山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

誤植が不思議さを増した

2015-03-05 16:59:40 | 透明人間三部作-2014-2015
「ねじ式」(つげ義春)の冒頭では「メメクラゲ」からハジマル。
原作者は「××クラゲ(ばつばつくらげ)」と記されていたが、写植する際、「××」を「メメ」と読み間違えて出版された話は有名である。
いずれにしても実在するクラゲではないらしい。実在しないから「××」としたのだろう。更に誤植によって「メメ」が普及され、「メメ」が一人歩きを始めた。
メメクラゲは血管を食い千切る程、凶暴なクラゲであり、人の命を奪う程、猛毒を持つクラゲであるに違いない。
例え火の中、水の中、夢の中の出来事であろうと、メメクラゲに噛まれた夏の日の青年はたまったものではない。
「ぼくは死ぬかもしれないのです。」
誤植によって名付けられた「メメクラゲ」は恐怖のリアリズムである。実在しないモノは、実在するあらゆる恐怖をも連想してしまう。
メメクラゲを現実に置き換えると、私たちには見えないもの、目を逸らしたくなるようなもの、言わば「透明な恐怖」と対面することになる。つまり、隠し通せない理不尽が見えてしまうのだ。
青年はふらふらとイシャを探し求めて漁村を彷徨う。その姿が孤独だ。ここに共感するのです。
右向け右!・・・青年は孤独に歩いているのです。
文明から取り残されたノスタルジックな風景に逆流する世界がある。
妄想ー空想ー想像は「現実逃避」とレッテルを貼り付けて馬鹿にする諸君には理解し難い力があります。
避難しましょ。たんたんとしなければならないのです。

劇団夢桟敷 第67回公演
透明人間三部作 完結篇
「ねじ式~夢日記より」
原作◎つげ義春/作◎山南純平/演出◎さかもとまり





(注)ここに掲載されている写真は2011年「ねじ式~復活篇」の舞台写真より。

■熊本公演
5月29日(金)19:00開演
5月30日(土)15:00開演/19:00開演
会場:ギャラリーADO
熊本市中央区河原町2

■札幌公演
6月6日(土)15:00開演/19:00開演
6月7日(日)15:00開演
会場:実験演劇集団「風蝕偉人街」
   アトリエ阿呆船
札幌市中央区南4西9 栄輪ビルB1 

【登場人物・・・出演】
青年・・・工藤慎平
キクチサヨコ・・・坂本咲希
コバヤシチヨジ・・・肥後丸.
新田のマサジ・・・太郎ピーチマンション
天狗堂・・・海幸大介
金太郎飴の母・・・夢現
無能の人・・・山南純平
産婦人科の女医・・・謎
【スタッフ】
東田まなみ/坂本冬馬(音楽)/タカハシユウジ(音楽)/のわーる(音楽)
工藤慎平(舞台監督)/坂本咲希+太郎ピーチマンション(宣伝美術)
肥後丸.+海幸大介(舞台美術)/さかもとまり(音響)/山南純平(照明)

木戸銭◎前売り2000円(当日2500円)
(問)09045815190(制作)09028576099(塚崎)
予約■yumesajiki@ybb.ne.jp
ウェブ予約■https://www.quartet-onlie.net/ticket/sejishiki

最新の画像もっと見る

コメントを投稿