A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ジャズのコピーバンドは是か非か・・・・・辰巳哲也Big band

2011-07-11 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Mel Lewis & The Jazz Orchestra / Make Me Smile & New Works By Bob Brookmeyer

もうすぐデュークエリントンオーケストラが来日して全国ツアーを開催する。昔はジャズのグループでも大きなホールで全国ツアーが当たり前だったが、最近では東京でも大きなホールでのコンサートは稀だ。まして全国となると・・?
エリントンが亡くなってから大分経つが、オーケストラは引き継がれている。カウントベーシーしかり、バディーリッチ然り、有名バンドは引き継ぐ者が現れ、そのスコアも引き継がれていく。しかし、他のバンドやそこで演奏されたスコアは中々後に日の目を見ることは少ない。いい作品があるのに残念だ。もっとも学生バンドはまずはコピーからのスタート。かえってアマチュアバンドの方に引き継がれているのかもしれない。

先日の辰巳哲也ライブ。予告どおりボブブルックマイヤーの作品が取り上げられた。玄人受けのするブルックマイヤーのアレンジなので、普段他のバンドで聴けることはほとんど無い。辰巳地自身のフィリューゲルホーンをフィーチャーした”Nevermore“。



この演奏の元はメルルイスのオーケストラ。サドジョーンズがバンドを去り、メルルイスオーケストラになってしばらく経った1982年の作品だ。オリジナルのフリューゲルホーンはトムハレル。他のメンバーも現在のVJOの核となるメンバーは皆参加している。
アルバム自体は古巣ビレッジバンガードでの録音。バンドの再スタートにあたってサドの曲をやらなくなったので旧友のブルックマイヤーに頼った部分が大きい。今回は全曲のアレンジをブルックマイヤーに託した。

ブルックマイヤー自体がサドメルの創設時のメンバー。1968年の初来日の時にもメンバーに加わっていた。今よりは太った丸顔。縁無しのメガネをかけて、どこか大学のプロフェッサーか企業のエグゼクティブの雰囲気であった。隣に座っていたジミーネッパーが、その名の通り「地味」な感じで好対照であった。
サドメル自体のバンドがことごとく好対照な要素を組み合わせた微妙な組み合わせの妙を売りにしていたので、2人の違いもぴったりであった。その時ブルックマイヤーもアレンジを提供していたが、サドジョーンズのアレンジとは好対照な重厚なサウンドを聴かせてくれた。ファンキーな感じの曲の合間のブルックマイヤーの曲は清清しさを感じた。

早々にブルックマイヤーはバンドを去ったが、10年ぶりの復帰で気合の入ったアレンジを提供している。アップテンポのスローな曲も全編ブクッルマイヤー節の味付けだが、普通のビッグバンドのサウンドに慣れていると、LP両面タップリ聞くと好き嫌いが分かれるかもしれない。ちょっと聴いただけだと取っ付き難いが、自分は聴けば聴くほど味が出るので好きだが。



最近でもVJOに曲を提供しているようで、サドメル創世記からこのブルックマイヤーはこのオーケストラに3代に渡って一番縁が深いミュージシャンかもしれない。

ブルックマイヤーの素晴らしい作品の演奏を聴くことができるのも、「コピーバンド」に拘っている辰巳哲也のお陰かもしれない。これからも期待しよう。
プロももっと過去の名曲・名アレンジの再演にチャレンジして欲しいものだ。

1. Make Me Smile
2. Nevermore
3. The Nasty Dance
4. NcNeely’s Piece
5. My Funny Valentine
6. Goodbye World

All Compositions by Bob Brookmeyer

Mel Lewis & The Jazz Orchestra

Earl Gardner, Joe Mosello, John Marshall, Tom Harrell (tp)
John Mosca, Ed Neumeister, Douglas Purviance, earl Mcintyre (tb)
Stephanie fauber (fhr)
Dick Oatts (as,ss,fl)
Kenneth Garret (as,cl,ss,fl)
Joe Lavano (ts,cl)
Gary Paribek (ts,cl)
Gary Smulyan (bs,cl)
Jim McNeely (p)
Marc Johnson (b)
Mel Lewis (ds)

Recorded in concert at the VALLAGE VANGUARD, January 7-11, 1982


コメント (8)
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