地上波テレビ放送のアナログからデジタルへの切り替えが、たいした混乱もなく取り敢えず無事に終わったようだ。
でも今回の切り替えは、テレビ放送に使用する「放送波」の切り替えのメインイベント。アナログ用に使われていた放送波が停波し、いわゆる「空地」ができた。今後はこの部分の有効活用が具体化する。放送ではなくモバイル通信への利用が方針としては決まっている。テレビ放送(局)としては、これでデジタル波への引越し(これまでは両方使っていた)が完了し、跡地の引渡しが可能になったという状態だ。
周波数帯域の有効利用にはオークション制度の導入も謳われていたが、どうも本格的にはなりそうもない。最近あまりニュースも追いかけていないのでどうなっているのか。今後注目してみよう。
国が管理する電波の周波数帯域は限られた資源(資産)であり、当然次の世代で有効利用されなければならず、反面限られた資源なので利権化が行われる可能性がある。テレビ局の利権という視点では、少なくともアナログ波を使用していた帯域は返上するというのが今回の出来事だ。
テレビ局は、これまで放送波の利権のとりあえずの確保を真っ先に行うために、地上波だけでなく衛星波のBSにも手を出した。使用できる波が増えれば番組も増やさなければならないが、番組を制作し、購入するには費用がかかる。これまでには、民間放送の事業モデルが高収益を上げることができたので、とりあえずの利権化のコストも全体の中で帳尻を合わせることができた。
これからはそれぞれのビジネスを確立しなければならない。テレビ局とってはこれからが正念場だが、それが「次世代のテレビ放送」の答えになるものだ。
テレビビジネスの全体フローは単純に書けば以下のようなものだ。
今回は、単に「4の送波」の部分が変わっただけ。それに合わせて各世帯では、多くは受像機の買い換えが行われた。丁度デジタル放送の高画質を楽しむための大画面テレビが世に出てきた事もあり、この切り替えはまずまず成功した。アナログ⇒デジタル変換のチューナーもあるので、未対応の人もこれとアンテナを使えばとりあえずアナログのテレビ受像機でも見ることはできるので当座は凌げる。
1. 番組制作(購入)、CM集広
2. 編成
3. 送り出し(送出)
4. 送波
5. 受信
6. 受像機
7. 視聴
一方で、デジタル放送用の送信アンテナが東京タワーからデジタル放送のシンボルであるスカイツリーに替わることが予定されているが、こちらはまだ完成していない。来年テスト運用、本格的な使用開始は2013年の予定なので、まだ先の話だ。
デジタル化が一番の効果を表すのが、それがネットワーク化されたとき。
コンピューターシステムの世界では、ネットワーク化により劇的にサービスの内容が変化した。いわゆる昔オンライン化といわれた世界だ。
テレビの世界も、この1から7までがすべてネットワーク化されたときに、劇的な変化が起る。1から7の個々の要素のデジタル化対応は完成しつつある、あとはどう繋がってネットワーク化されるのかだ。
いわゆる「点のデジタル」から「面のデジタル」へのステップアップだ。順次その中身を解きほぐしてみよう。
<続く>
でも今回の切り替えは、テレビ放送に使用する「放送波」の切り替えのメインイベント。アナログ用に使われていた放送波が停波し、いわゆる「空地」ができた。今後はこの部分の有効活用が具体化する。放送ではなくモバイル通信への利用が方針としては決まっている。テレビ放送(局)としては、これでデジタル波への引越し(これまでは両方使っていた)が完了し、跡地の引渡しが可能になったという状態だ。
周波数帯域の有効利用にはオークション制度の導入も謳われていたが、どうも本格的にはなりそうもない。最近あまりニュースも追いかけていないのでどうなっているのか。今後注目してみよう。
国が管理する電波の周波数帯域は限られた資源(資産)であり、当然次の世代で有効利用されなければならず、反面限られた資源なので利権化が行われる可能性がある。テレビ局の利権という視点では、少なくともアナログ波を使用していた帯域は返上するというのが今回の出来事だ。
テレビ局は、これまで放送波の利権のとりあえずの確保を真っ先に行うために、地上波だけでなく衛星波のBSにも手を出した。使用できる波が増えれば番組も増やさなければならないが、番組を制作し、購入するには費用がかかる。これまでには、民間放送の事業モデルが高収益を上げることができたので、とりあえずの利権化のコストも全体の中で帳尻を合わせることができた。
これからはそれぞれのビジネスを確立しなければならない。テレビ局とってはこれからが正念場だが、それが「次世代のテレビ放送」の答えになるものだ。
テレビビジネスの全体フローは単純に書けば以下のようなものだ。
今回は、単に「4の送波」の部分が変わっただけ。それに合わせて各世帯では、多くは受像機の買い換えが行われた。丁度デジタル放送の高画質を楽しむための大画面テレビが世に出てきた事もあり、この切り替えはまずまず成功した。アナログ⇒デジタル変換のチューナーもあるので、未対応の人もこれとアンテナを使えばとりあえずアナログのテレビ受像機でも見ることはできるので当座は凌げる。
1. 番組制作(購入)、CM集広
2. 編成
3. 送り出し(送出)
4. 送波
5. 受信
6. 受像機
7. 視聴
一方で、デジタル放送用の送信アンテナが東京タワーからデジタル放送のシンボルであるスカイツリーに替わることが予定されているが、こちらはまだ完成していない。来年テスト運用、本格的な使用開始は2013年の予定なので、まだ先の話だ。
デジタル化が一番の効果を表すのが、それがネットワーク化されたとき。
コンピューターシステムの世界では、ネットワーク化により劇的にサービスの内容が変化した。いわゆる昔オンライン化といわれた世界だ。
テレビの世界も、この1から7までがすべてネットワーク化されたときに、劇的な変化が起る。1から7の個々の要素のデジタル化対応は完成しつつある、あとはどう繋がってネットワーク化されるのかだ。
いわゆる「点のデジタル」から「面のデジタル」へのステップアップだ。順次その中身を解きほぐしてみよう。
<続く>