A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ラジオ放送用に残された演奏にはお宝がある・・・・

2011-07-17 | MY FAVORITE ALBUM
THE LIBERTY OF JAZZ / Plays Soviet Compositions over Radio Liberty


学生時代レコードの価格は2000円以上。今のCDよりも高い。当時の物価水準と比較すると今よりも5倍近くの価値がある貴重品だった。買える枚数も限られ、満足に聴くのはジャズ喫茶とラジオが頼りだった。当時のFMでは渡辺貞夫のマイディアライフで毎週放送用のオリジナルな演奏が行われていた。また大物のジャズグループのコンサートもオンエアされることが多かく、それらをエアチェックするのも楽しみの一つだった。
ということは、ラジオ局には膨大な当時のライブ演奏の音源が残されているはず。著作権などの関係もあるとは思うが、それらの音源が日の目を見た時には、語り継がれた幻のライブをまた聴くことができるかもしれない。

ラジオを始めとしてメディアの大きな役割は国家権力のプロパガンダの道具。今のお笑い番組中心の民放テレビからは想像できないが、国民総白痴化が国家戦略だとすると理解できなくもない。プロパガンダは国内だけでなく海外にも及ぶ。鉄のカーテンに仕切られた東西間では相手国向けのラジオ放送のやりとりが行われていた。
その中のひとつにRadi0 Libertyという放送局があった。1951年にロシア国民開放のためのアメリカ委員会という団体が立ち上げたが、これはアメリカ議会がスポンサー。1971年に同様な役割であったCIAがスポンサーのRadio Free Europe(FLE)と合併したが、所詮どちらも国家レベルのアメリカ自由主義のプロパガンダ用のラジオ局だった。米ソの冷戦は終わっても、今は中東向けにその役割は変わっていないらしい。

1962年のベニーグッドマンのソビエト訪問。大成功の裏には、数ヶ月に渡る各地での公演の合間には、現地でのジャズミュージシャンとの交流も図られ、草の根のジャズファンの交流は確実に行われたらしい。その時訪問したビルクロウやズートシムスは、ソ連から持ち帰ったロシアの曲を演奏することになった。このラジオフリーダムの入れ知恵だったらしい。
ビルクロウが、ソ連を訪れたメンバーを中心にボブブルックマイヤーなどを加えて、先日紹介した思い出セッションと同様に大型コンボを編成。アレンジはアルコーンが担当した。
放送用のリハーサルを含めた音源が残っていたのであろう、CDに収められているのもオンエアされたものだけではなく、メイキングの音源も含まれる。
CDの解説の大半はロシア語なので詳細は不明だが、放送用の音源にはこんなものまであるのだから奥が深い。視聴者がエアチェックや録画をしたコンテンツがYoutubeに増えてきた。今までお蔵入りされていた放送用の音源が日の目を見る日は近い。

1. You May Believe
2. Madrigal
3. Madrigal New York
4. You Will Say No
5. You May Believe - Or Nit
6. You May Believe - Or Not, take 2
7. Madrigal New York, take 1
8. Madrigal New York, take 2
9. You Will Say No
10. Five Minutes, trumpet solo - L.Armstrong

Art Farmer (tp, flh)
Bob Brookmeyer (vtb)
Phil Woods (as)
Zoot Sims (ts)
Nick Brignola (bars)
John Bunch (p)
unknown (g)
Bill Crow (b, ldr)
Walter Perkins (d)
Al Cohn (arr)

Recorded in NYC, probably May 2-18, 1963
(Radio Liberty 131542)
コメント
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