A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

次世代テレビ放送はどうなるか?・・(1) 今回のアナログ停波で何が変わったか

2011-07-26 | Weblog
地上波テレビ放送のアナログからデジタルへの切り替えが、たいした混乱もなく取り敢えず無事に終わったようだ。

でも今回の切り替えは、テレビ放送に使用する「放送波」の切り替えのメインイベント。アナログ用に使われていた放送波が停波し、いわゆる「空地」ができた。今後はこの部分の有効活用が具体化する。放送ではなくモバイル通信への利用が方針としては決まっている。テレビ放送(局)としては、これでデジタル波への引越し(これまでは両方使っていた)が完了し、跡地の引渡しが可能になったという状態だ。

周波数帯域の有効利用にはオークション制度の導入も謳われていたが、どうも本格的にはなりそうもない。最近あまりニュースも追いかけていないのでどうなっているのか。今後注目してみよう。

国が管理する電波の周波数帯域は限られた資源(資産)であり、当然次の世代で有効利用されなければならず、反面限られた資源なので利権化が行われる可能性がある。テレビ局の利権という視点では、少なくともアナログ波を使用していた帯域は返上するというのが今回の出来事だ。

テレビ局は、これまで放送波の利権のとりあえずの確保を真っ先に行うために、地上波だけでなく衛星波のBSにも手を出した。使用できる波が増えれば番組も増やさなければならないが、番組を制作し、購入するには費用がかかる。これまでには、民間放送の事業モデルが高収益を上げることができたので、とりあえずの利権化のコストも全体の中で帳尻を合わせることができた。

これからはそれぞれのビジネスを確立しなければならない。テレビ局とってはこれからが正念場だが、それが「次世代のテレビ放送」の答えになるものだ。

テレビビジネスの全体フローは単純に書けば以下のようなものだ。
今回は、単に「4の送波」の部分が変わっただけ。それに合わせて各世帯では、多くは受像機の買い換えが行われた。丁度デジタル放送の高画質を楽しむための大画面テレビが世に出てきた事もあり、この切り替えはまずまず成功した。アナログ⇒デジタル変換のチューナーもあるので、未対応の人もこれとアンテナを使えばとりあえずアナログのテレビ受像機でも見ることはできるので当座は凌げる。

1. 番組制作(購入)、CM集広
2. 編成
3. 送り出し(送出)
4. 送波
5. 受信
6. 受像機
7. 視聴

一方で、デジタル放送用の送信アンテナが東京タワーからデジタル放送のシンボルであるスカイツリーに替わることが予定されているが、こちらはまだ完成していない。来年テスト運用、本格的な使用開始は2013年の予定なので、まだ先の話だ。

デジタル化が一番の効果を表すのが、それがネットワーク化されたとき。
コンピューターシステムの世界では、ネットワーク化により劇的にサービスの内容が変化した。いわゆる昔オンライン化といわれた世界だ。

テレビの世界も、この1から7までがすべてネットワーク化されたときに、劇的な変化が起る。1から7の個々の要素のデジタル化対応は完成しつつある、あとはどう繋がってネットワーク化されるのかだ。
いわゆる「点のデジタル」から「面のデジタル」へのステップアップだ。順次その中身を解きほぐしてみよう。 
                                             
                                            <続く>
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

対決バトルは、競争か・・・・それとも協調か

2011-07-26 | MY FAVORITE ALBUM
SWING BROTHERS / Harry Allen New York Sextet featuring Scott Hamilton

生き物の世界、その歴史を辿ってみれば競争社会そのもの。仲間の中では競争を勝ち残った勝者がリーダーになり、種族間ではまさに食うか食われるかの死闘が自然の中で繰り広げられている。動物を扱うドキュメンタリーではいつも取り上げられているテーマだ。地球上の生き物は、自然淘汰と、本能的に持っている闘争の勝者によって常に構成され続けている。

ゆとり教育、法の下の平等、機会均等、男女平等・・・、戦後の日本の施策は、どれをとっても民主主義の下に競争を避ける方向でコントロールされてきた。一方で、新自由主義の名の下に、極端なマーケット至上主義が格差社会を生み出した。何で、金融の世界だけが、いびつな競争社会が許されるのだろうか。不当なルールの下に、一部の成功者と大多数の隷属者を生み出している現実に皆が首を傾げだした。
競争社会を否定した平等主義が、結果的に支配される状況を作り、反対に、個々が日々競争の中で切磋琢磨していることが、実は活性化した、安定した社会を作ることをやっと理解しだした。

ジャズの世界でも、バトルというものが昔は良くあった。ビッグバンドバトル、ドラムバトル、サックスバトル、ギターバトル・・・など、枚挙にいとまがない。

このアルバムのライナーノーツで、プロデュースした児山紀芳氏は、こう語っている。
「ジャズ・ミュージシャン気質が変化し、互いに相手を尊重する“民主主義的”な思考が憚るようになり、“バトル=相手を倒す”という構図が敬遠されるようになった。ジャズが面白くなくなったとベテランのジャズファンが嘆くのはその結果である」と。
正しい、認識だと思う。

スイングするテナーの伝統を引き継ぐスコットハミルトン。当然、昔のジャズのメインイベントであったバトルの相手を探すことになる。テナーの世界でこのバトルができるコンビは、比較的新しいところではアル&ズートが有名で好みだが、他にはあるようでない。アルトだとフィルウッズ&ジーンクイル
ハミルトンが選んだのは同じタイプのハリーアレン。というよりも、きっかけはハミルトンを尊敬しているアレンの方から申し出があったからといわれている。




初めてコンビを組んだのは2003年9月にニューヨークの名門ビレッジバンガードへ出演したのがきっかけ。その後、コンコルドジャズジャズフェスティバルJAPANにも来日し、衆目の元にデビューを果たしている。
人の暖かい演奏は、バトルというよりも、お互いを刺激しながら、2人のテナーをより豊穣なサウンドに作り上げている。きっと彼らの中には、お互いライバル心を持ち相手に負けまいという気持ちがありながら、2人で一緒にジャズの伝統を守りながらこの音作りに励んでいこうという意欲が満ち溢れていたことであろう。

八百長に揺れた日本の大相撲、やっと再開されたが一番大事なのは「この種を守るための競争心」だろう。



1. My Lean Baby (May) 7:55
2. Flying Home (Goodman, Hampton) 7:02
3. Danny Boy (Traditional) 5:35
4. Shiny Stockings (Foster) 6:19
5. Crazy Rhythm (Kahn, Meyer) 6:47
6. A Nightingale Sang In Berkely Square (Sherwin) 4:39
7. The Way You Look Tonight (Kern) 6:22
8. One O'Clock Jump (Basie) 6:04
9. Lobe Is Just Around The Corner (Geensler) 7:03
10. Cotton Tail (Ellington) 5:21
11. Love Light *bonus track japan only (Izumi) 5:21

Harry Allen (TenorSax) 
Scott Hamilton (TenorSax)
Bucky Pizzarelli (Guitar)
JohnBunch (Piano)
Jay Leonhart (Bass)
Chuck Riggs (Drums)

Recorded at Nola Recording Studios, NYC 2005


スイング・ブラザーズ~スイングジャーナル・リーダーズ・リクエスト
ハリー・アレン,スコット・ハミルトン,バッキー・ビザレリ,ジョン・バンチ,チャック・リグス
スイングブロス
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする