグバンドの世界をあまりよく知らなかったが、その独特のサウンドは深く印象に残り何か惹きつけるものであった。その後、色々なジャズ、ビッグバンドを聴くようになったが、エリントンはOne&Onlyの印象的なバンドであり続けた。好きなオーケストラであるが、何故か最近ではあまりターンテーブルに乗らずにいた。

今、そのエリントンオーケストラが日本を巡業中だ。最近はライブづいているので、エリントンも久々に行って見ることに。東京周辺のいくつかの公演予定を見ていたら、日程的にも草加でのコンサートが丁度都合が良かった。それに、チケットの価格が安い。何でも、宝くじの収益金の還元事業の一環とのこと。例の事業仕分けで、宝くじ事業も何か指摘されていた記憶があるが、このようなコンサートへの補助事業であればどんどんやって欲しい。

場所が草加、昼のコンサートであったが、最後列に何列か空席があったくらいで満席。最近はジャズのコンサート自体が大ホールでやることが少ないので、まだまだジャズファンはいるなと思ったが、周囲を見渡すと同年代以上のお年寄りばかり。最近の若者はエリントンを聴かないのかなといささか心配になる。



当日の様子はこちら

デューク・エリントン・オーケストラ ジャパンツアー2011

久々のエリントンオーケストラ、そしてエリントンナンバーのオンパレード。メンバーはほとんど知らなかったが、伝統あるエリントンサウンドは確実に引き継がれている。ドラマーに、ビルエバンストリオにいたマーティーモレルがいるのに少しびっくり。皆ソロも達者で、2時間を越えるプログラムもあっという間に過ぎ期待以上に楽しめた。

会場で、この3世代エリントンのCDを即売していたので記念に一枚購入。
そして、「草加せんべい」も一緒に。

このCDは一昨年録音の最新盤。コンサートの余韻がまだ残っている間に、永遠のエリントンサウンドを最近の録音で聴き直すことができるのも新鮮だ。3代で終わらずにいつまでもこのサウンドはこのままの形で引き継いでもらいたい。すでに一種の伝統芸能としての文化財になっているので。

今のバンドの魅力はこちらで



1. Take The "A" Train
2. Black And Tan Fantasy            
3. Caravan  
4. Cotton Club Stomp      
5. Do Nothin' Till You Hear From Me      
6. In A Mellotone  
7. Mood Indigo  
8. Satin Doll   
9. In My Solitude
10. Just Squeeze Me  
11. The Mooch  Sophisticated Lady
12. Things Ain't What Used To Be 

Mark Gross (as,cl,fl)
Cleave Guyton (as,cl,fl)
Shelly Carrol (ts ,cl,fl)
Bobby Lavell (ts)
Robert Landham (bs,cl)
Dion Tucker (tb)
Stafford Hunter Ⅲ (tb)
Jack Jeffers (btb)
Kevin Bryan (tp)
James Zollar (tp)
Chris Albert (tp)
Ravi Best (tp)
Tommy James (p)
Hussan Abdul-Ashkur (b)
Marty Morell (ds)

Paul Ellington (Band Leader & Conductor)
Barrie Lee Hall Jr (tp, musical director).

Produced by Corey Allen
Recorded by Joe Marciano on June 2, 2009
at System Two Studios, Brooklyn, New York



サード・ジェネレーション~ダイナミック・サウンド・オブ・エリントン~
DUKE ELLINGTON
キングレコード
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アナログ放送も終わりだ・・本来であればデジタル新時代のスタートのお祝いのはずなのだが。

2011-07-23 | Weblog
アナログテレビ放送最後の記念すべき日になった。

テレビ放送のデジタル化が騒がれだして、もう10年近く経つであろう。今日がその最後の日となると感慨も一入だ。まだ会社勤めの現役の頃、このテレビのデジタル化に合わせて通信と放送の融合の狂騒が世の中を席巻した真っ只中で仕事をしていた。技術的な話から、中身のコンテンツの話、ビジネスモデル、さらにホリエモンのフジテレビの買収騒ぎまでが毎日のようにニュースに盛りだくさんであった。

師として仕えた役員が「デジタルはビジネスモデルを変える。目先に振り回されるのではなく、デジタルになったら何が変わるかからビジネスを組み立てろ」との指示の中、試行錯誤が続いた。色々なアイディアやきっかけはあったが、既存の利権に根ざした収益モデルと比較すると桁違いに小さなマーケット規模だった。具体的な事業の芽を創る前に、役員は退任し、自分も会社を去った。

デジタルテレビになると、ハイビジョン、大画面、ワンセグ、EPG、データ放送、アクトビラ、・・とそれまでのアナログ放送よりも、多種多様な機能やサービスが増えることをメリットに、テレビ受像機の買い替え商戦に皆が参入した。テレビメーカー、CATV、通信会社・・。
肝心のテレビ局はこのデジタル化のお陰で放送施設の更新に多大な投資を強いられた。このテレビのデジタル化が巨額の利益をもたらすのではないかとの幻想の中で。メーカーも思惑が外れて想定外の価格競争に巻込まれ、テレビ受像機事業は赤字に。技術の差別化が難しいデジタルの怖い点だ。

そして、いよいよ明日の完全切替日を迎えた。確かに、周辺の付加サービスについては、EPGのように便利さがすぐに理解され受け入れられたもの、アクトビラのように鳴り物入りで始まったものの今ひとつ利用が進まないものなど様々だ。しかし、肝心なのはテレビの放送そのものだ。

ほとんどの家庭はデジタル対応が済んで、すでにデジタル放送を視聴している。明日になってテレビのスイッチを入れても何も変わらない。普段使わない部屋にあるアナログテレビのスイッチを入れてみると確かに何も映らない。でも、今までほとんど使わなかったので何も問題はない。

そして、何も変わることなく1日が終わる。
地上波のテレビ番組は完全デジタル化されたからといって昨日までと何も変わらない。
確かにデジタル放送用に買い換えた大画面テレビに向かう時間は増えたかもしれない。それで、録画したCS放送の番組、DVDを見る時間は確かに増えた。最近ではyoutubeを見ていることも多い。でも地上波の局の番組はほとんど見ない。
この前、ゴールデンの民放の視聴率が皆一桁になったといって大騒ぎをしていた。テレビを見なくなったのは自分だけではなさそうだ。

民放のビジネスのモデルは、リアルタイム視聴を前提とした視聴率に依存した広告モデル。このモデルがいつか行き詰るのは、デジタル騒ぎの前の、ビデオの登場の時から言われていた。しかし、この問題を先送りしてとうとう今日を迎えてしまった。利権にぶら下がった収益モデルはいつか破綻するのは最近の電力ビジネスの原発騒ぎで明らかになったばかり。

しかし、放送モデルの利権の美味しさに、放送局はそのビジネスモデルを変えることをしなかった。完全デジタル化になっても視聴率が上昇して、広告費が増えることはないであろう。
そして放送局は気がつく、デジタル化に向けた放送設備の多額の投資を回収する術が無いことを。そして、デジタル化に向けたコンテンツの開発を疎かにしていたことを。特に地方局は電波利権以外の存在意義が問われて久しかったのに。

地上波の完全デジタル化とは、放送局にとってアナログ時代の民放モデルの終焉に向けていよいよ坂道を駆け下りていくスタート台に立たされたことかもしれない。思ったよりも勾配が急で一度落ちたらもう戻れない坂の。

ネットの事業でメジャーになって世界を征服している、Yahooやgoogleも、その創世記は単純な機能に過ぎず、それが此れほどまでに大きなビジネス市場を作り出すとは多くの人は想像できなかった。次世代のテレビ放送を支えるであろう技術の要素はほとんど出来ていると思う。後は組み立てるだけだ。

本来であれば既存の事業を行っていたプレーヤーが自らの業界の存続のために作り上げて欲しかったが、今となっては完全にオープンマーケットだ。
誰が一番乗りで次世代テレビのモデルを作り出すか見ものである。
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