A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

誰かに似ていることのメリット・・・・・ディメリット

2011-07-03 | CONCORD
FACETS / Monty Alexander

ジャズの魅力は個性だと思う。自分のスタイルを確立し、それに実力と人気が伴えば一流の仲間入りだ。過去の巨匠たちは皆そうして一流になった。今の時代は何となく皆上手いが没個性の時代。ゴルフの世界もそうだ。若い頃からの教育が行き届くと反対に個性が出にくくなるかもしれない。

ピアノのモンティーアレキサンダー。
デビュー当時からオスカーピーターソン似のピアニストという評価を受けていた。確かにテクニックはあるし、饒舌さはピーターソンに負けない。小気味良さと力強さも併せ持った演奏であり、一見(というより一聴)非の打ち所がない演奏。でも何故かジャズファンにはこんな演奏が受け入れられないことが多い。それは師匠格のピーターソンも同じであった。ジャズファンというものは何か不完全なものに個性を求めているのかもしれない。

ジャマイカ出身で若い頃からアメリカに渡って演奏を続けてきた。レコードデビューも60年代の中頃には果たしていた。ピーターソンの勧めでMPSと契約もしていた。このレコーディングの時はすでに新人というよりは中堅の域へ。そして、これがConcordへ移籍のファーストリーダーアルバムということになる。

この年1979年の1月には来日もしていたが、恒例の夏のコンコルドジャズフェスティバルにはこのセットで出演していた。この様子は”Live at the Concord Jazz Festival – 1979 / Ray Brown Trio”としてすでにアルバムがリリースされている。このアルバムではレイブラウントリオだが、今回はモンティーのリーダーアルバムとしての発売だ。フェスティバルに一緒に出ていたアネスティンアンダーソンもこのトリオのバックでこのすぐ次のタイトルでリリースされた。この年の8月はアネスティンを含めた4人にとってはお互いを高め、充実した一ヶ月であったようだ。

有名なジョニーの凱旋からスタートするが、マーチ風からアドリブパートは4ビートへ、バラードプレーでも力強く、ロックンロール風ではよりファンキーに、母国ジャマイカの曲ではリズミカルなプレーの真骨頂。
ピーターソンはカナダ出身、一方のモンティーはジャマイカ。生まれ育ったラテンのリズム感はやはり違うようだ。似ているとはいえ、この時にはすでに独自のスタイルができている。有名になるには、お手本となる師匠がいた方がいいが、最後は自分のSomethingがあれば、似ていることは少しもディメリットではない。
現在に至る活躍は立派な巨匠の仲間入りをしていることの証だ。そろそろモンティーに似ている新人が出てきても不思議ではない。

当時(前年1978年)の演奏。



1. When Johnny Comes Marching Home   Gilmore, Lambert, Traditional
2. Lost April                DeLange, Newman, Spencer
3. I'm Walkin'               Bartholomew, Domino, Domino
4. Hard Times               Charles, Mitchell
5. Hold 'Em Joe               Thomas
6. Consider                 Alexander
7. Speak Low                Brunner, Nash, Tate, Weill, Wilton
8. Tune-Up                 Davis

Monty Alexander (Piano)
Ray Brown(Bass)
Jeff Hamilton(Drums)

Produced by Carl Jefferson
Phil Edwards Engineer
Recorded Aug. 1979
Concord CJ-108
(所有盤はユピテルの日本盤)

 
Facets
クリエーター情報なし
Concord Records


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