A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

仲間と旅行に行った後は・・・思い出話しに花が咲く

2011-07-12 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Jazz Mission To Moscow

インターネットの普及は情報の流れに国境を無くした。また、情報伝達のスピードの速さも昔と較べて格段の差がある。ホームページやブログの普及で個人でもすぐに情報発信が出来る。最近はツイッターなるものが出来たお陰で、モバイルを使えば、いつでも、どこでも、誰にでも・・受信だけでなく発信もという時代になった。インタラクティブなユビキタス社会の到来だ。今では国外との情報交換が遮断されているのは北朝鮮ぐらいだろう。

第二次世界大戦中、日本では欧米から持ち込まれたものは「敵性音楽」や「敵性語」と呼ばれ排除された。ちなみにサックスは「金属製曲がり尺八」、トロンボーンは「抜き差し曲がり金真鍮喇叭」と言われ、ジャズは当然禁止の憂き目に。第2次世界大戦後の米ソの冷戦時代にも、ソ連では情報統制、アメリカ文化の流入制限が行われていた。当然ジャズもその対象だったが、じわじわと広まっていったのはアメリカのVOAのラジオ放送を通じて。インターネットはまだ無かったが、国をまたがるメディアは登場していた。
そして1962年。まだ冷戦状態が続いている中であったが、アメリカからの正式なジャズグループの訪ソが実現した。その大役を仰せつかったのが、ベニーグッドマンだ。すでにモダンジャズ全盛期であったが、グッドマンの過去の実績と知名度は申し分なかった。

ベニーグッドマンはそのためにオールスタービッグバンドを編成して未知の国ソ連を訪れた。大成功のツアーから帰ってきたメンバーが、御大抜きで思い出をアルバムにしたのがこの作品。このメンバーの中に、西海岸からニューヨークに移り住んできたメルルイスも選ばれていた。腕達者な10人編成のビッグコンボ。アレンジはアルコーンが務めた。



一曲目はピアノのメルパウエルのオリジナル。低音の叩き出す様なピアノのソロが印象的だ。続いて間にグッドマンのテーマのレッツダンスを挟んで、ロシアにちなんだ曲が続く。
「モスクワの夜が更けて」は、丁度その頃流行った「ワシントン広場の夜は更けて」の二番煎じで日本でも一時流行った曲だ。

遠征メンバーがソ連の思い出を噛み締めながら、オールスターメンバーの分厚いアンサンブルと軽快なソロを存分に楽しませてくれるソ連旅行の紀行記だ。

1. Mission To Moscow
2. The Sochi Boatmen
3. Midnight In Moscow
4. Let's Dance
5. Russian Lullaby
6. Red, White And Blue Eyes

Marky Markowitz, Jimmy Maxwell (tp)
Willie Dennis (tb)
Jerry Dodgion (as, fl)
Phil Woods (as, cl)
Zoot Sims (ts)
Gene Allen (bars)
Eddie Costa (p)
Bill Crow (b)
Mel Lewis (d)
Al Cohn (arr, cond)

Recorded July, 1962

JAZZ MISSION TO MOSCOW
EMIミュージックジャパン
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