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日本の政治を変えた男、赤城農水相、唯一の仕事

 いまさら、この人の話題かと、気が引けるが、大事なことなので、書いておく。
 今朝(8月1日)の「読売新聞」に、「赤城農相留任させず 首相」という見出しの下に、安倍首相が内閣改造について、「『赤城農相を含めて、人心を一新していく』と述べ、赤城農相を留任させない考えを明らかにした」とあった。これは、一体、どういうことなのか?「読売」は、安倍政権に好意的な方の新聞だから、誤報ではあるまい。
 選挙を戦った自民党候補、関係者は、「いまさら更迭方針を明らかにするなら、なぜ、選挙前に赤城氏を切ってくれなかったかったのか!」と、恨みと共に、思うだろう。赤城氏の存在と言動には、自民党の選挙結果を、単なる「敗北」から、「大敗」に変える程度のインパクトがあったと思う。ある意味では、彼こそが、日本の政治を変えた男だ。
 そして、自民党関係者の立場に立たなくても、これは拙い。
 「もうしばらくで大臣は、クビだよ」と言われて、部下たる、農水省の官僚達が十分に働くとは思えない。もちろん、赤城氏本人のモチベーションも落ちる。行政は、間違いなく停滞しよう。この人使いは、いったい何なのか?
 もちろん、農政は重要問題だ。赤城氏が不適任なら、どうして直ぐに罷免しないのか。そして、彼をしばらくおいておくのに、不適任のレッテルを貼ることの意味は何なのか。代わりを決めるのに手間取るなら(それも首相として能なしだが)、安倍氏が兼任という手もある。あらゆる意味から言って、このタイミングで、赤城氏を再任しないことだけを発表するのは、理屈が通らない。
 首相は、世論に迎合したのだろうか。真意は分からないが(はっきり言って、安倍氏ぐらいおバカだと、真意の論理的推測は難しい)、何れにせよ、今まで部下たる閣僚を庇ってきたのも、度量が大きいわけでもなければ、人情に厚いわけでもなかった、ということが、よく分かった。要は、冷たい男だが、同時にグズなのだ。
 何はともあれ、こんな人事と人使いでは、安倍氏は、会社の社長はおろか、課長だって務まるまい。もう、党派を超えて、安倍首相の辞職を求めるべきだろう。彼の口癖を借りるなら、「反省すべきは、反省して」即刻辞職し、時間を取って「しっかりと」勉強し直して、将来の「再チャレンジ」に賭けて欲しい。
 間接的とはいえ、安倍首相に「賞味期限切れ」のラベルを貼ったのだから、赤城氏は、農水相として、一つはそれらしい仕事をしたことになる。

(注:このエントリーの投稿後に、筆者(山崎)は、赤城大臣の辞職のニュースを知りました。時間的には、彼の辞職の方が、先です。但し、上記の読売の記事は朝刊掲載されたものであり、「安倍首相のおかしさ」に関する論旨は、大筋変更の必要はないと思います)
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朝青龍への適切な処分は?

 横綱朝青龍が、腰と肘の故障などの理由で巡業を休みながら、モンゴルで元気にサッカーをしていた問題(VTRを見ると、ほれぼれするような運動神経です)について、どう処分したらいいのか、議論が百出している。
 横綱のこの種の不祥事については、休場中に野球観戦がばれて引退という例もあれば、同じく休場中にハワイでサーフィンをしていて厳重注意で済んだ(NHKの大相撲解説で北の富士がどう解説するか、注目だ!)という例もあり、ルールがキッチリ整備されていない。この点、マーケティングや危機管理(八百長報道への対応等)にも問題があり、組織として、ビジネスとしての、大相撲は、根本的に見直す必要があると思う。
 朝青龍に対する処分の考え方としては、(1)横綱の責任と品格を大いに且つ過去にも度々損なっており、今回こそは厳罰が必要だ、という厳罰論と、(2)出場停止にすると、現実的には相撲興行上マイナスになり拙い、という現実論との、折り合いがうまくついていないようだ(まだ、納得の出来る処分案を聞いていない)。
 巡業を休ませることがいいことなのかどうか、また、本場所はどうするのか、落とし所は難しい。
 私の処分案は、(1)「横綱降格」(2)本人・親方への罰金、(3)サイドビジネスの禁止、だ。朝青龍を大関に降格し、今後、毎場所終了後に、横綱審議委員会に諮問して、「心・技・体」が横綱にふさわしいと認められれば、再昇格する。彼の場合、横綱の条件である「心・技・体」の「心」に問題があることが、形として明らかになったのだから、降格に、問題はない。現在の彼には、横綱にふさわしい品格がないのだから、横綱の歴史的権威を保つには、これが一番だろう。
 同時に、横綱審議委員会のメンバーにも、彼を横綱に推挙した不明と、指導の不足の責任を取って、何らかの処分が必要だろう(少なくとも委員長辞任は必要)。どんな処分を下すにせよ、横綱審議委員会に問題がない、とは思えないので、この点は強調しておく。
 横綱から外れると、多額の懸賞が掛かる結びの一番の出場が減るので、収入も減少するだろうし(八百長の資金も減る)、もちろん、毎場所、格好が悪い。これまで横綱土俵を入りしていた男が、幕内力士と一緒にぞろぞろと土俵を囲んで、間の抜けた動作をして、また、ぞろぞろと退場するのだ。主たる処罰として適当だろう。
 二場所連続優勝と素行の改善といった、改善が見られた場合には、再び横綱にすればいい。実力で復帰するなら、何の問題もない。「綱取り」での興行的盛り上がりも期待できるだろう。彼がこれから、再び稽古に励み、横綱再獲得(未曾有の快挙でもある)への強いモチベーションを持つことにでもなると、通算40回くらい優勝するようになるかも知れないが、それも一興であろう。
 もちろん、本人と共に、親方への罰金、さらに、管理責任を取って北の湖理事長の減俸などの経済的な処分も必要だろう。
 但し、本場所への出場停止や廃業勧告など、朝青龍を土俵に上げないのは良くない。相撲は格闘技であり、強さが上位力士の権威の源なのだから、彼を土俵から遠ざけて、彼よりも弱い連中だけで相対的な競争を行うようなやり方は、相撲という競技の魅力と権威を損なう。
 尚、朝青龍は、あまりにも頻繁にモンゴルに帰っているが、これは、たぶん、サイドビジネスの為だろう。力士の現役時代は短いし、サイドビジネスを全て禁止するのは行きすぎだが、事業会社でも「本業に差し支えのある副業は禁止」というレベルの副業規制は当然であり、相撲協会も、力士のサイドビジネスに対しては、承認制が必要だろう。朝青龍は、自らの職責を果たす上で、サイドビジネスが障害になっているので、当面、認める必要はない。
 「大関・朝青龍」。いかがだろうか?
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