山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

STREET ART-PLEX KUMAMOTO【7】

2013-10-11 23:44:46 | 遊戯療法~レミングより
■1メートル四方国家

市街劇では「国家」のタイトルが踊っている。
演劇で言う「国家」は「日常を疑う」ところから捉える。

1971年、演劇実験室天井桟敷では「1メートル四方1時間国家」がフランスのナンシーとオランダのアーヘムで市街劇「人力飛行機ソロモン」として上演された。
1時間毎に2倍に膨張する「見えない劇場」として市街劇が行われた。言い換えれば市街の日常を丸ごと演劇として抱え込む実験だった。
1975年には市街劇「ノック」として東京都杉並区阿佐ヶ谷で上演される。30時間同時多発的市街劇として!
膨張する見えない劇場は一般市民や警察までもを巻き込むことにより「事件」と化した。
ある意味、演劇の革命でもあった。

今、それは許されるであろうか。社会環境の問題ではなく自己規制の面から許されなくなっている。つまり、自己責任として処理できなくなった。日常生活第一。群れから外れると生きていけないぞ。働き口がないぞ。食っていけないぞ。
若者たちは夢を見る前に怯えているのが現実。そのような強迫観念に怯えている日常に包まれて見える。

稽古が終って、座長=夢現とうどん屋で「1メートル国家って何なのよ。」と語り合った。
二人で語る時は技術論になる。具体化する。「見えない劇場」では済まされない。見えることを作る。それが前提になる。
座長から<案>が出た。・・・私の仕事が一つ減った。
最近、私は身軽くなっているように感じる。背負っているものが少しずつ減ってきている。

明日(土)の昼間はキッズ「とうめい人間」の稽古である。消える話。身に詰まされる。喜劇にしよう!
夜は市街劇の稽古でロングランになる。二つのバージョンで総勢40名と取り組むのだ。
荷が軽くなったと喜んでいる場合ではないのだが、内部では次世代の力が増してきているのである。

日常批判を考える、行動する。それが劇だ。1メートルは原点である。

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