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堀江氏、村上氏、折口氏を比較する

 傘下のコムスンが起こした問題で、グッド・ウィル・グループの折口代表が批判の矢面に立っている。どのぐらい続くか分からないが、一時のライブドア堀江元社長、村上ファンドの村上代表並の「極悪人」扱いに見える。政治的な影響は、年金問題から関心が逸れて与党に有利なのか、年金の次は介護と、国民の(特に投票率の高い高齢者の)関心の高い問題で行政の不手際が続けて起こって、野党に有利に働くのか、どちらなのか分からないが、ここでは、介護でGWGが起こした問題や政治問題ではなく、ビジネスマンとしての、3人の印象を、ごく簡単に比較してみたい。

 (1)基本思想、(2)ビジネスの着眼点、(3)本人の個人的な強み、(4)ビジネス上の弱点、という視点で見てみよう。

●堀江氏
(1)拝金主義。お金で自分をアピールしたい。
(2)主たる商品・手段は「株式」。良くも悪くも株式市場を徹底的に利用し、株式市場でのイメージを重視した。模倣でも何でもビジネスを形にして、株式を上場し、実質的に株式を交換する形で、ビジネスを手に入れていた。
(3)自分でもプログラム開発ができるなどシステム関係の知識・理解力があり、当初のオン・ザ・エッジ上場に至るまでの種を作ることができた。
(4)目立ちたがりで、自意識過剰だった。メディアへの露出が役に立った時期もあったが、最終的には、過剰な自意識と目立ちたい欲求がマイナスに働いた。

●村上氏
(1)拝金主義。お金で自分をアピールしたい。
(2)資産の換金価値よりも安い株式を買って、企業の本来の価値を実現させれば儲かる。ファンドでもあり、米国のW.バフェット氏のように、株を買って、企業に儲けさせる時間を使う暇はなく、常にExitが必要だったので、投資家としては、利益を信用せず、資産の価値に頼った。
(3)口が立つこと。堀江氏、日銀の福井氏など、多くの人を、口先で巧みに、利用することができた。
(4)儲けるだけでなく、説教(←要は自分の正当化だが)をしたがること。これはビジネスの儲けには、余計。長所と裏腹だが、たぶん、何らかのコンプレックスをカバーするために、常に、自己主張が必要だったのではないか。

●折口氏
(1)徹底的な拝金主義。お金以外信用しない。お金そのものが目的。
(2)バブルの頃は、流行に弱いオネーチャンとオネーチャンに弱い男どもを「ジュリアナ」で一網打尽に。その後、派遣ビジネスでは立場の弱い労働者から利益を絞り取り、介護ビジネスでは、体力・判断力の弱い老人を客として彼らの不安感につけ込んだ。ビジネスの一般的な原則として「弱者から得る儲けは大きい」。たとえば、外資系証券のビジネスでいうと、潰れた○○生命や××火災のような、バランスシートがボロボロの会社が、これを誤魔化すために使ったデリバティブは、利幅が大きい、儲かる商売だった。
(3)詳しいことはよく分からないが、単純であこぎなビジネスを徹底させる、ブレない姿勢が強みだったのだろう。
(4)敢えて言えば、「やりすぎ」及び「親しみにくくて不気味な風貌」と「ダーティーなイメージ」が弱点だが、ビジネスマンとしては堀江氏、村上氏よりも目的合理的で目立った欠点がない。嫌な感じ、ではあるけれども、儲けそうな経営者だ。

 要するに、好き嫌いは別として、堀江氏、村上氏には、ビジネス上はいかにも余計な、しかしいかにも人間的な欠点があったが、折口氏にはそれがないし、ジュリアナ、派遣、介護、と見ると、ビジネスの狙いは常にストライクだ。たぶん、近年台頭してきた経営者の中では、突出して鋭いのではないか。但し、その分、人物的には、親しみにくいし、率直に言って、不気味である。
 ただ、彼が、この逆境でどんな手を打つのか、また、次に(チャンスがあるかどうかは微妙だが)何を狙うのかには、大いに興味をそそられる。
 
 みなさんは、折口氏に、どのようなイメージをお持ちになりますか? それにしても、人材派遣業の方に問題はないのだろうか。
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